ふざけて作ったゲームキャラで世界を救ってしまった高校生
第7話です!
今回は冬休み回!
そしてついに大吉、ゲーム世界へ突入します。
しかも今回は、
・テイマー
・猫
・ビキニアーマーのダークエルフ
・ラッキースケベ
という、かなりカオスな組み合わせになりました。
なお、大吉本人は終始、
「なんでこうなるんだ!?」
状態です。
そして福良家の癒し枠(?)
飼い猫ラッキーも初参戦!
今回もいつものように、
本人は必死なのに周囲からは英雄扱いされます。
よろしくお願いします!
冬休み。
それは学生にとって楽園のような期間である。
だが。
「暇だ……」
福良大吉はリビングのこたつで溶けていた。
受験勉強。
塾。
模試。
最近ずっとそればかりだった。
久しぶりに完全オフの日が来たものの、逆に何をすればいいかわからない。
テレビも微妙。
スマホも飽きた。
白井ゆきから来たメッセージを見返してニヤけそうになったので慌てて閉じた。
「俺、最近ちょっと危ないな……」
そんな時だった。
「兄ちゃんいるー?」
三男・小吉が慌ただしく家へ入ってきた。
「友達と遊び行ってくる!」
「おう」
「ゲーム触んなよ!」
「触らねぇよ」
小吉はそう言い残し、秒で出ていった。
だが。
大吉の視線は自然とゲーム機へ向いていた。
「……」
暇だった。
とても。
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「ちょっと見るだけなら……」
大吉は小吉の部屋へ入った。
そこにはゲーム画面がつけっぱなしになっている。
「電源切らずに行ったのかアイツ……」
画面にはファンタジー風タイトル。
【ダーク・コロシアム・オンライン】
「名前からして厨二だな……」
説明文を読む。
『ダークエルフの騎士をコロシアムで優勝させると、彼女は絶望し、暗黒騎士となって世界を滅ぼします。あなたは運命を変えなければなりません――』
「重っ」
設定が重かった。
「最近のゲームってこんな感じなのか……」
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とりあえずキャラメイクを始める。
「騎士か魔法使いか……」
普通なら騎士を選ぶところだろう。
だが大吉は思った。
「騎士対騎士って地味じゃね?」
そして選択。
【職業:テイマー】
「よし」
次。
【相棒モンスターを選択してください】
「モンスター……?」
その時。
ベッドの上で丸くなっている猫が目に入った。
ラッキー。
福良家で飼われているオス猫、三歳。
白黒ハチワレ。
性格はわがまま。
「お前にするか」
ポチ。
【猫タイプを選択しました】
「適当でいいや」
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次。
【特殊能力を選択してください】
一覧が並ぶ。
『剛力』
『火炎魔法』
『超回復』
まともな能力が並ぶ中。
「なんだこれ」
一つだけ変なのがあった。
【ラッキースケベ】
「ふざけてんのかこのゲーム」
大吉は笑った。
「まあいいやこれで」
ポチ。
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「さて始めるか――」
その瞬間。
グラグラグラッ!!
「うおっ!?」
突然の地震。
本棚が揺れる。
「ちょっ……!」
上に置いてあった段ボールが落下。
ゴッ!!
「痛っ!?」
「ニャッ!?」
大吉とラッキー、直撃。
そのまま意識が途切れた。
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「……いてて」
目を開ける。
砂埃。
歓声。
熱気。
「……は?」
周囲は巨大な闘技場だった。
古代ローマみたいな円形コロシアム。
観客席は超満員。
「ニャー……」
隣にはラッキー。
「え、また異世界!?」
慣れてきた自分が嫌だった。
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その時。
目の前に影。
「……おい」
低い女の声。
見上げる。
そこにいたのは。
褐色肌。
銀髪。
尖った耳。
そしてビキニアーマー。
完全にダークエルフだった。
「えっ」
しかも美人。
めちゃくちゃ美人。
だが。
目が怖い。
「私を舐めているのか?」
「はい?」
「猫一匹連れてジャージ姿とは」
大吉は自分の格好を見る。
確かにジャージだった。
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「おい少年」
ダークエルフが剣を向ける。
「死ぬ覚悟はできているんだろうな?」
「いや全然!?」
次の瞬間。
ブォン!!
剣が振り下ろされた。
「うわぁぁぁ!!」
大吉、全力回避。
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戦闘開始。
だが。
「ニャー!」
「うおっ!」
ラッキーも逃げ回る。
ダークエルフは連続で斬りかかる。
「止まれ!」
「無理ぃ!!」
しかし。
不思議なほど当たらない。
ギリギリで避ける。
転びそうになっても偶然回避。
ラッキーも紙一重でかわす。
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「くそっ!」
ダークエルフが苛立つ。
「なぜ当たらない!?」
理由は簡単。
幸運値カンストだった。
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(どうする!?)
大吉は必死だった。
能力欄を見る。
【特殊能力:ラッキースケベ】
「終わってる!!」
完全にネタ能力だった。
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だが。
その能力は発動する。
「うわっ!」
剣を避けようとしてバランスを崩す。
ボフッ。
「……え?」
大吉の手がダークエルフの胸に当たっていた。
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「…………」
「…………」
空気が止まる。
「き、貴様ァァァァァ!!」
「事故です!!」
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さらに。
逃げている途中。
小石につまずく。
「うわっ!」
ドンッ。
今度は抱きつく形になった。
「殺す!!」
「違うんですってぇぇ!!」
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観客席は大盛り上がりだった。
「なんだあの戦い!?」
「新しいタイプの闘技か!?」
「エロいぞ!!」
最低だった。
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ダークエルフは完全にブチ切れていた。
「絶対に八つ裂きにしてやる!!」
剣圧が増す。
大吉とラッキーは壁際へ追い込まれた。
「終わった……」
大吉は青ざめる。
だが。
ラッキーだけでも助けたかった。
「逃げろラッキー!」
大吉はラッキーを抱えて投げた。
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ふわっ。
ラッキー空中浮遊。
「ニャアア!?」
だが。
落下直前。
ラッキーは何か掴もうとした。
シャッ。
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パチン。
「……え?」
ダークエルフが固まる。
背中のホックが外れていた。
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ビキニアーマーがズレる。
「きゃああああ!?」
ダークエルフ、しゃがみ込む。
その瞬間。
【勝者ァァァ!! テイマー・ダイキチ&ラッキー!!】
アナウンスが響いた。
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「…………」
静寂。
ダークエルフは顔を真っ赤にして震えていた。
「こんな辱め……」
だが。
彼女はゆっくり立ち上がった。
「……しかし」
剣を収める。
「私は思い上がっていたのかもしれない」
「え?」
「世界には、お前たちのような強者がまだいる……」
完全に勘違いしていた。
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本来。
彼女は最強となり孤独に絶望し、暗黒騎士へ堕ちる運命だった。
だが。
敗北を知った。
それによって闇落ち回避。
世界、救済。
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「ありがとう」
ダークエルフは微笑んだ。
さっきまで殺意MAXだったとは思えないほど優しい笑顔だった。
大吉は複雑な気持ちになった。
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「で、どうやって帰るの……」
現実的な問題だった。
その時。
闘技場出口の階段で。
「うおっ!?」
大吉、足を滑らせた。
ゴロゴロゴロ!!
「ニャアアア!?」
ラッキーも巻き込まれる。
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「痛っ……」
目を開ける。
小吉の部屋だった。
「戻った……?」
「ニャー」
ラッキーもいる。
「助かったぁぁ……!」
大吉はラッキーを抱きしめた。
「お前頑張ったな!」
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その時。
「ただいまー!」
小吉帰宅。
そして。
「……あ」
ゲーム画面を見る。
「兄ちゃん!!」
絶叫。
「勝手にゲームやったぁぁぁ!!」
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数分後。
「大吉!!」
母、激怒。
「弟のゲーム勝手に触るなって言ったでしょ!!」
「ごめんなさい……」
正座説教だった。
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その後ろで。
テレビ画面にはゲームのエンドロール。
そこには。
笑顔のダークエルフ騎士。
『ありがとう! ダイキチ、ラッキー!』
「…………」
大吉はそっと目を逸らした。
もう何が現実かわからなくなってきていた――。
第7話を読んでいただきありがとうございました!
今回は完全に
「ふざけて作ったゲーム設定で異世界に行ったらどうなるのか」
というノリで書きました。
・適当に選んだテイマー
・猫を選択
・ネタ能力のラッキースケベ
普通なら詰みです。
ですが、
なぜか世界は救われました。
大吉の恐ろしいところは、
本人にまったく英雄になる気がないのに、
毎回結果だけ見ると“世界を救っている”ところですね。
そして今回初登場のラッキー。
たぶんこの作品で一番有能です。
特に最後のホック解除は、
本人(本猫?)も完全に事故でした。
なお、ダークエルフ騎士さんは、
本来なら闇落ちして世界を滅ぼすルートだったので、
大吉たちは本当に世界を救っています。
やってることはだいぶ酷かったですが。
あと、今回の個人的なお気に入りは、
最後に普通に母親に怒られるところです。
異世界で英雄になっても、
家では普通に説教される高校生。
それが大吉です。
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