82:ニート(67頭)の処遇
『しっかし懐かしいのう!』
『今夜は宴じゃあ!』
『おら、酒持ってこい酒ェ!』
『ヒャッハー!祭りじゃ祭りじゃ!』
こいつらうるせー。ミュート機能的なの使えないかな。こう、空間魔法の応用とかでさ。今回の修行で空間魔法もLv2に上がったし、ちょっと試してみるか。
こう、できるだけ繋がりを切らないようにしつつ、音だけをね。うーん、こうか?若干違うね。あ、魔物の群れだ。えいっ。さて、どうやって回線いじるかなー。
え?片手間で群れ壊すなって?いやーさ、奥義が便利すぎてちょっとこいつら雑魚みたいに感じてきた。やっべぇ。インフレが止まらないね。
というか翠龍達うるせー。作業に集中するためにもミュート機能が欲しい。でもそれ作ろうとするとうるさくて邪魔されるという。あぁ、負の連鎖。
ん?というか今生やした木がちょっと枯れてる?のかな?葉っぱに赤い斑点がついてる。なんか病気かな?
いや、そんなはずはない。この森の植物は全て翠龍の魔力に覆われているわけで、病気にはかからないはずだ。つまり考えられることはひとつ。
他者からの……魔力的干渉?一体なぜこのタイミングで。まさか翠龍が消えるのを待っていた?にしては計画があまりにも雑だ。もし俺がここに来なければ翠龍は消えていなかったわけで。その場合もう永遠と言っていいほど長くこの森にいるだろう。
それを消えるまで見張る?相手もそこまでバカじゃないだろう。
つまり相手は俺がここに来ることを知っていたということになる。おそらく街に住んでいる人だ。
でも一体誰が?街の住民はしっかり検査しているし、そもそもあの霧の沼を超えなければ辿り着けないこんな秘境を知っている人物がそう居るとは思えない。
やはり怪しいのは聖職者と一緒にいた男か?物騒な名前のスキルを持っていたし、聖職者の方は安全だと確認したけど、そっちも危険人物でないと確定したわけじゃない。うーん。
というか今俺が生やした木以外にもしっかり付いてるなこの斑点。とりあえず翠龍に聞いてみるか。
『ねぇ翠龍さん?ちょいとこの木見て貰えませんかねぇ』
『ほう……これは……うーむ、どうなっておる。ワシ以外の魔力は残滓すら感じぬのに、こうして植物に被害が出ておる。貴様ァ、この森の植物全種類持ってこい!』
え、人使い荒すぎでしょあんた。にしても翠龍の魔力しかないとは変な話だ。それだと犯人は翠龍ということになるけど、それは違う。うーん、どうやってこんな攻撃を?
っと全種類集めたんで報告ね。あー疲れた。ガラハッドに乗って高速飛行しながら探したわけだし、さすがに目が痛い。まぁ心の眼だし痛くならないんだけども。
『はい、持ってきました!』
『おう、ご苦労じゃな。ん?おい貴様ァ、このキノコはどこから取ってきたァ?!』
ん?あ、ブラドが興奮状態にされてたやつか。というかそーいやブラドって森の入口辺りに置いてきたんだよね。このキノコの胞子防げないっぽいし。
『あぁ、それは森の中心部にあったものなのですが……何か?』
『そうか……しかしこのような植物わしは作っておらん。じゃがこの植物は確かにわしの魔力でできている。はて、妙な話じゃ。貴様ァ、一度そこへ連れていけ!』
えぇ、翠龍が作ったんじゃねーの?そりゃあ不味いわな。実際この世界の魔法に触れたりして思ったんだけど、地球で指紋を偽造できないのとおなじで、魔力を誤魔化すことって実質不可能な感じがする。
もし出来るとしたら……いや、想像もつかない。さーて、どんな奴が相手なのか。出会った時は是非食べさせて貰いたいものだ。
で、とりあえずその話は置いといて、目先の問題から片付けていくとしよう。移動時間も長いしね。
〜〜〜〜〜〜〜〜10分後〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ぬぉぉぉ、我が宿主め、許さぬぞォォォォ!』
『我らが翠龍一族の神聖な火を、作業に使わせおってぇぇぇ!』
『一族をかけて呪ってやるわァァァ!あ、今は貴様も一族なのか畜生ゥゥゥ!』
うわぁい罵詈雑言。え?なんでこんなことになったのかって?別に大したことじゃないんだけどね?タダで居候されるのも気持ち的に嫌だから、ちょっと火力発電してもらおうと思ってね。一応こいつらも火球吐けるっぽいし。
で、何故こいつらが従ってくれてるかと言うと、理由は1つ。いやさ、ミュート機能の開発してたらこいつらの存在ごと消滅させる方法見つけちゃったんだよね。脅し?いやいや依頼ですよ。人聞きの悪いこと言わないでよね?
まぁそんなこんなでNEETが職に就いた。
なんで主人公が火力発電所の作り方を知っているかというと、人物像的に知っておいてもらわなきゃ困るからです。設定の不備じゃありませんからね〜?




