81:歴代翠龍
さて、虎の眷属が手に入ったわけだけども、どうやって使うかなー。とりあえずスキルは、【火竜】、【水竜】、【霧竜】を渡しといた。まぁ単純にスペックが高いからね。汎用性の塊みたいなスキルだし。
で、もうひとつ試して見たいことがある。さっきさらっと流してたけど翠龍の遺伝子情報手に入れたんだよなぁ。というわけで変身!
俺の体がぐんぐんと大きくなり、虎を超え、ガラハッドの巨体をも超え、ついには翠龍と同じサイズになった。やっべぇ。力が溢れてくる。何気に変身もチートじゃね?ステータス半減するとはいえ、翠龍の半分とか俺の何倍だよって話だし。
というかこうして見るとこの森広いね。地平線の先まで続いてる。まぁ龍の巣だもんね。これだけ強い龍がいるなら、大きな住処があるのも納得できる。というかこの姿で行けば一瞬で超えられるくね?スピードもまぁまぁ速いしさ。
まぁ試してみたいことは色々あるけど、その前に虎たちに名前つけてやらんとね。うーん、虎かー。やっぱ和名が似合うよなぁ。
よし、決めた。まず白い毛並みの真面目くん。こいつはリーダーだな、うん。だってサイコとヤンキーが統括するとかどんな魔境ですかって話だし。で、こいつの名前は嵐瀣だ。カタカナ表記でランカイね。和名とか言いつつチャイニーズになっちゃったぜ。まぁ気にしたら負けか。
ちなみに瀣という字は沆瀣から取った。仙人の食べる霞的な意味だから、まぁ【霧竜】のスキルを持つこいつにはピッタリだろう。
で、次に黒い毛並みのヤンキー。こいつには焔という名前をつけた。まぁ読み方はほむらね。割とそのまま。いやだって変に凝らなくても字がかっこいいし。まぁよき。
で、最後にサイコパス。こいつの見た目は普通の虎だね。うん。牙が30センチくらいあるけどそれは知らん。で、名前は自分から名乗り出てきた。どうも呪殺怨霊血涙死という名前が良いらしい。まぁ却下してムラマサにしてやった。なんか病み感でるしピッタリじゃね?
とまぁ名前を付けてやった訳だけど、どうにも進化は起きないらしい。眷属達は人化したらしいんだけどなぁ。条件とかあるのか。
「ほう、貴様ァ、名が欲しいのか。ならワシと同じ名を授けよう!貴様は今日からリンネ・フォレスティアンだァ!」
なんか名前増えたし。まぁ苗字みたいな感じかな?それならいいや。貰っておいて損する訳でもないしね。というかこれなんか魔力的な繋がりできてないか?魔力を共有する眷属や分裂体とのそれじゃなくって、翠龍の魔力が少しずつ流れて来てるような……なんだこれ。
「ほう、貴様ァ、知らんのか!名前の一部を共有するということは、受け継ぎの儀を完了した証拠であり、ワシが貴様の血肉、そして心になるというわけじゃ!」
え?えぇ?!つまり翠龍が消えて力が俺に引き継がれる的な?なにそれ知らない。
というか半年ちょい一緒に修行しただけでよくそこまで……いや、だからこそ割り切れたのかもしれない。自分の全てを託すというのは、相手が親しい間柄であればあるこそ辛いことになるだろう。むしろあまり知らない俺だからこそ、こんな役を任せられたのかもしれない。
うん、やろう。翠龍の心を受け継ごう。俺が今日から、翠龍として生きるんだ。
「おう、もうすぐお別れじゃあ。では、貴様の中の住み心地が良いと信じて、わしは消えるぞ、またな!」
そうして翠龍の体が光り、うっすらと粒子となり大気に溶け、消えた。うん、俺がお前を受け継ぐよ。半年しか付き合いはないけど、良い奴だった。
『ほう、貴様の体内も中々住み心地が良いではないか!何より魔力の質が良い!快適じゃわい!』
こいつ……直接脳内に?!というかなんで喋れてんだよこいつ。あ、もしかして俺の心となるってそういう意味か。俺の魂に住み着いてるわけか。あぁ、プライバシーが吹き飛んだ。そもそも俺の魔力も増えなかったし。マジであれ引越し作業かよ。
『おう、お主もやっとここまで来たか!というかお主、託した相手が龍ではないではないか!』
え、待ってこれ翠龍の声じゃねーぞ。ん?わけわかめ。あ、もしかしてこれは……
『貴様が思っておるとおりじゃな。これまでのワシの一族67名が貴様の心の中に住んでおるぞい!』
えぇ、ダルっ。マジでお前ら家賃払えよな。おら、働け働け。




