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ショートショート連載 僕とAIと信号機と  作者: あみれん


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その3 ”効率的な”現地調査の方法を考える

その夜、僕は自宅のPC前に座り、信号機に関する公開情報を徹底的に調べ始めた。


やはり、まずは情報だ。


AIに、警察庁の資料、交通工学の論文、ITS(高度道路交通システム)関連の情報を集めるよう指示する。


入社三年目で培った情報収集スキルと、プロンプトエンジニアリングの経験がここでも活きた。

AIが無ければ、多くのキーワードでWEBサーチを何回も行わなければならなかっただろう。


ふと、言葉が口をついた。


「この仕事を選んだのは、悪くない選択だったな」


集めた情報は膨大だった。

しかも専門用語だらけで難解だ。

そこで僕は、AIに内容を分かりやすくサマライズさせた。

ざっとこんな内容だ。


・日本の信号機は警察が管理している。


・昔は決まった時間で機械的に切り替わっていたが、現在は交通量に応じて自動調整されるものが多い。


・交差点にはセンサーやカメラが設置されていて、車の台数や渋滞の状況を常に監視している。


・交通量が多い方向には青信号を長めに、少ない方向には短めにすることで、全体の流れを良くしている。


・一つの信号機だけでなく、周辺の複数の信号機をまとめて制御している場合もある。


・歩行者信号も調整されることはあるが、基本的には車の流れを優先して制御される。


・最近ではAIを使った次世代型の信号制御も研究されている。


要するに、信号機は思っていた以上に賢い。

そして思っていた以上に複雑だった。

ただ、一つだけ気になる記述があった。


『交通量や時間帯によって信号時間が変化することはあるが、その変化には必ず合理的な理由がある』


合理的な理由――


僕はあの信号機を思い浮かべた。

毎朝、僕の足を止めるあの信号機だ。

車はそれほど多くない。

歩行者の中には信号を無視して渡る者もいる。

それなのに、渡る人の数と車の数を見比べると、歩行者の待ち時間はどう考えても長すぎる。


合理的とは思えなかった。


もしかすると、時間だけで機械的に切り替わる古い信号機なのかもしれない。

だとしたら是正されるべきだ。

何故なら、僕は毎朝、無意味に時間を奪われ、精神的苦痛を強いられているのだから。


やはり現地調査だ。

エビデンスを揃え、事実を確認しなければならない。

そして必要なら、“彼ら”に突きつける。


僕は何だか興奮していた。

そして、効率的で具体的な現地調査の方法を考え始めていた。

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