↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/29

失言

「そっか、闇魔法……そんなものまであるのか」

「えぇ、だからシルヴァンの死因は、闇魔法で間違いないと思うわ。問題は、その動機と犯人がわからないところだけれど……」


 王家の書庫から学園へ戻ってきた私は、一人教室で待ってくれていたシルヴァンと合流した。決してシルヴァン以外には知られないよう、声を潜めて得た情報を共有する。


「あの魔獣事件とも、関係があるのかな。一周目にはなかった出来事なんだよね?」

「でも、ユリウス教授には記憶がないし……本人も操られた様子だと言っていたようだから、彼自身にあまり関係があるとも思えないのよね……」

「そっか。じゃあ、ユリウス教授が犯人という可能性は低そうかな」

「えぇ。あと、一周目にはいなかったマリベル、ここまで協力してくれたニコラス教授も違うでしょうね」

「……逆に言えば、それ以外の人は可能性があるってことか……候補が多すぎるな」


 シルヴァンの言葉に私はため息を吐く。せめて動機さえわかればもう少し犯人が絞れそうなものだけど、如何せん全く分からないのよね。


 犯人はなぜ、闇魔法でシルヴァンを殺したのか……シルヴァンを狙い撃ちした理由は、なんだったのか。


「……なんだか、堂々巡りになりそうね。これでエディが犯人だったりしたら、私人間不信になりそうだわ」

「怖いこと言うのやめてよ、ベアトリーチェ……」


 シルヴァンが苦笑いをする。笑い事じゃないんだけれども。全く、シルヴァンが自分の命が狙われていること、わかっているのかしら?


「やっぱり、アイレス侯爵家の書庫も確認してみるべきなのかしら……」

「いいんじゃない? 勉学のための帰省とか理由付けて、休暇申請しようよ」

「そうね、ならフローラ教授に申請を出しに……」


 ――ガラッ!


「この私になにか用かしら~~!?」

「わっ、びっくりした!」


 丁度フローラ教授を探しに行こうとしたところで、教室に本人が入ってきた。

 フローラ教授は私たちを見るなり、なんだかニヤニヤしながら口を開く。


「おやおや二人とも、こんなところで逢引きか~!? もー、不純異性交遊はやめなさいね、先生が怒られちゃうんだから!」

「してません! それより、帰省のために休暇申請を出したくて……」

「なんだ、そんなこと? 申請書は植物研究室に置いてあるから、一緒に研究室まで行きましょうか」


 そう言ってウインクするフローラ教授を軽くあしらいながら、私たちは廊下を歩く。

 フローラ教授はスキップしながら歩いていて、なんだか楽しそうだ。この人みたいに気楽になれたら、私の人生もっと楽だったのかしらね……。


「着いた~!! ようこそ、我が植物研究室へ!」

「そういえば、フローラ教授の研究室にお邪魔するのは初めてですわね」

「普段どんなことされてるんです?」


 植物研究室の中は、まるでジャングルかのように多様な植物が生い茂っていた。


 シルヴァンが興味深そうに質問すると、フローラ教授は口を少しとがらせて、指をいじいじしながら小さな声で答えた。


「それは……アレよ、植物を育てたり、観察したり……」

「なるほど、ガーデニング部……」

「もー! だから言いたくなかったのに!!」


 フローラ教授は完全にいじけてしまったようで、ぷんぷんと怒りながら棚を漁っている。


「そういえば、どうして急に二人で帰省? 結婚報告でもするのかしら?」

「違いますってば! ちょっと……調べたいことがあって、実家に戻ろうかと」

「あ~~……この間も、魔獣事件とかで二人とも大変な目に遭ってたものね。これを機にゆっくりするのもいいかもね~」


 何気なく、フローラ教授はそう言って笑う。


 私はそのフローラ教授の言葉を聞いて、一瞬思考が停止してしまった。けれど、すぐに我に返って、声を絞り出す。


「…………どうしてフローラ教授が、魔獣事件についてご存知なのですか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。