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鳴き声は……返る  作者: アル治


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7/10

第7話  横暴

いつも読んでいただきありがとうございます。

精神的に大丈夫でしょうか。

重い話なので、ちゃんと気晴らしもしてください。

1つの家族がいた。


どこにでもある、普通の4人家族。

そこに1匹の犬。


――普通の家族に見えた。


だが、父親がどこかおかしい。


時折、聞こえる罵声。

犬に向けられる怒鳴り声。


庭は汚物だらけ。

犬は痩せ細り、目に輝きがない。


近所とも揉めていた。


「庭が臭い!片付けてくれ!」

「それ、虐待ですよ!」


近所の人が声を上げる。


「俺の家だ!俺の犬だ!」

「文句あんのか!?」


父親が怒鳴り返す。


そこへ通りかかった2人の男。


カジとタキ。


「どうしましたか?」

タキが声をかける。


「この人の犬、虐待されてて……」


「俺の犬をどうしようが勝手だろ!口出しするな!」


カジが警察手帳を見せる。


「明らかな虐待は犯罪ですよ」


低く、圧のある声。


父親は言い返す。


「虐待じゃない!躾だ!」

「警察には関係ない!民事不介入だろ!」

「帰れ!」


カジの目が鋭くなる。


「おい……公務執行妨害で引っ張るぞ?」


「先輩、待ってください」


タキが制する。


耳打ちする。


「ここは一度引きましょう。後日、改めて来ましょう」


カジは舌打ちする。


「……チッ」


父親を睨む。


「今日は帰りますが、きちんと調べます」


「脅しか?警察が脅すのか?」


「違います。調べて、必要なら捕まえます」


父親は苛立ちながら家に入る。


その瞬間。


家の中が暗くなる。


「おい!暗いぞ!電気つけろ!」

「誰の家だと思ってんだ!」


声が響く。


「因果応報」


「は?誰だ……?」


次の瞬間。


衝撃。


父親が倒れる。


「いってぇ!何しやがる!」


声が続く。


「俺のものに何しても関係ないだろ?」


父親が蹴られる。


踏まれる。


何度も、何度も。


「やめろ!俺は何もしてない!」

「お前のものでもない!」


「――お前は、俺のものだ」


蹴りと踏みつけは止まらない。


やがて、父親は動かなくなる。


数日後。


カジとタキが家を訪れる。


表情は険しい。


「すみません、警察です」


母親が出てくる。


「はい……なんでしょうか?」


「旦那さん、いらっしゃいますか?」


「それが……」


「隠すと罪に問われる可能性がありますよ」


「……いないんです。3日前から……」


カジが小さく呟く。


「……3日前。俺たちが来た日か」


「行方不明届は?」


「たまにあるので……出してません」


家を調べる。


だが、何も出てこない。


父親の痕跡も――。


その後。


家は片親となった。


だが庭は綺麗になり、犬は元気に走り回っている。


穏やかな時間が流れていた。


数日後。


海外の山中で、撲殺された遺体が発見された。


日本人男性。


身元は――不明のまま。

読んでいただきありがとうございます。

ご無理なさらぬように気を付けてください。

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