表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡転生者と寡夫のエルフ   作者: たこ足配線
ありがたい不自由
13/25

ついに、、、

前世の俺だったら、詠唱とイメージを同時にかつスムーズに行えるようになるまで数か月はかかっていただろう。しかし、イメージと同時に詠唱することが必要だと思いだした日から二週間ほど経過したのだが、割と容易に同時に行えるようになっていた。


元19歳が言うことじゃないと思うが「若いってスゲー」


それで、いよいよ使えるかも知れないと思い実行してみたのだが、次はマナとのつながりを想像することが課題として立ちふさがった

体の中をマナが巡るのはほぼ無意識に感じられるようになったのだが、周囲のマナとの繋がりを感じようとすると「力強い意識」がどうしても必要だった。次は、周囲のマナを無意識に感じ取れるようなる必要があるようだ

俺は、マナを無意識に感じ取るためには、何度も何度も魔法を使い続けることが最も効果的なのではないか、という仮説を立て、生命魔法を一日に一回だけでなく何度も使うようにした

そのせいで、体がオーバーワークに慣れるまでは何度も何度もディーの糞にお世話になった(一日一本消費するのでマッシュにもお世話になった)。「石鹸が大活躍!」なんてことは無く、自家製石鹸を使うと異様に肌が荒れるため怖くてほとんど使わなかった。使ったのはフランのうんこをガッツリと握ってしまった時くらいだろうか



まあそんな感じで二年が経過し、ようやく周囲のマナを無意識に感じられるようになった。

正直、詠唱とイメージを同時に行うのがとんとん拍子にできる様になったみたいに、2週間とまでは行かなくても、1ヶ月程でできる様になると思っていた。残念ながら、現実はそれ程甘くなかった

1ヵ月程度で出来るようになると思っていたから、2ヶ月が経っても成功しなかった時はかなり焦った。続けられたのは毎日少しづつだが成長を感じ取ることが出来たからだろう

なんにせよ想像以上に時間が掛かってしまったが、できる様になったから万事オッケーだ

ただ、俺の立てた仮説(とりあえず生命魔法使いまくれば、マナ感じ取れるようなるっしょ仮説だ)が正しかったかどうかは怪しいところだ。もう俺は6歳でそろそろマナの存在を勝手に認識するようになる歳だからだ。

だから、「もう少し良いやり方があったのでは?」と思ってしまう、、、


そんな俺の心残りは置いておいて

そもそも、無意識でマナを感じているのはどの様な状態なのか、ということだが、「意識しないとマナを感じない状態にできない」という状態だ。認めよう、俺も良く分からん。でも、そういう状態はそういう状態なのだ

それでこの二年間、俺は生命魔法の修行と、柔軟体操、本の暗記(もちろんその中には詠唱の暗記(本には火(熱)・水・土・風魔法の中級魔法までしか載っていなかった)も含まれる)をしてきた

体力もかなり付いたので5歳になりたての頃に剣の修行をしてみようと思ったのだが、両親がまだ早いと言ってやらせてくれなかった。一人で出歩けるようになればこっそりとできるのだが、生憎マッシュに狩りごっこでまだ勝てていない(時々誘うとマッシュは毎回喜んで勝負を受けてくれる。どんだけ寂しいんだよ。でも速い)。両親は俺が7歳になったら村の中は自由に出歩いて良いと許可を出すそうだ



そして、いよいよ二年前のリベンジを果たす時が来た。俺はこの二年間、一度も生命魔法以外の魔法の行使に挑戦することはなかった。それは、「できなかった時が怖い」というのも、もちろんあるが「言い訳を排除したい」という思いがあったからというのが大きい。俺の思う万全の状態にして臨めば、もし成功しなかったとしても、残念ではあるが潔く諦められると思う。

二年前とは異なり、俺は直立し、足元に樽を置き、その上に手のひらを突き出す。マナを無意識で感じられるようになったため、座禅の姿勢とか深呼吸とか不要になったのだ。これは無意識で感じられるようになって分かった事だが、俺は(俺に限った話ではないと思うが)手のひらが最も周囲のマナと繋がりやすい。以前は呼吸のイメージをすることによってマナと繋がっていたが、手のひらで繋がるようにしてから身体強化の効果が大きくなった

それで手を前に突き出しているわけだ

そして俺は、手のひらの前から水が出てくるイメージをし、詠唱する


「天より授かりし奇跡の液体は変幻自在にその姿を変え、我らを魅了する。我、水を求めるものなり。我が思いに応え、水よ顕現せよ」


、、、、、、。。


水は出なかった。が、俺はかすかな違和感を感じ取った。だから俺は落ち込むことはなく、その違和感の正体を探ることに夢中になる


(なんだったんだろうあの感じ。手のひらの付近でゴソゴソとマナが振動する感じ。)


(それってマナは反応しているんだけど効果が出ていないってことか?)


(っていうことは水が手のひらの前に集まっていないということか。そういえば水って空気中に分散してるよな、、、ならそれを集めるイメージをすればよいのか?とりあえずそのイメージを追加してもう一回やってみるか)


俺は再び手のひらを樽の上に突き出し、詠唱と、今度は空気中に存在する水分子を手のひらの前に集めるイメージを行う


「天より授かりし奇跡の液体は変幻自在にその姿を変え、我らを魅了する。我、水を求めるものなり。我が思いに応え、水よ顕現せよ」


とぽとぽとぽとぽ


俺が詠唱を終えた瞬間、何もなかった空間から突如1L程の量のいびつな形をした水の塊が小さな音を立てて出現した。


ぱしゃん!


水塊は俺の制御から一瞬で外れ、桶の上に落下する

水塊が弾ける音はシュンの心が喜びで弾ける様を表す音でもあった


(よ、よ、よ、よっしゃああああああああ!!!!)


家族を驚かせるかもしれないため、俺は心の中で喜びを叫ぶ。いや、もしかしたら声に出てしまっていたかもしれない


(もうなんか泣きそうだ。)


俺は前世で嬉し泣きなんてしたことが無かった。嬉し泣きするまで自分が必死に何かを成し遂げたことが無かったからだ。今回、2年間の努力が報われたことが魔法が使えたのと同じくらい嬉しい

俺は顔をくちゃくちゃにして、滲んで見える水の入った桶を眺める。


(本当に使えて良かった。でもこれ水の初級魔法だもんな~他の魔法の初級はまだしも、中級とか一生かけても使えるようになる気がしないな)


急に現実を見てしまう


(とりあえず、次は火の魔法が使えるかどうかやってみるか)


俺は水魔法が使えた勢いに身を任せ火魔法を試してみることにする


再び手のひらを前に突き出し、詠唱と目の前で蠟燭ほどの火が発火するのをイメージする。


「天は熱に光を与え、それは我らの道を照らすものとなりけり。我火を求める、、、」


(そういえばこのイメージじゃあだめなんだよな)


俺は詠唱の最中にイメージ不足の疑いがあることに気が付き、詠唱を中断する


(火が出る仕組みをイメージしないといけないから、、、、、え?どうしよう)


(俺の知っている火は大抵何かが急激に酸化される時に発火しているが、何もない空間でどうやって火を出せと?まあ無理だとは思うが、とりあえず可燃物もイメージしてやってみるか)


俺は炭が目の前にあるのを想像し、それに酸素分子が結合していく様子をイメージし、詠唱する


「天は熱に光を与え、それは我らの道を照らすものとなりけり。我、火を求める者なり。我が思いに応え、火よ顕現せよ」


ポン。


!!!!


あっさり成功してしまった


(、、、、ほっ。)





















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ