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66:街巡りPart2

 うーん、世の中厳しいね。まさかいきなり叩き出されるとは。まぁあたりまえか。そーだねー。うちのスライム達が経営してる飲食店ってほぼほぼご飯しかないもんね。オシャレ系も必要なのかな?


 そんなことを考えているとお菓子が食べたくなってきた。うん、空飛んだ時に見かけてきになってた店もあるし、そこよってくか。


 西洋風の雰囲気の中で、少しだけ浮いたピンクベースのかわいい系の、焼き菓子のいい匂いから察するにお菓子屋なのかな?というかこれ俺の作った建物塗装してあるのか。つまみ出されなきゃぜひ店主に会ってみたいね。


 中に入ると、この街では見かけない可愛い雰囲気というのもあってか女性客が大半を占めている。とでも思っていたのか!


 まぁうちも一応食の都フーディスト(名前は勝手に決まってた)と呼ばれるだけあって、住む住人に試験位は受けさせている。問題は1問。「美味しいものは老若男女問わず楽しむべきか。」


 この意見に賛同してくれる人だけが住むこの街では、この世界での常識も相まって誰でも気兼ねなく美味しいものを楽しめるようになっている。とはいえ他の店との兼ね合いでうち経営のレストランとかは手が届く贅沢くらいの値段になってるけどね。


「えぇと、じゃあ全種類一つずつ貰おうかな。」


「全種類、ですか?!ご注文を承りました!少々お待ちください!」


 え、とりあえずちょっとずつ食べたいなーと思ったんだけど、まずかったかな?この店のメニューの種類は……74とかうそだろ。


 で、現在積み上がっているお菓子の山。シュークリームにそっくりなクリームサンド。フィナンシェによく似たボート・ザ・クーヘン。クッキーと見間違えるようなコインオブスイート。その他諸々、どこか見覚えのあるお菓子が並べられていく。


 いや待てい。絶対転生者いるよね?詐欺師?詐欺師がこんな真っピンクな店経営してるの?と気になってこっそり厨房を覗いた俺が見たのは……


 ものすごい怪力で自分よりでかい生地を空のダンボールでも運ぶようにリフトアップする、どこかで見たことのあるような聖職者の顔だった。


 よし、お菓子を持って一時帰宅。逃げると書いて戦略的撤退と読む。で、町長の時の顔に変身して先程の店を訪問。道が軽く騒ぎになった。

 ちなみに後からその理由を聞いてみると、なんか街の入口に俺の銅像が立ってるらしい。でも噂を聞いて引っ越してきた人は俺の事を見たことがないので、実は町長なんていない説が主流になっていたらしい。で、俺登場と。まぁしゃあない。


「もしもーし!この街の町長なんですけど、ここのパティシエさん呼んでもらえますー?」


「えっ、町長さん?!分かりました!少々お待ちください!」


 あの店員さんも大変だな。急に全メニュー頼む客が来たと思えば、空想上の人物と思われてた町長がパティシエ呼べって言いに来るっていう。あれ?八割というか全部俺のせい?まさかね。ハハハ。


「申し訳ございません、只今少々取り込み中でございまして……できれば夕方に来ていただけないでしょうか……。」


「あぁ、それなら良いよ。また来るね。」


 ホッ。正直あれには関わりたくないんだよなー。あんまり放置してるといつの間にか街滅ぼされそうな気がするし、ほっときはしないけど。

 まぁでもこんだけ繁盛してたら忙しいわな。というかぶっちゃけ今回はアポ取りに来たようなもんだし。アポ無しで行ったら跡形もなく消し飛ばされそうだもんね。独断と偏見だけど。まぁとりあえず問題は夕方の俺に着払いで発送しよう。


 怨むぞ昼頃の俺。なんて問題を寄越してくれやがった。最悪俺死ぬぞ?あぁ恐ろしや恐ろしや。


「で、町長さん自ら来て頂いたわけですが、本日はどのようなご要件で?」


 その言葉と同時に茶菓子としてマカロンが差し出される。これって毒殺の可能性も考えると手を付けたらダメなんだよね。と考えてるうちに脊髄反射で取ってしまった。

 というか毒吸収のスキルもあるし、実際毒はないっぽいけど。


「いえいえ、特に大したことでもないんですがね……少し二人で話したいことがある。」


 聖職者の合図でメイド(爺じゃない萌系のヤツ)が部屋から出ていく。めっちゃ険しい顔してるね。やっべぇ。俺の有能ロールプレイのせいか?


「時にあなたは、どのような経緯でその強さに至ったのですかな?」


 実は前はステータスに気を取られて気づかなかったけど、転生者の称号は確認済みなんだなこれが。でもあえて違う方向から攻めることで相手を油断させるってのが詐欺師流交渉術らしい。役に立つとは思ってなかったけど、割といいこと言ってたんだね。


 さて、薮から出るのは宝か、蛇か。

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