その6 AIのことは、AIに聞け
ここでちょっと余談。
僕はAIを使いこなす為の正式なレクチャーやトレーニングを受けた事がない。
この会社に入社してこの部署に配属された時、僕の上司はこう言ったんだ。
「好きなようにやっていい。我々が期待するのは成果だけだ」
これは嬉しかった。
入社前から、自分なりのアプローチでAIを使っていたから、これを変えられるのは嫌だな、と思っていたんだ。
事前に生成AIのことはネットで調べた。
でも、僕が初めて生成AIに触れた時、プロンプトにはこう打ち込んだ。
>どうやって、あなたを使えば良いのですか?
するとAIはこう答えてきた。
>まず、私を使いこなそうとしないでください。
最初から、その一文で面食らった。
>私を使いこなすことは目的ではありません。
>あなたの目的を達成することが目的です。
>そのために私を利用してください。
なるほど。
確かにその通りだ。
AIを使うこと自体が目的になった瞬間、本末転倒になる。
AIは続けた。
>私を検索エンジンとして使っても構いません。
>先生として使っても構いません。
>秘書として使っても構いません。
>ですが、あなたには一つ、お勧めしたい使い方があります。
>私を「考える相手」として使ってください。
その一文は、今でもよく覚えている。
そして思った。
なんだ。
今やたらと多い「生成AI使いこなしセミナー」も気になっていたけど、「考える相手」として使うなら、自分で付き合い方を見つけるのが一番じゃないか。
人によって考え方は違う。
目的も違う。
だから、使い方も違って当然だ。
結局のところ、考える相手として付き合うという意味では、人間と変わらないのだ。
多分、あれが僕とAIとの付き合い方を決めた瞬間だった。
もちろん、これは僕なりの結論だ。
人によって答えは違うだろう。
でも、僕は一つだけ信じていることがある。
――AIのことは、AIに聞け。




