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外房漂着ブロンドちゃん 〜床下の菩薩、若者組と海女(アマ)になる〜  作者: 塩塚 蘭仮名


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【第38話:白い磯着の水底トラップ】

お読みいただきありがとうございます!

ゲリラ戦第二幕。

海岸線から迫る敵の別働隊に対し、

下着をつけず白い磯着だけをまとった「海女連合」の

セクシーかつクレイジーな水中戦が始まります!

「足元を確かめよ。

この入江は思いのほか水深が深いぞ。


路地の騒ぎに惑わされず、

一気に裏手から回り込んでお咲を拉致するのじゃ! 

続け!」


「へい! 

しかし朝靄のせいで、足元も水面も酷く不気味に揺れて……、

うわっ!? なんだべ、水の中に何かいるぞ!」


「おいおい、異国の兵隊さんよ! 

外房の深い海を、俺たちの無敵の縄張りを

そんなに舐められちゃ困るべさ!」


 海岸線の険しい岩場から密かに上陸を試み、

深い入江へと差し掛かっていた異国小隊の別働隊。


 彼らの眼の前で、静まり返っていた水面が突然、

激しく大きな波紋を描いて豪快に割れた。


朝日に照らされて眩しく浮かび上がったのは、

下着をつけず薄手の白い磯着だけをまとった、

海女の衆のおなごたちの、健康的な小麦色に引き締まった肉体であった。


「今だべ、おなごの衆! 

あの不気味な鉄の筒を構える前に、

まとめて水底へ引きずり落としちまいな!!」


「おうよ、頭(かしら)! 

異人の旦那がた、外房の冷てえ波の味を

たっぷりと身体に占めさせてやるべさ! 覚悟しな!」


 海女の頭領の豪快な掛け声と共に、

彼女たちは日頃の素潜りの妙技を遺憾なく発揮し、

人魚のごとき美しい弧を描いて一斉に深淵へと飛び込んだ。


 重い甲冑や鉄砲の装備をがちがちと身につけた兵士たちは、

朝靄の暗い水中を、音もなく急速に接近してくる

無数の「白い影」に気づくのがあまりにも遅すぎた。


海女たちはしなやかで強靭な四肢を水中で

縦横無尽に躍動させると、

水底でおびき寄せた兵士たちの足を容赦なく掴み、

凄まじい怪力で一気に引きずり込んでいったのだ。


「ぶ、ぶはっ……! な, なんという冷たさじゃ……! 

水圧で、胸の骨が押し潰される……! 息ができん!」


「お、おなごに足を掴まれて……、上がれん! 

放せ、この不埒な東洋の魔女どもめ! 離しおれ!」


 外房の荒波の冷たさと強烈な水圧の前に、

異国の兵士たちは一瞬にして大狼狽に陥り、

水中でもがけばもがくほど、装備の重みで深く沈んでいった。


海女たちは水中で妖しく艶やかに微笑みながら、

手にしたアワビ用の磯ノミを閃かせ、

敵の重い装備の紐や帯を、魚の鱗を剥ぐように鮮やかに切り裂いていく。


 必死に水面へ這い上がろうとする兵士たちの頭を、

海女たちはその豊満な胸元や

なめらかな太ももで遮るようにして翻弄し、

完全に呼吸の自由を奪い去った。


水中という、陸上の法も通じぬ彼女たちだけの

無二の楽土において、海女の衆は文字通り無敵の女神であった。


「ひ、ひえぇっ……! 助けてけろ! 

このままでは本当に冷たい海の藻屑にされちまう! 

刀も使えん!」


「今のうちに岸辺へ逃げるべ! 

あれは人間じゃねえ、本物の人魚の化け物だべさ! 

早く逃げろ!」


 重い鉄砲を捨て、

命からがら顔を真っ青にして岸辺へ逃げ延びた兵士たち。


しかし、彼らがほうほうの体で砂浜に這い上がった瞬間、

そこにはすでに、太く頑丈な漁網を構えて手ぐすね引いて

待ち構えていた村の漁師たちがずらりと列をなしていた。


「ガハハハ! 

かかったべ、異国の大きな雑魚(ざこ)どもが! 

そら、一網打尽だべぇえ!!」


「引け、引け! 

網の目をきつく締めろ! 

一匹たりとも逃がすんじゃねえぞ! 大漁だべさ!」


 頭上から容赦なく振り下ろされた

巨大な漁網の罠に絡め取られ、武装した兵士たちは、


まるで大漁のイワシのように砂浜でのたうち回りながら、

完全に生け捕りにされてしまったのだ。


 その頃、路地裏の油罠で使節の添頭を組み伏せ、

お咲を床下の芋つぼから無事に解放した太助と次郎たちが、

大慌てでこの海岸線へと駆けつけてきた。


「ネエちゃん、危ねえから俺の後ろに……って、

うわあ!? なんだべ、この凄まじい光景は! 腰が抜けるべ!」


「兄ちゃん、おいら、また鼻血が……、

お姉さんたちの格好が凄すぎて、

鼻血がだくだくと止まらねえべさ……!」


 お咲が青い瞳を瞬かせながら浜辺へとたどり着いた時、

そこには、濡れた白い磯着を白肌にぴたりと密着させながら、


勝利の歓声を上げて諸手を激しく叩き合わせている、

海女たちのあまりにも艶やかな姿があった。


そして、彼女たちのその目のやり場に困るほど刺激的な姿に、

鼻血を噴き出しそうになりながらも、

漁網を足蹴にして誇らしげに胸を張っている若者組の男たちの姿があった。


「お咲ちゃん、怪我はなかったかい? 

異国の生臭坊主どもは、ご覧の通りすっかりお魚さんになっちまったべさ!」


「頭(かしら)、みなさん……。

本当に、本当に凄いわ……! 

なんて力強くて、まばゆいのでしょう!」


 お咲はその光景を前にして、

胸の奥底が熱くなるのを禁じ得なかった。


言葉は完全には通じなくとも、自らの性を誇り、

豊かな肉体の色香を惜しげもなく放ちながら、

男も女も一緒になって命懸けで自分を守り抜いてくれた村の仲間たち。


 お咲の白い頬は感動で薔薇色に色づき、

このうら寂しい外房の漁村が持つ、剥き出しの圧倒的な生命力の美しさに、

心からの敬意と深い愛おしさをその身いっぱいに吸い込むのだった。

海女さんたちの水中トラップ、強くて最高にセクシーでしたね!

武装兵をイワシのように捕らえるカタルシス。

次回、いよいよ捕らえられた敵の隊長にお咲ちゃんが対峙します!

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