↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショートショート連載 僕とAIと信号機と  作者: あみれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/26

その9 フライング

ゲストルームには、アンビエント・ミュージックが流れていた。

聴いた事がある。

確か… ブライアン・イーノだ。


秦さんは、全員が席に着いたのを確認すると、スマホに向かって「始めて下さい」と告げ、それをジャケットの内ポケットにしまい、メンバーをグルリと見渡した。


「今日はコース料理です。ご存知のようにアルコールはありませんが、硬くならずにリラックスして下さい」


社食のシェフ達の料理か。

そう、そしてこの社屋ではアルコールの摂取はもちろん、持込みもダメだ。

違反した場合は、減給処分だ。


「あまり野暮な事は言いたくありませんが、こういうオフ・ワークのような機会でも、皆さんの生産性を向上させる為に利用して欲しいのです」


皆が秦さんを見ている。


「基本的にこのプロジェクトのメンバー間に序列はありません。フラットな組織です。私は肩書きは執行役員でこのプロジェクトのマネージャーということになっていますが、ファシリテイターだと思って下さい」


皆の表情は困惑しているようだ。

それを見た秦さんはフッと笑い、そして続けた。


「まぁ、いきなりそう言われても、って感じだよね。徐々にそんな感じになっていけばいいんだ。遠慮せずに、何でも聞いて下さい。話せる事は全て話します」


「秦さん」


やたらと甲高い声だった。

僕の右隣の井上ヒロミだった。


「生産性の向上、って仰いますが、生産性の定義をお願いします。そこがあやふやだと、生産性を上げようがありません」


僕は思った。

もっともだけど、これはフライングだ。


秦さんは井上ヒロミを見ると、口角を上げて言った。


「いいねぇ、その感じ」


皆黙っている。

僕はこうも考えていたんだ。


井上ヒロミ、この男がサクラだったら面白いんだけどな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。