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鳴き声は……返る  作者: アル治


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3/4

第3話  標的は……

いつも読んでいただきありがとうございます。

同じになりますが、気分を害する恐れがありますので、読む際は気を付けてください。

感情が高ぶる恐れもあります、ご了承下さい。

男がいる。


ごく普通の男。

毎日働き、家に帰るだけの生活。


何の不自由もない。

それでも――生きづらかった。


先輩。女。親。友達。

どこにいても、息が詰まる。


男は、疲れていた。


その日、男の元に荷物が届く。


それを見た瞬間、顔が変わった。


「やっと手に入った……これでやっと出来る」


口元は歪んでいる。

だが目は――死んでいた。


男は荷物をバッグに入れ、夜の公園へ向かった。


公園で荷物を取り出し、組み立てる。


クロスボウ。

矢は10本。


1本をセットし、狙いを定める。


「出てこい……仕留めてやる」


茂みが揺れる。


1匹の猫が顔を出した。


その瞬間――


シュッ!


矢が放たれる。


命中。


猫の太ももを貫いた。


猫は鳴きながら、足を引きずり、それでも全力で逃げる。


「外したか」


男は、ただ“殺すこと”だけを考えていた。


10本すべて撃ち終えたとき。


異変が起きる。


夜なのに――異様に暗い。


何も見えない。


「え……なんだ……見えない……!」


次の瞬間、視界が戻る。


森だった。


「は……?公園にいたはずなのに……なんだこれ……?」


声が響く。


「因果応報」


「狩りの時間だ。楽しめ」


「狩り?……ああ、狩らせてくれるのか。楽しみだな」


言い終わった瞬間。


シュッ!


矢が飛ぶ。


男の小指に突き刺さる。


「いってぇ!何してんだよ!」


血が流れる。


声が笑う。


「すごいな。本当に小指に当てた」


楽しそうな声だった。


「ふざけるな!危ないだろうが!」


声は続く。


「殺した時点で勝負終了だ。その時、多く撃ってる方が勝ち。外したらマイナスな」


「……なんだよ、それ……嘘だろ……?」


男は走った。


必死に逃げる。


だが――


どこに逃げても、矢は飛んでくる。


ふくらはぎ。指。太もも。


すべて“かすめる”。


殺さない。


ただ、いたぶる。


「やめてくれ……痛い……」


「もうやだ……」


男の心が、壊れ始める。


それでも、矢は止まらない。


次は、刺さる。


脇腹。二の腕。太もも。


3本の矢が、体に突き刺さる。


声が響く。


「まだまだ狩りが出来そうだな」


「動かないのはつまらないが……痛みで顔が歪むのは楽しい」


その頃。


公園では警察が動いていた。


中央に立つ男に、若い刑事が声をかける。


「カジさん、お疲れ様です」


「タキか。被害は?」


「生きていたのは7匹です。あとは……」


言葉が詰まる。


カジの顔が歪む。

今にも何かを壊しそうなほどに。


「……分かった。捕まえるぞ」


低く、強い声。


「もちろんです」


後日。


森の中で遺体が発見された。


無数の矢が突き刺さった――男の遺体。


「タキ、どう思う?」


「……奴だと思います」


「だよな。でも俺は――」


言いかけた言葉を、タキが遮る。


「カジさん!」


短い沈黙。


「……そうだな。帰るか」


「はい」


カジが家に帰ると、白い猫が出迎える。


「にゃー」


「ご飯だな。今用意するからな、いい子だ」


頭を撫でながら、小さく呟く。


「……因果応報だな」


「逮捕しなくて、よかった」

読んでいただきありがとうございます。

気分は大丈夫でしょうか?

害されていたら申し訳ありません。

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