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49:遊戯神テペルニーア

 うーん、ダメだ。怒りすぎてもいけないな。もうほんとに人間性ぶっ飛んだんじゃないかってくらい怒ってしまった。その結果がこれだよ。堕天使、100体討伐。あー、やらかした。


 そもそも冷静になって考えてみよう。怒りに任せて暴れまくってたけど、本当に邪神を倒せるのか。実際アップデート前に喰らったダメージは消えてないし、実の所は体力残り10もなかったりする。


 どうしよう。眷属にやらせるか?あいつら体力無限だし実質負け無しかもしれない。けどなー、俺の手で仕留めたいんだよなー。少し理性は戻ってるとはいえ、怒りはまだ暴発寸前だし。


「おいおい、随分とめちゃくちゃやったじゃないか。何をそんなに死に急いでるんだ?」


 いつものような半笑いで詐欺師が近づいてきた?しかし死に急ぐ?こいつ、プライドってもんがねーのか。よし、ぶん殴ってやる。


「うぉっと。だから殴りかかってくんなって。そういうとこが生き急いでるって言ってるんだぜ?お前は理性的に見えるけど、普段より思考が短絡的だぜ?頭冷やせよ。」


 頭を冷やす、か。詐欺師へ向けていた拳を止める。スーハースーハー。よし、頭は冷えた。殴る相手は詐欺師じゃない。邪神だ。というわけで出てこいやグォラァ!


「いやいやお前何飛び出そうとしてんだよ。体力ないんだろ?助けてあげても良いんだぜ?」


 こいつ、天使のような笑顔だけど打算にまみれてんね。あげてるを強調してるところがまた性格が悪い。そんなに貸しを作りたいか。


「ふーん、ならいいや。こっちも助けさせてあげてもいいんだよ?」


「分かった、助けてあげよう。」


「助けてあげるんじゃなくって、助けさせて頂く、じゃないの?」


「ほーう、ならこのエリクサーは谷底にポイだな。」


 いやいや辞めてくださいよ冗談じゃないですか旦那ァ。グッへっへ。あ、こっちに投げてきた。痛いなおい。うお、体力MAXじゃん。ステータスにもバフかかってるし。やっぱすげー。


「くっ、今回だけは回復されてあげるよ。借り、絶対返してやるからね?」


 うーん、やっぱ貸し借りはややこしい。


 で、眷属を全員倒したところでやっと邪神の居場所が見つかった。ただねー、邪神の魔力が小さすぎる。隠してんのかな?あれ。


 そこは山の中腹。深く穿たれた穴がある。で、そこに鎮座してるのが邪神。ん?なんか機械的というかメカニカルチックというか、神とはかけはなれたキューブみたいな見た目してんね。とりあえず気づかれる前に鑑定っと。


【〖神々の玩具(暴食の邪神)〗】

【スキル:モンスタースポーン】

【かつて神々の子供のためのトレーニング道具兼玩具として産み出された機械。】

【当代最強とも囁かれた神の幼少期は、邪神の力を持ってしなければ相手にならない程の力を振るっていたという。】

【邪神の眷属を生み出す能力はとうに失われ、今残っているのは雑魚Aと1つ上の位の雑魚を生み出すもののみである。】

【神が使っていた頃にはまだ全ての機能が残っていたが、リモコンをうっかり無くされたために地上に封印された。】

【ちなみにそのリモコンにも地上の生物には対処が難しいレベルの防犯システムが組み込まれており、手にしようとしたものは苦労することだろう。】


 はぁ。なんとも間の抜ける説明だな。待ってまだ頭が混乱してる。つまりはこれは邪神じゃなかったと?しかもあの堕天使も雑魚扱い?もうマジでわけわからん。


 なーんか騙された気分だな。どうしよう。壊すか?もうこの行き場のない怒りは物に当たるしかないよね?力を込めてー?♪三二一ドカン!


『あっはは、ホントに君は面白いね!それ壊しちゃうなんてさ!まぁ作るのが大変だっただけに、それなりに勿体無い気分はするけど、あんな面白いのが見れたんだし十分さ!お礼にこれ渡しとくね!じゃ、バイバイ!』


『遊戯神テペルニーアからスライム個体番号10435へと、【邪神レプリカ育成セット】が送信されました、』


うわっ、シムさんの声って神も悪用できるんかい。え?シムさんって誰だって?やだなー、神の声(仮)イコールシムさんって1話で決めたじゃないか。


 で、貰ったのが邪神レプリカ育成セット。もうなんだ、世界観メタここに極まりって感じだね。見た感は50センチほどの卵。まぁ無駄に禍々しい唐草模様がついてるんだけどそれは置いとく。


 で、これどうしよう。鑑定した感じを見ると、マジで偽物の邪神が生まれるらしい。偽物と言っても育成次第でいくらでも変わるし、極論いえばその辺の羽虫から邪神を超えるまで、強さの振れ幅がでかいってこと。

 因みに強さは注ぎ込んだ魔力と愛情で決まるとか。邪神に愛情って何さ。


 うん、圧倒的肩透かし。

今回は肩透かしです。盛り上げといてすんません。まぁ本物を引き立てるスパイスと思って下さい。

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