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通常2

「魔術」


「魔人の技を、そう呼ぶのかしら?魔法とは別のものとして。……でもわたし、あの焼印を前に読んだとき、ただの管理番号にしか見えなかったです。式なんて、どこにもなかったと思います。」


ルークは頬杖をつき、少し目を細めて、物思いにふけった。


「番号が技、ねえ。……僕も焼印は何度か見ましたが、あれはどう見てもただの刻印です。マナの流れる構造をしていない。その聖騎士サマの言うことが本当なら、僕らはそろって節穴ということになりますが」


「だから、もう一度ちゃんと見たいのですが…。近いうちに、魔獣の焼印を」


「どうぞどうぞ」


ルークは、投げやりに手を振った。


「討伐隊やら見回りやらが『証拠です』『これも証拠です』って、死骸を次から次へ運び込んでくるんですよ。地下の保管庫、焼印つきの皮だの頭だのでもう一杯です。臭くてかないません。近々まとめて保存の式をかけないと。……奥様が全部読み解いて『もう運ばなくていい』と言ってくださるなら、僕がこの城でいちばん助かります」


ルークはそう言ってから、伸びをひとつして、窓の外へ目をやった。


「まあ、当分は軍議続きでしょうねえ。捕虜の聞き取りに、砦の割り振りに、リアンツァとの取り決め。お偉方はしばらく寝られませんよ。僕も、ですが」


それから、ちらり、とクラリスを見た。


「……奥様は、まだ出続けるんですか? 軍議」


「え?」


クラリスは、きょとんとした。


「出ますよ。当たり前じゃないですか。参謀のひとりだって、ジルが」


「ふーん」


「なんですか、その、ふーんって」


「いえ、別に」


ルークは、それ以上は言わなかった。


ただ、頬杖のまま、何か知っている顔で、空になった袋の口を、意味もなく片手の指で閉じたり開いたりしていた。

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