9-3 大好きな彼女の笑顔は毒の味
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夜神啓介宅
啓介は洗面所で吐いていた、傍には純二と紫苑がいて、背中を摩っていた
純二「兄貴……大丈夫ですか?」
紫苑「主…落ち着いて…」
啓介「はぁ……はぁ……はぁ……」
啓介「もういい、、お前らあんまし俺に気を遣うな」
一通り落ち着くとロビーの方へ戻ってソファーに座る
純二「そんなこと今更できるわけないでしょう、何年の付き合いだと思ってるんスか」
紫苑「主大丈夫?やっぱり本家に帰ろ?あの女といると主苦しそう」
啓介「俺が今更どの面下げて彼女の目の前から姿消せるんだよ」
啓介「彼女にとって俺は生涯の汚点だ、俺が何か与えることがあっても、彼女から何か与えられることは許されない」
啓介「笑えるよな、好きな子にあれだけ好かれてるのに俺は彼女を抱きしめることも、彼女を受け入れることも許されねぇんだ」
紫苑「そんな…それじゃ板挟み、何の意味も無い」
啓介「あぁそうだ、何の意味も無い」
啓介「感謝される方がよっぽどおかしな話なんだよ」
純二「そうっスか?好きな子の為にいじめをする馬鹿もマスコミも親族関係含めて全員綺麗さっぱり消したでしょ?」
啓介「…やっぱり分からねぇよな、裏の人間(俺)が日の下の人間(彼女)に拘る理由なんてよ
紫苑「当然、こちら側では力が全て、主はこっちでは何もかも持ってるのにあんな女一人に拘る意味が分からない」
啓介「それはお前らが裏側の人間だから言えることだよ」
啓介「俺らは結局殺すことでしか自分の存在の価値なんて証明しようがねぇんだ」
啓介「彼女と会うまで、俺には殺すこと以外何も知らなかったよ」
啓介「俺を見て笑った奴を初めて見たよ、裏では恐怖か絶望かの顔しか見たこと無かったからよ」
紫苑「……」
啓介「俺のやってることは彼女の為にはならねぇし、彼女の意思を無視してることでもある」
啓介「けどな、俺は彼女がどうしようもなく好きなんだよ」
啓介「だから俺は彼女から目を背けるのは有り得ない」
純二「駄目だこりゃ!手の施し様がねぇや!もう好きにしてください!」
紫苑「圧倒的に馬鹿、心配するだけ無駄だった」
不貞腐れて啓介をソファーから追い出し寝っ転がる紫苑
啓介「じゃあそろそろ行ってくる」
純二「また暗殺者に依頼でもするんスか?本当にイカレてますよね」
啓介「うるせー、紫苑、住所教えろ」
紫苑「やだ」
啓介「紫苑、いつまで不貞腐れてんだよ」
携帯を弄る紫苑、純二の携帯が反応する
純二「あれ?なんか俺の方に来てるんスけど」
紫苑「…代わりに送って、今主と話したくない」
啓介「はぁ、分かった分かった。ちゃんと送ってくれよ」
部屋を出ていく啓介
とある高層ビル
啓介は警備や監視を物ともせず、誰にも気づかれることなくスラスラと侵入して、とある部屋に侵入する
啓介「やぁ社長さん」
偉そうな男「なんだお前は!」
啓介「知ってるっスか?VOIDLINEの村瀬がフューチャー・ゲートの中川のとこにいる蒼麟桜って学生の覚醒者の勢力と引き分けたって話」
偉そうな男「村瀬が?学生と引き分けた?あぁ、そういえばそんなの噂になってたな」
偉そうな男「そんなことよりお前は誰だ?」
啓介「その学生の仲間だよ、今日はアンタと話しに来たんだ」
偉そうな男「はぁ?何の用だ?」
啓介「その学生が中川のとこに入るならダンジョン配信とかで会うことになるんじゃない?」
啓介「そうなればアンタにとっては商売仇ってわけだ、今の内に潰すとかしない?」
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