79:奥義
うん、その奥義とやらの内容を教えてもらったんだけどさー、控えめに言って有能すぐる。
だって魔法のコピペだよ?例えば一本の木を作るとして、それにコピーとペーストの段取りを加えるだけで、魔力に応じて十、二十、百にもできるという。
攻撃に使うにしても火力は底上げできるしね。シンプルなだけに汎用性の塊みたいなポテンシャル秘めてる。
で、それ取得するのに地獄を見てるんですよちくしょう!何かね、普通は龍の遺伝子的に勝手に引き継がれるもんらしい。
ただ俺は全く血の繋がりのないもんだから、こいつらが生まれつき持ってる分裂させる感覚を身につけなきゃならんということ。
そんで、翠龍さんのセリフがこちら。
「ほう、貴様ァ、自分の持つ魔力のみなら分裂させられるようじゃな。何、それを外に向けるだけで簡単に出来るもんじゃぞ。」
どうやらこのじーさんは、俺の分裂のスキルに目をつけたらしい。で、失敗する度に俺の分裂体を踏み潰すという暴挙。正直、その辺のデンジャラスなじーさんとは比にならないくらい危ない。
結果、分裂体を回収できないからどう考えても質量足りなくなる。だから食べ物を狩る必要も出てくるし、虻蜂虎sを倒さなきゃならんと。つら。翠龍なんか、
「ふぉっふぉっふぉ、貴様のような若造にはいい訓練になるじゃろォ!」
とか言い出す始末。で、森壊して俺が再生すると。結果MPが切れる。狩りに行く、森壊す。再生、分裂、質量不足、ryみたいなことになる訳ですよ。
「すんませんこれ全く上達してませんよねー?もう方法変えません?」
「貴様ァ!何を言っておる!ほれ、貴様の再生している森をよーく見てみぃ!」
え、再生しながら森の方見るのしんどいんすけど。というか別に変化なんて……あっ、ほんとにめちゃ小さい植物の種が二つ一気に作れてる。ん?じゃあ上達してるのか?やったぜ、モチベーションMAXだヒャッハー!
という訳でテンションMAXでお送りするぜぃ!分裂ドーン!踏み潰されてプギャー!狩りグォラア!再生バーン!MP切れズーン!狩りヒャッハー!ぜぇ……ぜぇ……。さすがにこの勢いは疲れるね。
てか全く分裂量増えてなくね?成長止まった?orz……。
「全く仕方の無い弟子じゃ。ほれ、今日の飯はワシが作ってやる。しっかり食って元気出さんか。」
へー、翠龍の料理か。そーいやエミリアは料理下手だったなー。翠龍の方は大丈夫だろうか。そうそう、エミリアにこないだ餅つかせたら臼ごと地面に穴開けてさ、マジでやばかった。うん、ホームシック。よし、この旅から帰ったらまずはエミリアに料理を教えよう。
「ほれ、出来たぞ?」
出てきたのは肉とキノコを炒めたような料理、それと饅頭?みたいな白い球体だ。まぁ美味しそうな匂いしてるしとりあえず食べてみよう。
まず炒め物から。うーん、きのこがシャキッとしてるね。というかこの旨み、松茸じゃね?この世界にもあったんだ。案外見てないだけで街の生産施設にもあるかも知れん。
で、肉。うん、すっごいジューシー。もう肉汁だけで口の中が満たされんの。分かる?もう素晴らしい。マジ生きてて良かった。で、なんの肉なんだろうね。
「あぁ、それはラーク・ティガーのものじゃぞ。どうじゃ、中々美味いじゃろう。」
虎かよ。え?でも虎肉って確か臭みが強かった気がする。いや、俺が生で食べてたからかもだけど、前世でもそんな風に言われてたような。肉の臭み消しか、今度教わろう。
で、この白い球体。実は俺、これの正体を知っている。そう、これは紛れもないおやき、またの名を蜂の子焼きではないか!名前の通り蜂の赤ちゃんが入ってるんだよね。確かどっかの郷土料理だったよね。まぁ普通に美味い。
というか翠龍、調理道具もないのにどうやって料理したんだろ。
「あぁ、これか?まぁ簡単な話じゃ。外向のスキルでワシの魔力を外に出し、それを操るのじゃよ。」
ってあんたスキル使うんかい。え?世界機構以前から生きてるんじゃないの?ネット機器使いこなすご老人みたいだな。すげー。
……ん?待てよ?世界機構に頼らないってことで視野に入れてなかったけど、奥義ってスキル使えば再現できるんじゃね?よしきたやってやろう。
念願のブクマ100まで……あと3つ!




