迷走2
6月1日、梅雨の日、俺は18歳になった。
樹と片桐はもうとっくに18になっていて、俺が最後だった。
できればこんな蒸し暑い日に誕生日を迎えたくなかったが、しょうがないか。
学校の中間テストは今日で終わりで、昼までで帰れる。
そんなことを考えながら学校に向かっていると、自転車をこぐスピードが落ちていたようで、少し遅刻してしまった。
教室に入ると、いきなり怒鳴られた。
たったの五分でこんなに言われるのか、と今更なことを思いながら席に着く。
この湿気のせいか、全くテストに集中できず、かなり不安に思いながら家に帰ると、電話がかかってきた。
樹からだ。
「誕生日おめでとー。お前も遂に18か。」
「お、おお。ありがと。お前にしては珍しい電話だな・・・」
「だろうな。」
「え?」
「分かるだろ?お前ももう18だ。18がどういう歳かわかってるのか?」
「そんな親父みたいなこと言われても・・・」
「いいか?18ってのはある意味20歳より重要な歳でもあるんだ。」
「選挙権とか?」
「センキョケン?何それ?」
「いや、選挙権・・・」
「ま、とにかくだ、18歳になると男なら誰もがやる儀式的なアレがあるんだ。」
「結局何が言いたいんだよ!」
「ツ○ヤのアダルトコーナーに行こう。」
「すぐ行く。」
10分後、俺たちは近所のツ○ヤの前にいた。
「行くぞ。」
「おう。」
ツ○ヤの中は、様々な音で溢れかえっていた。
見たことのあるようなないような映画たちがズラズラ並んでいる。
しかし今の俺にはその音は届かず、ただ一つの目的地を目指すだけだ。
そして、その奥に、小さい頃は怖くて入れずにいた、あの黒いカーテンがある。
18歳未満立入禁止
昔はこれを見て成人とは18歳のことだと思ったものだ。
さぁ、今樹の手がその重々しき仕切りを解き放ち、俺たちは未知なる世界に飛び込んだ。
一面ピンク。
それが入って最初の感想だった。
右を見ても左を見ても女体、女体、女体(たまーに男)。
さて、次にその一つ一つを丁寧に見て回った。
顔はいいんだけど体の方がなー。
うわっ目が腐る!
うぉっ!これはなかなか・・・
でたでた熟女。
人妻は安定だな。
電マって怖い。
あれ?男優しかいない。
んん?これは法律的にアウトなんじゃ・・・
これってどうやって撮ったんだろう。
外人ってすごい。
まさかこれ程の作品をお目にかかれるとは・・・
etcetc・・・
「どうだったよ。」
「地球は青かった・・・」
「ピンクだったの間違いだろ。」
「神はいなかった。が、女神ならいた・・・」




