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【火山転生】目覚めたら火山そのものだった〜マグマの力で最強の聖地を作ったら、麓に国ができていました〜  作者: 尾の長い虎(てぃが)


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5/10

5.俺の山を探検

「ぷる!」


 コロが元気よく跳ねる。

 地脈の反応がある方向へ向かって。


(待て待て)


 俺は慌てて呼び止める。


「ぷる?」


 コロが振り返る。

 中心の炎が不思議そうに揺れた。


(いや、どこ行くんだお前)


「ぷる!」


 分からない。

 でも本人は分かっているらしい。

 コロは再び跳ね始めた。


 ぴょん。


 ころん。


 ぴょん。


 ころん。


(うーん、かわいい。移動方法それでいいのか)


 ものすごく非効率に見える。


 だが意外と速い。


 小さな体で器用に岩の隙間を抜け、どんどん奥へ進んでいく。


 俺はコロを追いながら気付いた。


(そういえば俺、自分の山のこと全然知らないな)


 今まで見えていたのは、あくまで大まかな感覚だった。


 川や森、洞窟がある。

 それくらいだ。

 地下に何があるのか。

 どこまで広がっているのか。

 実はほとんど知らない。

 火山なのに。

 自分の家の間取りを知らない家主みたいなものである。


(大地主って大変なんだな)


 たぶん違う。

 世の大地主はきちんと間取りを管理されている。

 いくら、どでかい山であろうと。

 そんなことを考えていると、コロが岩壁の前で止まった。


「ぷる!」


(行き止まりだぞ)


 だがコロは気にしない。

 岩壁の隙間へ体を押し込んでいく。


 ぷにっ。


 するり。


 消えた。


(あっ)


 数秒後。


 向こう側から顔を出す。


「ぷる!」


(ずるい)


 スライム便利すぎる。

 俺も入りたい。

 仕方ないので意識を岩の向こう側へ伸ばす。

 すると。


(……おお)


 そこには小さな空洞があった。

 今まで気付かなかった場所だ。

 壁一面に赤い鉱石が埋まっている。

 地脈の光を受けて、ぼんやり輝いていた。


「ぷるる!」


 コロが鉱石へ飛びつく。

 むしゃむしゃ。


(食ってる)


 本当に食べている。

 しかも嬉しそうだ。

 中心の炎も少し大きくなっている。


(成長してるのか?)


 よく分からない。

 だが悪いことではなさそうだった。


 その時。


 地脈の流れが鉱石へ触れた。

 淡い光が洞窟全体へ広がる。

 すると視界の端に表示が現れる。


《鉱脈を確認》


《火山領域内へ登録》


(鉱脈?)


 なるほど。

 この赤い鉱石は資源らしい。

 詳しいことは分からない。

 だが何となくいい鉱石なのだろう。


(ゲームだったら絶対レア鉱石だな)


 名前はまだ分からない。

 だがキラキラしている。

 きっと価値がある。

 きっと価値はあるはず。

 価値あれ。


 そんな適当な感想を抱いていると、コロが再び動き出した。


「ぷる!」


(まだ行くのか)


 コロは元気だった。

 むしろさっきより元気になっている。

 元気100倍である。

 岩の隙間を抜け。

 小さな穴を潜り。

 さらに奥へ進んでいく。


 どくん。


 地脈の鼓動が強くなった。


(近いな)


 コロも気付いたらしい。

 中心の炎が嬉しそうに揺れる。


「ぷるる!」


 そのまま跳ねた瞬間。

 目の前の岩盤が崩れた。


(うおっ!?)


 岩の向こうに空間が広がる。


(でっっっかっ……)


 巨大な空洞だった。

 今までの洞窟とは比べものにならない。

 天井は高く、壁は広い。

 中心には赤く光る川のようなものが流れている。

 熱と魔力、その両方を感じた。

 まるで大地の大動脈だった。


《主要地脈を発見》


《接続可能》


 表示が現れる。


(主要地脈……これを接続できればでけることが増えるかもしれない。)


 主要地脈はさっきのより大きい。

 そういうことだろう。


 今まではなんとなくやってきたが、配線工事の様な感じだ。

 昔、サバイバルゲームで拠点の配線を上手く繋げるのに苦労したな〜。

 そんな経験が少しでも役に立っているのだろうか。

 コロは既に地脈の近くまで跳ねていた。


「ぷる!」


(行けってことか?)


「ぷる!」


 たぶんそうらしい。

 相変わらず意思疎通できている気がする。

 気のせいかもしれない。


(よし)


 俺は意識を伸ばす。

 地脈へ向かって。

 この山をもっと知るために。

 もっと強くなるために。

 守るために。

 どこかで少しだけ思った。


(なんか探検してるみたいで楽しいな)


 前世では味わえなかった感覚だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 その頃。


 山の麓から少し離れた森の中。


「まだ戻らねぇのか」


 無精髭の男が眉をひそめた。


「二日だぞ」


「狩りにしては長すぎる」


 周囲の盗賊たちも不安そうな顔をしている。

 そんな中、一人の大男が立ち上がった。

 頬に大きな傷に鋭い目。

 腰には巨大な剣。

 盗賊団の団長だった。


「…山を調べる」


 低い声が響く。


「何かあったに違いない」


 盗賊たちは顔を見合わせた。

 そして誰も反対しなかった。

 嫌な予感がしていたからだ。

 山の奥で消えた二人。

 何が起きたのかを知らないまま。

読んでいただきありがとうございます。


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