表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

そして雪になる

『 ふいに僕は目を覚まして、体を起こした。

自分の体を見て今だに白い手足があることに悲しくなるけれど、それでもあなたが作ってくれた体だから大切にしなくちゃいけない。そう思ってきたんだ。


さっきあなたと出会った頃の夢を見たよ。

小さくて可愛いあなたは僕の友達だった。


あの日の様に今日は、はらはらと雪が降っている。

あなたの好きな雪が。

だから僕はあなたの墓へ向かう。

ずっと雪が降るまでは行かないと決めていた。

あなたの隣りで空を見上げるために。


あなたは土に還り、雪解け水に溶けていくだろう。

雪に溶けた僕はその水に混ざり、空へ昇って雲になり、いつか本当の雪になれる。


目だけになった僕は、ここからずっとそれを見ているよ。



もう僕には砂糖がなくなるけれど、その代わり、誰かがこの城へやって来た日のために、見た夢もあなたのことも全部、ここに記そう。

もうすっかり城の中が紙に埋もれてしまったけれど、これが最後だ。』




雪が降ったら思い出してほしい。

白い氷の粒が甘かったら、それは僕たちなんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ