第4話 拾われる理由
いつも読んでいただきありがとうございます。
気分は大丈夫でしょうか?
無理をなさらないように、お願い致します。
親子がいた。
決して裕福ではない。
だが、貧しくもない。
片親だったが、仲良く暮らしていた。
そこに1匹の野良猫が迷い込む。
こうして、2人と1匹の暮らしが始まった。
しばらくして、猫のお腹が膨らみ始める。
母親は気づいた。
「……妊娠してる」
子供は嬉しそうに言う。
「子猫、楽しみだね」
しかし、余裕がある生活ではなかった。
避妊手術をしなかったのも、そのためだった。
数ヶ月後。
子猫が生まれる。
4匹。
里親を探したが、見つからない。
このまま育てれば、餌代もかかる。
母親と子供は、悩み――
そして、決めた。
捨てることを。
「段ボール持ってきてくれる?そこに入れて、捨ててくるよ」
「うん……仕方ないよね」
ビニール袋に子猫を4匹入れる。
それを段ボールに入れ、蓋をした。
「これで出られないから……危なくないよね?」
「……うん。誰か拾ってくれるよね」
段ボールは、川の近くに置かれた。
そして2人は、家へと戻る。
その瞬間――
視界が暗くなった。
「え……なに?」
「何が起きてるの……?」
声が響く。
「因果応報」
「捨てられても、仕方ないよな」
「なに……?」
「なんなの……?」
何も見えない。
暗闇。
足元がガサガサと鳴る。
光は、一切入らない。
やがて、息苦しくなってくる。
暗いからではない。
慣れないからでもない。
――空気が、なくなっている。
その時。
空間が激しく揺れ、動き出した。
水の音がする。
「……流れてる?」
「苦しい……水……ないの……?」
「お腹……空いた……」
「お母さん……何か……」
「……何もないの……」
段ボールは、流されていく。
どこへ向かうのかも分からないまま。
その頃。
1人の男が川の近くを歩いていた。
かすかな鳴き声に気づく。
「……今の、なんだ?」
川を流れる段ボール。
急いで拾い上げる。
開ける。
中には――ビニール袋。
その中に、子猫が4匹。
急いで袋を開ける。
まだ、生きている。
「……よかった」
男はそのまま、動物病院へと向かった。
再び、声が響く。
「見つけてもらえ」
もう、返事はない。
声も出ない。
ただ、暗闇の中で――。
男は職場に出社し、先輩に声をかける。
「カジさん、俺……猫、飼うことにしました。見ます?」
「マジか?見せろ」
小さな命は、繋がった。
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重い話は続きます。投稿も不定期になりますので、ご了承下さい。




