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Fragment of Memories  作者: 詩空
第一章 リーザリア・エルフェルド
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3-2 続・防具探し


 防具の大体の目安を付けた時点でなんか話が長引きそうだった二人から離れて、クリアと二人で防具を探し始める事にする。


 とりあえず、布製防具はどの辺りにあるだろうか。このお店だと、前面に押し出されてるのが金属防具だから布系は奥の方にありそうだけど、なかなか金属防具の売り場が終わらない。


 それにしても、さらっと眺めてるだけでも多くの種類があるね。確か、防具のカテゴリーは頭・胴・背中・腕・手・腰・ボトムス・足の合計八箇所に、アクセサリー系が手首だったり足首だったりの色々だっけ。


 ちなみに、それぞれの部位には金属・皮・布の三種類があるものがあって、それによっては部位の名称が変わりもする。例えば手なら布が手袋、皮がグローブ、金属ならガントレットみたいに。

 防具の箇所も八箇所ってだけで、胴とかは更に分類できるって言う。……こんなに細分化する必要あったのかな、揃えるのが少し面倒くさいんだけど。


「ねえクリアー、布防具ってどの辺りにあるかな?」


 広すぎてなんだか探すのだれてきた。


 クリア、どこにあるか知らないかな。知ってたら楽なんだけど。


「布系統ですか……どこにありましたっけ。ここで働いてたのはだいぶ昔なので、場所が変わってる可能性もありますし」


 もしかしてとは思ってたけど、やっぱりここでも働いてたんだ。


 クリアって、どれだけのお店で働いてたんだろう。街中に噂が広がってるくらいだからたぶん、かなり多くの場所で働いてたんだろうけどさ。それにしたって、外見から考えると多すぎると思う。


 昨日話を聞いて知ってるだけでも二十五店舗以上は確定してるし、それぞれのお店も一年やそこらで辞める事になってはいない筈。……あれ? 今更だけど、クリアってヒューマンじゃない?


 ヒューマンだったらこの時点でもう還暦過ぎるくらいだから、こんなに若々しい姿な訳がない。だけど、獣人にしては動物的特徴を持ってないし、魔族は私じゃ判別付かない。エルフやドワーフだっけ、は特徴を知らないからクリアの種族は判断できない。


 気になるけどこれはいつか本人に聞いてみる事にして、今は防具選びに集中しておこう。どうやら目的地についたみたいだし。


「ありましたよ。中に入るのは六年ぶりくらいでしたけど、あまり変わっていなくて安心しました」

「ありがと、クリア。布系統の防具ってどんなのだろうと思ってたけど、案外普通の服なんだね」

「逆にどんなものだと思ってたんですか、貴女は」


 どんな? どんなと言われると……なんだろ。んーっと、あ。


「ドレスとか?」

「なるほど、確かにそのタイプのものもあります。ですが、基本的には素材だけが特殊で見た目は普通の服だったり、コートだったりですよ」


 普通に考えればそんなものか。何でそこに思い至らなかったのか、自分でも不思議に思うけど。まぁおそらくだけど、防具ってことで変に考えが空回りした結果な気がする。たぶん。


 そんな事より、今はこの中から選ぼうか。防具で、かつ布製だから装備制限自体はあまり気にしなくていいし。


 ちなみにこの世界では、基本的にSTRの値で装備できるものが変わってくる。というか、持てる重量が設定されてる。良い例を挙げるとするなら武器かな。


 私が今使っている剣は、昨日キョウから貰った『鉄の剣』。これには重量による装備制限があって、その値はSTR:75。つまり、初期ステータスで誰でも装備できる……と言うか、片手で持つことができる。

 次に、シズクが今装備してる『鉄の大剣』は、装備制限がSTR:150。これは、基本的に初期ステータスじゃ装備できない、片手では。でも、この鉄の大剣は両手だと装備ができる。


 なんでそうなるかというと、この装備に必要なSTRの値は片手での表記になっていて、両手で持つ分にはその半分の値で装備できるという事。だけど、値が足りないからと言って本当に装備できないのかというとそれも違くて、実際はただ満足に振ることができないだけだったりする。


 長々と説明したけど簡単に言えば、こういった風に持つ分には重量制限が設定されてるけど、それをオーバーしたところで装備が出来ないことは無いってこと。けどそれは武器とかだけじゃなくて、防具にも設定されてる。こっちは武器とか手に持つものに比べて複雑な計算をしてるみたいで、詳しい事はわかっていないらしいけど。


 例えば、一定重量以上の装備を着こめばその分動きも遅くなるし、自由に動きにくくなる。金属の大鎧を一式で着込んだら、思うように動きにくくなるのと一緒かな。さっき考えてたのは、革製や布製の防具は金属防具より防御力に劣るけれど自由度が高くなるから、私はあまり装備制限とか気にしなくていいってこと。体格に合わなければ意味無いけど。


「私はこちらの方を見てきますね。トアに良さそうなのが見つかると良いんですが」

「クリアは探さないの?」

「はい。今装備している物が、もう十分以上の代物ですから」


 そっか。ならお言葉に甘えようかな。


「それじゃあ私はこっちを見ていくから、何かあったら呼んでね」

「わかりました。それでは」


 という事で、さっそく物色を始めよう。

 改めて眺めてみると、意外と色んな種類があるね。トップスだけでも数十種以上あるし。防具にもオシャレが求められてるのかな、性能自体にはそこまで差はないみたいだし。


 んっと、別に今すぐ八箇所全部揃えなければいけない訳でも無いし、必要な分だけで良いよね。というか全部揃えようにもお金足りないし。武器に比べると、思ってたよりそれなりに高かった。

 でも、あれか。武器は最初のレベルに合わせたものを選んでたんだろうから、その分安かったんだと思う。そうだとしても、微妙に高い。トップスで平均8000ガルドって、他も同じくらいの値段だったら確実に足りない。今の所持金は大体45000ガルドだし。


 とりあえず必要なのを挙げるならトップスにアウター、ボトムスかな。後はグローブがあれば、今は十分だと思うけど。

 あ、でも大きめのポーチが付いたベルトも欲しいかな。回復アイテムをいちいち取り出すの面倒くさいし、何かと便利だろうしね。


 そんな風に色々と考えながら探していると、店内の奥まった方の一角にある一つのマネキンに目が留まった。いや、正確に言うのなら、マネキンが着ている装備にって言った方が良いか。


 何でその装備に目が留まったのか、それは自分にもわからない。だけど、その装備を見た瞬間これしかないと思ったのも事実で。私は思わずその装備の前まで近づいていた。


「これ、いいな」


 例の装備は一式になっていて、トップスはシンプルな白い半袖のブラウスに、アウターは深い蒼と白の袖なしで背中に黒いベルトが3本付いたコート。手の甲から肘までを覆う黒のアームカバーに、腕半ばまでの黒革の所謂指ぬきグローブ。背中側にだいぶ大きいポーチが付いたクロスベルトに、足首までの黒のレギンスと深い蒼に白いラインが入っている膝丈より少し短い位のスカート、脛の半ばまでの茶色のブーツという組み合わせになっている。


 この装備が幾らか調べようと見回すと、マネキンの前にプレートが置いてあったため確かめてみると。



・ティアズシリーズ 合計43800ガルド

 ・ティアズブラウス DEF:17、MIND:14、AGI:5 8400ガルド

 ・ティアズコート DEF:25、MIND:17、VIT:9、AGI:8 9200ガルド

 ・ティアズアームカバー DEF:14、MIND:4、DEX:4 5500ガルド

 ・ティアズグローブ DEF:5、STR:8、DEX:8 3300ガルド

 ・ティアズベルト DEF:3、DEX:9 3500ガルド

 ・ティアズスカート&レギンス DEF:18、MIND:9、AGI:12 9200ガルド

 ・ティアズブーツ VIT:10、DEX:8、AGI:15 4700ガルド



 あれ、思ってたより安い。てっきり50000ガルド以上すると思ってたのに。それでも所持金ギリギリだけどさ。それとプレートにステータスまで書いてあるのは、わかりやすくていいよね。


 グローブとかが思ったより高くは無かったみたいだけど、それでもこの性能でこの値段はどうなんだろう。他の装備に比べてもかなり性能良いんだけど、値段が大体同じっておかしいような。


 まぁ安く買えるのなら儲けものだし、これを買おう。パッと見でもサイズは丁度よさそうだし。


 でも、買うにしても店員がそこらを歩いてるわけじゃないから、買うにはいちいちカウンターまで行くしかないのだろうか。それはそれで手間だし、このマネキン持っていけないかなー。と考えてると、さっきまで覗いてたプレートの近くに呼び出しベルがあるのに気づいた。


「これ押せばいいのかな」


 試しに押してみると、ピンポーンと予想外の音が響いたのには少し驚いたけれど、少しして最初に入った時にカウンターに居た店員さんがやって来た。あってたみたいで良かった。


「お決まりですか?」

「はい、このティアズシリーズをください」

「かしこまりました、少々お待ちください」


 そうして、店員さんが装備をマネキンから外している間に私もお金を準備しておく。43800ガルドだから一万硬貨を四枚、千硬貨を三枚、百硬貨を八枚、合計十五枚。この世界だと一から百万まで別々の硬貨があるから、数える手間が少なくてありがたい。


「お待たせしました、こちらは43800ガルドになります。――はい、丁度ですね。こちらが商品となりますが、着替えていかれますか?」


 着替え? あ、そっか。防具変える時は一瞬でって出来ないんだっけ。人前で着替えるのは嫌だし、後でってのも手間だから着替えていこ。


「はい、着替えていきます」

「それでは着いて来てください、ご案内します」


 言われるがままに店員さんの後を着いて行き、途中で別れていたクリアと合流しつつシズクとキョウの言い合ってるような声をBGMに歩き続けていくと、洋服屋でよく見られる試着室の様なスペースにたどり着いた。


 幾つかある中の一つに案内された後、クリアに一言断ってから中に入り剣を外して着替え始めると、思ってたよりもサイズがピッタリで少し驚いたけどこれはこれで良かった。サイズがあってると思ったら下手に大きかったり小さかったりしたってよりも、遥かに良い事だしね。


 む、このグローブどうやって着けるんだろう。名称としてはグローブだけど、形状的には籠手とグローブを足して割った様な感じだからちょっとわかりにくい。

 えっと……ああ、籠手側の一部が外れるのか。それじゃあここに腕を通して、最後にコートを羽織れば完成。……完成?


 姿見があったから、最後におかしい所が無いか、動きに問題ないかを確認してみる。アームカバーとレギンスのおかげで肌の露出も少ないし、動きも邪魔されない。これを選んでよかった。欲を言えば、全体的にもう少し暗い色合いの方が良かったと思ったのはここだけの話だけど。だって、思ってたより白の面積が広いし。


 特に問題もないし、最後に外していた剣を腰に佩いて終わり。


「よし、オッケー。欲を言えば胸当ても欲しかったけど、お金もないしこれで十分だよね」


 そうして新しく手に入れた装備に満足しつつ、私は更衣室から出て行った。



それでは、第八回単語解説コーナーもどきです。


防具:カテゴリーは頭・胴・背中・腕・腰・ボトムス・靴の八箇所あり、それぞれ上昇しやすい能力値が変わる。金属と皮と布の三種類ある部位もある。


装備重量:武器や防具にはそれぞれ重量が設定されており、必須STR値が存在する。片手で満足に振るうには必ずしもSTR値が必須の値に届いているか否かはあまり関係なかったりする。だが、必須値を境に軽く感じ始めるので、結局は大事である。ちなみに、装備者のSTRの値が必須STR値の半分にも届いていなかった場合、両手で持つことは出来ても振るう事は不可能となる。防具の場合はより複雑になるので割愛。



それでは、今回はここまでです。


次回の更新は3~4日後になると思われます。


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