逃避2
「千夏ー今日カラオケいこーぜー」
「ごめん、今日ちょっと用事があって、」
「前もそんなこと言ってこなかったじゃーん。とにかくいこーぜー、千夏がいないと盛り上がらないんだよー。」
嘘つけ。
「でもテスト近いし、最近勉強不足だから、早く帰らないと。」
お前らもちょっとはやれよ。
「なぁ片桐さんさぁ、今度俺らと遊ばない??」
「うん。また時間あったらね。」
目つきがやらしいんだよ、もっと上手く隠せ。
「えー?でも片桐さん普通に勉強できるんだから遊んでても大丈夫だよ。あ、なんなら今日でもいいよ?おごるし。」
「ごめんね。用事あるから。」
「んだよノリ悪いなー」
知るか。
「一回くらいいいじゃん。」
うるさい。
「片桐、社交儀礼ってのも大事なんだぞ。」
うるさい。
「なに?先生まであいつの見方なわけ?陰キャのくせにクソウザいんですけどー」
・・・
「せっかく誘ってやってんのに。」
「休みの日なにやってんの?」
「マジ陰キャじゃん。」
「千夏ちょっと調子乗ってね?」
「また用事ってなに?煽ってんの?」
「もう誘うのやめよーぜー」
「また外見てる。」
「あいつ顔いいからって調子乗ってね?」
「お前ぐらいどこのクラスにもいるから笑」
「なぁ、いい加減さぁ、」
「そろそろうざいよ?」
「先生は忠告したからな、」
「あ、ついに先生にまで」
「ノート見してねー」
「いやいや、それはもう公共物っしょ。」
「ワークも、」
「何書いてんの、え?」
「いいから、ちょっと見せろよ。」
「え?こいつ小説書いてるー!」
「なになに・・・」
「君の柔らかな瞳に、ぎゃははははは!!」
「何これー、恋愛?あ、ギャグ?」
「それうけるー、ぎゃはは!」
「なぁ、」
「なんで喋んないの?」
「顔しかいいとこ無いじゃん。」
「なんで生きてんの?」
「久しぶり、千夏。一緒に帰ろ。」
「なにお前、俺片桐さんに用あるんだけど。」
「お前片桐のなんなの?」
「え?なんなのってゆーかー、飼い主?」
「片桐さんってオモチャみたいだしねー。」
「ははっ!それはいいすぎっがっ!・・・」
「うわ!え?ちょっ待っうぉ・・・」
「痛い!痛い!」
「先生!助けて!」
「こら、君!何やって、がっ!」
「お前、今殴ったな??!生徒が教師を殴ったな!?この・・・あ!!待て!!!!こらぁ、逃げるな!!!!戻ってこいぃ!!!!」
「やば・・・」
はぁ、はぁ
はぁ、はっ
はっはぁっはぁ、ん・・・
7月21日、夏休みの始まり、私たちは、現実から、逃げた。




