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雨はいつか止んで、優しさが世界を包む  作者: 佐田やすひ
第2章
20/34

迷走1

「だから、ここで片桐と何話してたんだよ!」

「だからお前のこととかだって!」

「とかってなんだよ!」

「別に大したことしてないって」

「ちょっとしたことならしたのかっ!」

「してないしてない」

「なんで半笑いなんだよお前ぇ」

「別に?」

「お前みたいな猿が調子にのるなよ。」

「なんだと?」

「知能と顔が猿だって言ってんだよ!」

「お前、言いやがったな?」

「ああ言ったさ言った言った」

「あぁ!?」


「うっさい!!!」


「ハッすみませんでしたっ!」

ハモった。

「か、片桐いつからここに?」

「たった今。」

「そっか・・・」

「何?」

「いや、別に。」


俺たちは、あれから週に一回、金曜日に集まることにしていた。

まあ3人とも部活には入っていないので、誰かが暇な時は金曜日でなくても空間が作られることはある(ちなみに俺は寄生型なのでその全てに付き合わされている。)。

集まってやることなんてせいぜい雑談をしながら駄菓子を食べることくらいだ。


そんな中、ある日急に樹が言い出した。

「なぁ、バンドとかやらねー?」

「バンド?」


どうやら、樹は学校で見た軽音楽部に影響されてロックにお熱なようだ。

と言うより、もうやることは確定らしい。

片桐まで乗り気だ。

さて、楽器は妄想でなんとかなるとして、問題になるのは・・・


「なぁ、俺吹奏楽器なら吹けるんだけど

「じゃお前はボーカルだな。」

「そうね、ボーカルね。」

「なんで?」


なぜかボーカルに任命されてしまった。

どうも二人はとにかくギターがしたかったらしい。

ピカピカのエレキギターを発現させると、何やら弾きだした。

と言うより、それは雑音に近かった。

片桐の方は、まぁなんとか音程をとることぐらいはできていたが、基本ができていないのだろう、やたらとキュイキュイという音がして、聴けたもんではなかった。

さて、樹の方だが・・・


ド、レ、ファー

ド、レ、ファー

ソ、レ、ド、シ、ド、レ、ドー


「なぁ、樹、それってもしかしてチューリップの花か?」

「・・・多分」


そして、俺の方はというと・・・


「ヴォーーーーー」

「何それ?」

「デスボイス?」

「俺にもやらせろっ」

「やめろ!お前はマイクなしでも声が張るんだから


「あ゛ーーーーーーーーー!!!!!!!!」


「片桐、それって弦が切れてるんじゃ・・・」

「え?1234・・・あ、ほんとだ・・・」

「え?別に切れてなくね?」樹が入ってくる。

「俺のなんてほら、4本しかないぞ。」

「なんてこったい。」

「てゆーか、エレキって弦何本なの?」

「確か、6本。」

「え?」「え?」

「お前ら・・・」


というわけでまぁ、楽器なんてもんは「ちょっとやってみよ」みたいなノリで始めてもできるわけがなく、それぞれがいろんな後悔をしたままその日は解散することになった。

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