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第41話 その目的を猫は明かす

衣装部屋。


静かな空間。


戦いの余韻が、


まだ少し残っている。


ラブは、


服を脱ぎ捨てる。


そのまま、


ベッドに倒れ込む。


「はー……」


沈み込む。


下着姿のまま、


大の字。


アリスがそれを見る。


「風邪ひいちゃうよ?」


ラブは目を閉じたまま答える。


「体温高いからだいじょーぶ」


アリスは少しだけ眉を寄せる。


「関係ないと思うけど……」


ラブは気にしない。


天井を見たまま、


ふと口を開く。


「ねー、猫ちゃん」


チェシャ猫が現れる。


ベッドの端。


にぃ、と笑う。


「なんだい?」


ラブは寝転んだまま、


視線だけ向ける。


「猫ちゃんの目的って、うさぎと同じなの?」


その瞬間。


白うさぎがびくっと跳ねる。


ベッドの下に隠れる。


「ひぃ……」


小さく震える。


チェシャ猫は気にしない。


あっさり答える。


「そうだよ」


アリスが反応する。


「え」


視線が猫に向く。


チェシャ猫は楽しそうに続ける。


「僕とそれはね」


白うさぎをちらりと見る。


「自分達の物語に帰るのが目的さ」


静かに言う。


アリスは言う。


「そうだったの?」


ラブが首を傾げる。


「知らなかったの?」


アリスは肩をすくめる。


「聞いても教えてくれなそうだったから……」


チェシャ猫がくすりと笑う。


「すぐ言っちゃったら面白くない」


一拍。


「でも」


「そろそろ言わないと」


「手伝ってくれなくなるかもしれないし」


軽い調子。


でも、


どこか打算が混ざる。


白うさぎが顔を出す。


おずおずと。


「うう……」


小さく呟く。


「いつになったら帰れるのやら……」


耳がしょんぼりと垂れる。


ラブはそれを見て、


くすっと笑う。


「大丈夫だよ」


「そのうち帰れるって」


根拠はない。


でも、


迷いもない。


白うさぎは少しだけ安心した顔をする。


アリスは黙っている。


少しだけ、


考えている。


「……ねえ」


静かに口を開く。


「私たちってさ」


一拍。


「そのためにいるの?」


チェシャ猫が答える。


間を置かずに。


「そうだよ」


あっさりと。


ラブが笑う。


「ひどいよねー」


軽い声。


でも、


責める気はない。


チェシャ猫は肩をすくめる。


「でも楽しいでしょ?」


ラブは即答する。


「うん!」


迷いなし。


アリスは少しだけ遅れて、


目を伏せる。


「……まあね」


小さく。


それでも、


否定はしない。


少しだけ、


間。


アリスの指が、


わずかに止まる。


でも、


何も言わない。


空気が静かになる。


そのとき。


ラブが体を起こす。


「ま、次いこっか」


明るく言う。


同時に、


扉が現れる。


何もない空間に。


アリスはそれを見る。


少しだけ間。


それから、


立ち上がる。


「……うん」


小さく頷く。


ラブが先に歩く。


白うさぎが慌ててついていく。


チェシャ猫が笑う。


アリスの肩に乗る。


「さあ、次の物語だ」


扉が開く。


光。


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