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第5話 渓谷のガルディオン


前回までのあらすじ


ギルドハウスのためのG稼ぎ。

そして新たなギルドメンバーを求めてボルライト渓谷を進むコウヘイとメルティア。

2日目の昼、俺たちは渓谷に築かれた街ガルディオンへ到着した。


道中出会った冒険者、トリス、ミーちゃんと入り口で別れた俺たちは、ガルディオンの街へと足を踏み入れるのだった。


    ◇


巨大な岩山の谷間、僅かな足場に築かれた小さな山小屋から始まったこの街は、長い年月をかけて街と呼べるほどの規模に成長した。


伝説の建士オルガンの<神技>とも言える建築で崖に立つ木製の家や街道は、巨大な渓谷に張り巡らされた鳥の巣のようだった。


渓谷の標高300mから400mに築かれたガルディオンの街は10層のエリアに別れているらしく、俺たちは中層と呼ばれる350mエリアに到着した。



・・・フィールド<ガルディオンの街>



「渓谷に街を作るとは驚いた」


「伝説の建士オルガンの神技ですわね。彼の作った建築は、このガルディオンの他、世界に多くあると聞いておりますわ」


「へぇ〜…」


俺たちはガルディオンの街の荒々しく異様な景色に目を奪われながら、旅の目的であるギルドメンバーの募集を開始した。


まず、冒険者酒場に入った。


俺たちはギルドメンバー募集掲示板に張り紙を貼って人々の加入を募った。


冒険者クエストが受けられない俺たちは、Gを稼ぐためNPCクエスト「逃げ出した子猫の創作」「街の修繕作業」などで日銭を稼いだ。


NPCクエストは冒険者クエストに比べると効率が悪く、1日働いても大した額は稼げなかった。


依頼のない空いた時間は、ギルドメンバー募集の立て札を作り、広場で仲間を募集するのだった。


◇


「…全っ然、ダメですわね」


ガルディオンの街に着いてから1週間が経っていた。


冒険者酒場の募集には誰1人として応募は無く、広場での声がけも全く成果がなかった。


「まさかここまでとはねぇ」


正直言って、更に1週間同じ行動をしていてもギルドメンバーは集まるとは思えない。


それほどに感触が悪かった。


クエストの報酬だけでは宿代、食事代を補う事もできず、2人の所持Gは少しずつ減っていった。


所持金 859G


「…コーヘイ、実はワタクシ。ある話を聞きましたの」


「ん、何を聞いたんだ?」


メルティアは話を続けた。


「先日、依頼人の商人バーンズさんと話す機会がありました。彼の話では現在ワタクシ達のいる中層部の下、300m〜330mの下層部。そこでは、ある商品が売られていると言うんですの…」


「商品…?それはメンバー募集に関係があるのか?」


「下層で売られている商品…それは」


「………奴隷、だそうですわ」


    ◇


ガルディオンの街は上層部、中層部、下層部から構成されている。

上層部は金銭に余裕がある者、並びに腕の立つ冒険者が多くの割合を占めている。

中層部はNPCや初心者から中級者冒険者が多く滞在している。

そして下層部では、荒くれ者のNPC。素性の知れない冒険者、怪しいギルドが多くある場所だそうで。


そこでは奴隷の売買も秘密裏に行われている、というのだ。



奴隷市場を見にいってみたいというメルティアの希望で、俺たちは下層部に向かうことにした。


街の東側、岩壁から最も離れた位置にチェーン式のエレベーターがあった。


エレベーターは小さな東屋のような見た目をしており、壁は無く柱と屋根しかない簡素な作りだ。


街の端という事で、降下する際には渓谷の開けた景色が眺められた。


メルティアは表面上、普段と変わらない様子だったが足が小さく震えていた。


エレベーターは木材の軋む音を立てながらゆっくりと下降していく。


数分後、俺たちは奴隷市場があるという310から320m地点。


<ガルディオン下層市場>に到着した。


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