チーノのお願い
最近時間が無くて、見直しせずに投稿してるので間違いが酷いかもしれません
すみません
「アレイさんってエルフだよね?」
その言葉にアレイは大して驚かなかった。なんなら、「やっぱりか」という感想が浮かんだ。話の途中で休憩を挟んだ時に、それを心配した時から覚悟はしていた。だが、なぜ覚悟をしていたか、それはアレイの話は、アレイを人間だとすると、どうしても小さな矛盾が発生してしまうような内容で、それを知識のある者が聞けば、アレイの正体がエルフであると推察できてしまうからだ
(困ったな。どうやって答えよう?)
アレイは場の緊張感が最大値に達するチーノの質問に対する第一声をどうすれば良いか悩んでいた。覚悟はしていたが、どのように答えるかは考えていなかったからだ
(チーノ君にならバレても構わないような気もするが、誤魔化せるのなら誤魔化したい。いや、でも流石に誤魔化せないよな。うん、一旦回答を後回しにしよう)
「私がエルフ?、どうしてそう思うのですか?」
アレイは自然的なすっとぼけリアクションを行う。そんなアレイにチーノは話の中で気が付いたアレイがエルフであるという根拠を述べていく
「え~っとまず、時々僕たちの事を種族としての「人間」として、自分と分けている感じで「人」とか「人間」って言っているように思ったんだよね。それと、普通の人は視線とか気配とかそんなに敏感に感じれないし、夜目がそんなに利かないと思うんだ。あと、普通はそんなに魔法を使えないよ。それで、もし良かったらその麦わら帽子を取ってくれないかな?」
アレイはチーノの判断理由を聞いて、これは誤魔化せないことを嫌でも認識する
諦めたアレイは深く被った麦わら帽子を右手で掴み、上へ浮かせ、長い耳を露呈させる。その耳を見たチーノは納得の表情と同時に感動の表情を見せる。そして声を上げる
「やっぱり!!」
チーノの歓声にアレイは自分がエルフであると露わになってしまったことに、今更、後悔と後ろめたさを感じ、すぐに帽子を深く被りなおす
(チーノ君から広まったらどうしよう。もっと設定を捻じ曲げるべきだったかも、それに、今まで本当に信用した人にしか話していなかったのに、あって間もない人間に秘密を暴露するなんて、私の信用はこの程度だったのか?)
「しー。あまり大きい声は、、、」
アレイは人差し指を口に当てながら、漏洩防止のために、興奮した老人(13歳)を嗜める
チーノは吊り上がった口角を落とし、反省した顔をする
「ごめんなさい。つい興奮しちゃった」
「いえ、こちらこそすみません。少し焦ってしまいました。あのぉ、この事は私とチーノ君の秘密にして貰えますか?」
「うん!勿論だよ」
エルフの媚びるような頼みに、チーノは自信満々に言い切る。その様子を見てアレイは後悔が薄れていくのを感じる
「で、提案なんだけど、アレイさんが良かったら、明日あるお父さんの魔領域への遠征に付いて行ってくれないかな?」
チーノはアレイがエルフであることを見越して、アレイに、シンダイヤ王国に隣接する、広大なカタストロ大陸のほぼ半分を占める魔族が支配する領域、魔領域へ遠征に向かう父親の同伴を依頼する
ただ、アレイはその依頼には首を横に振る
「申し訳ありませんが、その依頼をお受けすることはできません」
「、、、そうだよね。何かあった時にアレイさんがエルフってバレちゃうもんね」
チーノは失意の表情を顔に浮かべて言う
「魔領域に遠征に向かうなら、冒険者とか雇っているのではないのですか?それに、クラストロ家お抱えの騎士団も遠征に付いていくのでは?」
「うん」
「それで十分ではありませんか。まさか、二十魔族を討伐しに行くわけでもないでしょう」
「いや、そのまさかなんだよ」
「え!?本当ですか?」
困り果てた様子のチーノから出た衝撃的な言葉に、アレイはただただ驚嘆する
「本当なんです」
アレイは、チーノの真剣な表情に、嫌でも本当の事であると思わざるを得ない
「しかし、二十魔族に手を出しても良いんですか?「人魔条約」で相互不可侵が定められていたはずですが」
「うん。そうなんだけど、、、アレイさん、これは絶対に秘密にしておいて欲しいんだけど」
チーノのただならぬ雰囲気にアレイは神妙な面持ちで頷く
「アレイさんがエルフだってことを教えてくれたから、僕も秘密を話すけど、、、魔王サフィロムが死んだらしい」
「はあ!?」「しー!!」
チーノの口から飛び出たあまりの衝撃的な事実に、アレイは思わず声が大きくなってしまう
「すみません、ついつい。しかし、魔王サフィロムが死んだって、、、そもそもどうしてチーノ君が知っているんですか?」
「それは、王宮から帰ってきたお父さんの様子があまりにもうわの空だったので、心配になって、書斎に籠ったお父さんに声を掛けようと書斎の扉を開けようとしたんだ。そうしたら、中からお父さんの「魔王が死んだ」っていう小さな独り言が聞こえてきて、それで知ったんだ」
「なるほど。もしかして、お父さんは魔王が死んだため、相互不可侵が無効になったと考えたんですか?」
アレイは軽蔑の色を少し加えてチーノに問う。そんなアレイの質問に、チーノは少し怒ったように反対する
「違うよ。お父さんはそんな人じゃない!」
「ではどうして討伐に行くなんてことになるんですか?」
「それは、王家から命令されたからなんだ」




