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52:職場体験・保育士

 あの後鳥の子供たちに料理を作ってやったら、結構喜ばれた。といってもあいつらは人語話せないし、ニュアンスだけどね。


 で、今はみんなで泳いでいる。もちろん俺は巣から見ているだけだ。何故かって?泳いでいるのが溶岩の中だから。

 あいつら、嬉嬉として溶岩掛け合ってやがる。うおっ、こっちは直撃したら即死なんだから、冗談でも飛ばしてくるのはやめて?!


 全く、怖いヤツらだよ。いや、意外とあの溶岩の方が大したことないとかもあるかな?実際のとこどうなんだろ。鑑定できるかな?


【〖魔王の焔(劣化版):価値神級〗】


【原初の時代、この地を支配する魔王という存在があった。】

【『閲覧することはできません。』】

【そうして、魔王は滅んでしまったが、彼はこの溶岩を手足のように操り、挑むものに絶望を与えたと言う。】

【劣化版とはいえ、魔王の焔であることに変わりはなく、魔王やその配下の血筋、相当な力を持つ魔物以外が触れると一瞬にして消し炭になったという。】

【『閲覧できません。』の時にその多くは消費されてしまったが、今も尚その炎熱は地獄に来たる客人を蝕むと言う。】


 ん?ここって文字通り地獄なんだ。というか色々ツッコミどころも多いな。

まず閲覧できない部分がある。今の俺の鑑定レベルはMAXだから、通常では絶対に見れないものだということ。

 で、もう一つが魔王という言葉。最近にも、この魔王という文字を見た。うん、うちの街だね。え?あれ魔王?滅ぼされたとか書いてあるけど?!うーん、分からん。まぁ今はそこまで深く考えなくてもいいかな。


「うーん、モフモフ。」


 あいつら泳ぎ疲れたらしくて、上がってすぐ昼寝を始めた。というか魔王の焔とか明らかにやばいやつの中で遊んでる鳥とかどんだけ強いんだよ。


 そんなことを考えながらうっかり寝落ちした。で、一つ鳥の子達にすることを夢の中で思いついた。


「おーい、お前ら、起きろー!」


 鳥の子達がいっせいに目を覚ます。


「今から二人一組でペアを作ってもらう。で、その場から1歩も動かずに相手を押せ。先に動いた方の負けだ!」


 ふっふっふ。これぞジャパニーズSUMOUと言える。といっても押し相撲とかいう圧倒的遊びなんだけども。

 で、そのまま放置。俺はしっかり楽しつつ、こいつらの強さの秘訣を解き明かしてやろうというのだ!


 そしてかれこれ数時間後、俺は考えることを辞めた。いやいや君たち何進化してんの?

 ある集団は相手を押し出すために腕を伸ばして某ゴム人間みたいになるし、ある集団はそいつらに対応するために掌から波動を飛ばせるようになるし、最後の集団はそいつらの攻撃に耐えるため比喩でもなんでもなく文字通り鋼の肉体を手にするし。どういう原理だよそれ。


 で、そいつら全員についた称号、相撲の覇者。お前らがやってるの押し相撲っていう別の遊びなんだけどな?何相撲ガチ勢みたいな称号ゲットしてんのさ。


「ほう、この子達はもう進化したか。それに中々強そうじゃ。皆も楽しそうじゃし、お主には感謝しかできんのう。」


 あ、お爺ちゃん。ちわッス。というか今までどこいってたんだこいつ。そんな思考を読んだように、お爺ちゃんが答える。


「なーに、ちとトレーニングにな。」


 そう言ってウインクする姿は確かにお茶目感あるんだけどさー、これ以上強くなってどうするんだよあんた。全く恐ろしいやつだ。


 というかそろそろ街も心配になってきた。まぁダンジョンの機能使えば見通せるんだけど、自分の目で見ないことには何があるか分からんしね。ダンジョンカメラだって魔法である以上偽装できるだろうし。

 因みに、この巣は既にダンジョンの一部と化している。いやーしかし、エネルギーが貯まる貯まる。

 一応感情吸収式では、相手の強さと手に入るエネルギーが比例するっていうありがちな仕様になっている。あっ、強さっていうのはステータス的な話じゃなくって、魂の丈夫さの話ね。

 あれ?俺の魂の強さってこの鳥達と同じ位じゃね?あ、まぁそらそうか。最近魔王とかいう人間や地獄にいる鳥達見てるせいで感覚狂ってきてるけど、こっちは天下のスライム様だもんね。実際戦ったら秒で殺されそうだけども。


 で、そんなこんなで1週間が経ち、俺はついに強さの秘訣を教えてもらうこととなった。


「で、親分、あんたはどうしてそんなに強いんで?」


「ふぉっふぉっふぉっ。それはのう、悪魔に己を認めさせ、融合してしまえばいいのじゃよ。」


 はぁ、神の次は悪魔かよ。マジで行く先々でそういう絡みが起きるという。ないわー。

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