50:街の発展
うん、疲れた。途中無駄にヒャッハーして体力使い果たしたのもあるけど、それ以前に邪神が偽物だった精神的ダメージがデカい。あんな強い堕天使が雑魚って。やっぱ神の世界は遠いわ。
「また随分と怒っていたな。何だ、そんなに神の存在が気に食わないか?」
後から追いついてきた詐欺師が聞いてきた。うん、まぁそうだね。だって一生懸命生きてるんだもん。それを見て娯楽みたいに扱ってるやつってすっごい腹立つ。
「当たり前じゃん。ずっと監視されて、道化でも観るように楽しまれて。こちとら一生懸命生きてるんだっつーの。」
「……そうか。でもな、監視されててもそうでなくても、お前はお前だろ?考えるなとは言わないが、生き急ぐ必要もないんじゃないか?」
……うん。それもそうだ。別に焦る必要は無い。監視されてたってそうでなくたって、作り物だってそうじゃなくたって、ここには大切な街があるわけだしね。まぁ、その通りだ。
「……最後に一つ、お前は神を倒すのか?」
いつものような笑をたたえて、されどもとても重要なことを聞いているような、そんな雰囲気で詐欺師が聞いてくる。
「当たり前だ。いつか絶対ぶん殴る。」
「そうか。」
最後に短く言い残すと、目に哀しそうな色を浮かべて、いつもの様に去っていった。
うーん、なんだろう。悩みがあるなら相談して欲しいね。
さてさてさーて、最後に一つ、検証だ。一体邪神の卵というのはどれほどの強度を持つのか、どのくらいの魔力を通せるのか、調べなければいけないことは多いしね。
んだけども今はそれどころじゃ無くなっちゃったテヘペロ。いやね?まさかそんなに注目されてるとは思わなかったもんでさ、軽い気持ちでこないだ演説した街を見に行ったわけよ。そしたらもう人の群れ。
「やっぱり無罪だったんですね!」
だとか、
「今すぐ引っ越しさせて下さい!早くあの料理が食べたいです!」
といった風にいちいち言ってくんの。基本来る者拒まずなんだし、俺が極限まで愛想よくした受付スライムがいるんだから、勝手にこいって話だよ。
っていう旨を街のヤツらに話したところ、なんか受付が回らなくなった。もう予約殺到だよ。まぁ街なんて広いわけだし、いくらでも入って来いって話だね。まぁ検問はしっかりしなきゃだからそう急速に住民が増える訳でもないけど。
で、その中に明らかに頭おかしい人間がいた。攻撃力:430000。ちょうどフリ〇ザ様の戦闘力より100000低い。で、他のステータスは全部1桁というか1しかない。なんだその極端なのは。ステータスってそんな上がり方するもんなのか?そもそも人間でその強さってヤバすぎでしょ。
と思ってたらこいつが前言ってた龍殺しと言う奴らしい。まぁこんなステータスあれば龍も狩れるわな。まさかあっちから来るとは思わなかったけど、こんな強けりゃ砂漠くらいわたれるか。
まぁその割には戦士と言うより聖職者みたいな格好してるね。白い修道服とかマジで何なんだよ。
で、もう一つ気になったのは一緒にいるやつ。白い骸骨の仮面をつけて、手には黒い指貫グローブをはめ、全身を真っ黒なローブで覆ってる。
見た目だけだとどこの厨二病ですか?ってスタイルなんだけど、纏ってる魔力が邪神と人間を足して2で割ったような感じになってる。
で、ステータスの方は1000くらいと大して高くはないけど、罠系、状態異常系のスキルの数が80程。【魔王の威圧】みたいな魔王系スキルが20程。
あかん、これ首突っ込んだらあかんやつや。で、早速戦いに行こうとする戦闘狂の眷属たちとかをなだめるのに必死になってたってわけ。
ちなみに、街の住人が増えても受け入れ体制は万全だ。野菜の品種改良もかなり進んでいるし、今はプランテーションを地下に作って大規模な栽培をしている。
肉の方も、モンスタースポナーの数を増やし、大量生産ラインを確保した上で、料理スライムに加工してもらったりしている。
で、新しく必要になったのが住民達の仕事だ。と思ってたけど、とりあえず営業許可所みたいな施設を作ったら、大量に申請が来た。なんでも土地が肥えていて海も山も近いという好条件だから、漁師も狩人も農民も、かなり儲けることが出来るそうだ。
まぁ結局の所俺が作ったものには劣るから、俺のやつを街限定のブランド物にして、他の街にはその人達の物を出荷することで落ち着いた。
まぁいつかは運ぶための施設も作りたいよね。具体的には電車とか、飛行機とか。まぁスライム使えば不可能ではないんだけど、どうせなら人でも真似できるものにしたい。この街の経営者が魔物だってバレたらたまったもんじゃないしね。
で、そういった街の発展に伴って出来たのが、今俺の目の前にあるものだ。そう、形容するなら山としか言いようがない。実際にはそこまでのものでも無いんだけど、俺にはフォートスライムより巨大に見える。
そう、それは……その正体は……
これでもかとばかりに積まれた書類の数々である。




