つながる妄想異次元
いつもの場所にはもう二人とも来ていた。
「よう!片桐!樹!」
「どうしたお前・・・ついに頭までおかしくなったのか?」
「え?ふつーに挨拶してるだけじゃん。」
「お前にふつーに挨拶されたこと、俺ないぞ。」
「どーしたよお前らそんな辛気臭い顔してよー」
「どうかしてるのはお前の方だろ・・・本当にどうした。」
「どうしたもこうしたも、いつも通りだろ、俺は。前からこんなんだったって。」
「それはない」「それはない」
「おー!すげー、ハモった!」
「おい、そんなことより練習始めんぞ。」
「えー。それよりもっと喋ろうぜー、せっかくここまで来てんだからさー」
「はぁ・・・?」
「てゆーか、遊ぼうぜ!もうめんどくさいこと全部やめてさ、ずっとここであそんでいようぜ!」
バキッ
「うあ・・・え?なにこれ血?」
「大樹どうしちゃったんだよ!昨日まで自分から練習しようって言ってただろ!!
それがいきなり全部やめようなんて、ふざけろよ!!?
何が遊ぼうだ!!」
・・・・・・
「お前こそ、ふざけんなよ・・・」俺だって・・・
「樹ばっかり・・・」片桐と居たかったさ・・・
「なんでお前なんかが・・・!!」このぉ・・・!!
「なんでお前ばっか片桐と居るんだよ!!
知ってるんだぞ、俺は!?
お前ら中学んとき付き合ってたんだろ!?
それからずっと、ずっと、今までずっと・・・」
・・・
「知ってたよ・・・俺は、弱くて、頼りなくて、臆病で、一人で・・・・・」
「釣り合うはずなんてない。分かってた。」
「・・・でも、でも・・・!」
「だけど!!!!!」
俺は片桐が好きだった。
そして、今も好きだ。
でも、俺が片桐を守ることはできない。
それは俺が弱いからでもあったが、何より樹がいた。
絶対に負けたくない、俺の親友。
しかしいつも負けていた、俺の強敵。
抗っても抗っても押し返せない、荒波。
勝てないって分かってる。
だけど・・・・・だけど・・・!!!
「俺にだって譲れないものがあるんだーーーー!!!」
「っははは!」
樹が弾けるように笑い出す。
なにがおかしいんだ。
なんだその、サル顔は。
そんな顔で笑われたら・・・
「ぶっははは!」
俺も笑った。
なぜ笑っているのかもわからないまま、俺たちは笑い続けた。
しばらくゲラゲラと笑い転げているうちに、笑いの止め方がわからなくなってきた。
「ふっふふ。あはは!あはははは!」
終いには片桐まで笑い出してしまった。
ああ、もうこれは3人で笑い死にするしかないな、ははは。
「わっはっはっはっはーーー!」
十分後、笑いが自然に収まるまで俺たちは笑い続けた。
二人を見ると、まだ余韻が消えないようで、目尻がヒクヒクしている。
かくいう俺も口元が歪んだままだ。
片桐がポツリと呟く。
「ずっと、ここに居られればばいいのにね。」
次回、パレード




