第7話 エリザ
前回のあらすじ
ギルドメンバー募集が難航したコウヘイとメルティア。
2人はガルディオンの下層部に奴隷市場があるという噂を耳にする。
奴隷市場でゴブリンの少女エリザを購入した2人は、心を開かないエリザに頭を悩ませながらガルディオン中層へと戻るのだった。
奴隷市場でゴブリンの少女エリザを購入した俺たちは、宿に戻った。
3人となった俺たちには狭い部屋だったが、キッチンやトイレが揃っており。
今はメルティアが夕食を作ってくれていた。
部屋の隅っこでエリザは縮こまっている。
奴隷市場から出てから、いまだにエリザは一言も喋っていなかった。
「出来たわよ〜!」
メルティアがエプロンをするするっと外しながら大きなフライパンをテーブルに持ってきた。
「ミートファングの甘辛焼き。それからさっき買ってきた野菜で作ったポテトサラダ。あとは少しだけどクッキーを焼いてみました!」
「おおっ、美味しそうだな」
「………」
依然として返事はないが、口元からよだれが落ちていた。
少女は気まずそうにテーブルの端に座り、3人で豪勢な夕食を楽しんだ。
夜も更けてきた。
ベッドは2つしか無いので、メルティアとエリザがベッドを使って、俺が床で寝る事になった。
大きな変化があった1日なので俺はすぐに眠ってしまった。
◇
「………きて」
ん、なんだ?誰の声だ?
まだ休日なんだからもう少し寝かせて…。
「起きてコーヘイ!」
「うわぁあああ!?…あぁ、メルティアか。どうした、そんなに大声出して」
「エリザがいなくなったわ!」
◇
俺たちはすぐに準備を済ませ、宿屋を飛び出した。
一体どこに行ってしまったのだろうか。
ガルディオンの街にいてくれるならまだ安心だが、万が一街の外に出てしまうような事があれば深い谷底と群生する多くのマモノがいるボルライ時渓谷は、幼いエリザには危険な場所だ。
一刻も早く見つけ出し、安全を確保する必要があった。
2手に分かれた俺たちは必死になってガルディオンの街を探した。
しかしガルディオンの街は10層にもなり、1層1層が大きな街のようになっている。
夕方になっても、エリザは見つからなかった。
「見つからないな、もう夜になるぞ」
「あ、諦めませんわ…。かくなる上は街の外にも…」
その時だった。
路地に入っていく3人の男達が遠くに見えた。
その内の1人が動いている大きな袋を持っていて、袋の隙間から緑色の肌が見えていた。
「あああ!?」
「な、なんですの!?」
「いた!多分エリザだ!」
「本当ですの!?」
俺たちは男達が入って行った路地に向かった。
路地に着くと、男達が路地の先にある大きな建物に入っていくのが見えた。
3人が中に入るのを待って、俺たちは建物の前まで移動した。
俺たちは建物を見上げて、何ともいえない感情に襲われた。
「これは…」
「ギルドハウスか…」
エリザを連れ去った<冒険者>たちが入ったのはギルド「炎鳥の騎士団」のギルドハウスだった。




