石鹸欲しい
今日はマッシュがマジの狩りに行っていて、家にいないため狩りごっこは無しだ。そんなときは、柔軟体操をいつもより長くしている。体育で習った柔軟を記憶から引き出せる限りで引き出し、それを本のある部屋で30分間くらいやっている。(いつもは20分くらいだ)
それ以外は既読の本を単語帳を記憶するのと同じ要領で記憶していっている。(浪人経験者なめんな!)
今や、本のある部屋は俺のプライベートルームとなっている。両親は本をほとんど読まないし、ただの日常生活をするのにこの部屋は必要ないからだ。それで、両親は普段何をやっているかというと、マッシュは農作業や狩りがある時にはそちらへ出かけ、無いときは家で雑草抜きなどをしている。メアリは家事全般と服やハンカチなどを造ったりしている。
ちなみに両親には本の挿絵をずっと見ていると思われているので、時々俺の様子を見に来たときは、俺に微笑みかけてすぐに帰っていく
柔軟はあのメモをみたときから続けているが、タコの気持ちがわかるぐらい、それはだいぶ言いすぎだが、前世だったらクラスの注目の的になるくらい柔らかくなった。柔軟は毎日やらないと、すぐに体が硬くなっていくのは前世の経験上知っているし、暗記という面白くもない作業以外に他にやることも特にないので、面倒臭いし飽きているが毎日行っている
次は開脚をやるか
「シュン!おむつ替えるの手伝って~」
俺が長座体前屈を終え、開脚をしよう足を少し広げたタイミングでメアリに呼ばれた
一応、俺が不快感を猛烈に感じていたおむつの様なものはこの世界では、やはりれっきとしたおむつらしい
「今行く!」
俺はメアリに聞こえるように返事をし、長座体前屈と開脚のちょうど中間の姿勢から立ち上がり居間に向かう
フランが生まれてから1週間が経過したが、俺が手伝わないといけないことがたくさんある。前世では生まれて間もない妹の世話の手伝いをするというのを経験していないため初めは新鮮で面白かったが、もうすでにだるくて仕方がない
しかし、生まれてから今まで世話になってきたメアリのために何かしてあげたいと思っていたので文句を言わずに手伝う
おむつ交換を終えた俺は柔軟をしていた部屋に戻る。
突然だが、俺は割と潔癖な方だ。そんな俺にとってまだ赤ん坊のうんこが手に付くのはギリ許容できる
だが、その後に石鹼で手を洗えないのは本当に許せない。そう、この世界には石鹸がないのだ。うんこが手についた後、俺がどうしているのかというと、1分以上手を水で洗っている。それ以外方法が無いのだ
石鹸無い事の問題点は俺の手が汚れ、うんこ臭くなるというだけでなく、感染症によって村が壊滅する危険を孕んでいるという点がある。前世でたまたま流れていたテレビで石鹸の重要性を専門家が熱心に語っていたのだが、専門家いわく石鹸のない世界だと感染症の大流行が起こるらしい。今まで石鹸なしで生活してきてたのだから感染症問題はなんとかなるのかもしれないが、俺の手に付くうんこ問題はもう限界なので石鹸問題をどうにかして早急に解決しなければならない。
そもそも石鹸ってどうすれば作れるんだろう?
一応高校で石鹸の仕組みについては学んだが、作り方は学んでいない。この世界に転生してつくづく思うが義務教育のカリキュラムはクソだ。絶対に家庭科の授業をもっと増やした方が良い。流石に家庭科の教科書でも石鹸の作り方は載っていないと思うが、、、
作り方が分からない以上似ているものを作成するという妥協案に落ち着くしかない。まず、何か物を作るための俺が取れる選択肢として親にお願いして材料をもらうか、自分で材料を採りに行くという二択があるが俺は後者の方を選びたい。(俺に石鹸の知識などほとんどないに等しく、親に頼む材料を思いつかないからだ)そのためには親が俺一人で外に出ることを許可してしてくれるようにしなくてはならない
まあ素材を自分の目で見たからと言って、石鹸が作れるかと言ったら可能性はあまりに低いけど
(はあ、、、どうしたものか。親ばか両親を認めさせるのは相当骨が折れるぞ~。
、、、
、、、
いや待てよ、ワンチャンいけるかもな)
一つの考えが浮かんだ
翌日、マッシュが上機嫌に一塊のディー肉を担いで狩りから帰還した。
「父さんおかえり!」「あなた。おかえりなさい」「あうあ」
「シュン、メアリ、フランただいま!」
そんなマッシュを俺とフランを抱えたメアリが出迎える
「もうへとへとだ。メアリ、お湯って溜まってるか?」
「そう言うと思って溜めておきましたよ」
「さすが俺の妻だ!愛してるよ。早速湯につかってきていいか?」
「ええ、もちろんよ。私も愛しているわ」
そういう恥ずかしいやり取りを俺の前でしないでほしいのだが、、、
そんなことより
「ちょっと待って父さん!」
「ん?どうしたシュン?」
細長い樽で作られた風呂もどきに向かうマッシュを俺は慌てて引き留める
「もし俺が狩りごっこで父さんに勝てたら一人で遊べるようにして」
俺は何のひねりもなくストレートに交渉を持ち掛ける
しばらく顎に手を置いて考えたマッシュは、決心したように俺の方を向き答える
「確かに親の目を気にせずに遊びたいよな、、、分かった。もしお前が俺に勝てたら一人で遊べるようにしてやる。でも、これだけは分かっていてくれ。俺たちはお前を愛しているからいつも心配してしまうんだ」
だからそういう恥ずかしいことを言わないでほしい、、、
まあ家族に愛されていることは普通に嬉しいのだが。そして許可が出たのがそれと同等に嬉しい。
「わ、分かってるよ父さん。い、いつもありがとう。父さんと遊ぶのは楽しいよ。でも外で一人で遊びたいときもあるんだ。だから絶対勝つよ!」
「いつも通り逃げ切ってやるから待ってろよ!でも今日は疲れてるから無しな」
「分かったよ」
分かってはいたが、流石に今日は無理か。なら今日は明日に向けて作戦を練ろう




