51:地獄
よし、狩りへ行こう。え?何故かって?分裂体を増やすためだよ!
というのも、昨日の書類仕事、分裂体にさせてたわけですよ。で、そろそろ終わったかなー、と見に行ったところ分裂体……
消!滅!しました!いやいや、人殺すくらいの精神的過労って何さ。もはや書類仕事って範疇超えてるよね。これじゃあまるでうちがブラック企業みたいじゃないか。
で、減った分の分裂体を補充するため山に登ってきたと。にしてもこないだの邪神騒ぎもあってモンスターとか全然居ないね。時々ウサギ的なのを見かける程度だし。と言っても街の食肉に手を出す訳にも行かんしねー。よし、空探すか。
おー、壮観壮観。どこまでも真っ青な海に眼下に見える広い街。ん?大きさ的にもう国ってレベルじゃね?さすがに大きくしすぎたかな?まぁでもこれはこれで綺麗だし、山と海の間に作られた石造りの港だっていい感じ。
で、早速見つけたよ鳥の魔物。ぐっへっへ。貴様は俺の血肉となるんだぜ?感謝しろよ。ヒャッハー!
そんな感じで辺りの鳥を狩り尽くすまで30分。鳥と言っても色々いるみたいで、雀を倒したと思ったらフェニックスがいて、フェニックスを倒したと思ったらサンダーバードがいて、最終的には雀の集団リンチで死にかけたりした。いや、数の暴力って怖い。
で、今は絶賛拘束中。なんかねー、おっそろしい鳥に出会ったもんだよ。鑑定してみても【鑑定不能】って出るだけだし、全身は灰色のハシビロコウみたいなやつなのに、発する魔力がなんかおかしい。それに、人語を解するという。
「いやー、こんにちはいいお天気ですねー、ところで何故私を攫ったんですかい?」
「ほう、貴様人語を理解するか。中々変わったヤツじゃのう。と言ってもワシが言えるものでもないとは思うがな!ホッホッホ!」
「ところで随分とお強いようで、どのような鍛え方をしているんです?私もスライム種なんですが、兄貴には勝てる気がせんのですわ。」
「ホッホッホ、気になるか?気になるかのぅ?教えてやってもいいが、条件がある。今ワシの巣には数年ぶりに孫が帰ってきておってのう、まだ8歳で可愛いもんじゃから、遊び相手になって欲しいのじゃ。」
なるほどね、それだけでこんなに強くなれるなら随分と簡単なことだ。ふっふっふ、この【伝説のベビーシッター】と呼ばれたかもしれないしそうじゃないかもしれないこの俺にとって、子供をあやす事など赤子の手を捻るも同然よ!
まぁ、泣いてる赤子の手を捻るなんて可哀想で出来ないんだけどね。
なんてことを思ってた時期が私にもありました。そうだね。孫が一人とは言われてないもんね。たださー、そんなに50人もいるとは思わんよね。それも随分と強いし。
あっちにとってはじゃれてるだけなんだけど、こっち視点で見ると蹂躙されてるような感じ。イテッ、そこクチバシでつつくな!まさに赤子の手を捻られてるような状態。
いやー、こんなことなら眷属たち連れてこればよかった。だってなんか自分が抜かされるの怖かったし?1人優越感感じたかったし?まぁあとから言っても意味無いしね。分裂体駆使して頑張ろう。
て決意した瞬間あいつら一斉に鳴き出しやがった。え?何?お腹が空いた?知らんがな。あー、でも料理してあげなきゃまずいかも。あいつらの鳴き声の振動だけでダメージ入ってるんですがそれは。
「ハイ注目!お前らお腹が空いたか?なら俺が料理をしてやろう。なんせ料理だけは得意なもんでな!というわけで早速お前ら、食材取ってこい!自分の食べる分くらい自分で賄うんだな!」
うーん、ひとまず休憩。早速あいつら狩り行きやがった。で、余裕が出来てみるとここ中々の環境だな。なんか大きな岩の上に巣があるんだけど、その周りが全部マグマ。で、所々に岩が突き出してると。
というかあの岩の上にいるの、龍だよね?うちの鳥爺さんが一睨みしたらどっか飛んで逃げてったけど。
あ、触手に捕まりおった。なんだあれ。植物?にしては嫌に禍々しい見た目だけど、ツルが生えてるし葉っぱや真ん中に目のつい花があるから、植物で間違いないんだろう。いま龍噛み砕いてるけど。なんですか?ここ。地獄ですか?




