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第40話 その結末をラブは受け入れる

雪。


静かな夜。


白い世界。


その中に。


小さな影。


少女。


倒れている。


動かない。


指先は固まり、


頬は青く、


まぶたは閉じている。


表情は、


苦しいまま、


止まっていた。


寒さの中で、


そのまま。


息はない。


アリスは、


それを見ている。


ただ、


見ている。


何も言わない。


しばらくして、


小さく呟く。


「現実だから」


それだけ。


風が吹く。


雪が、


少女の身体に積もる。


少し離れた場所。


光が、滲む。


遅れて、


ラブが現れる。


白うさぎが震えている。


「さ、寒いですぅ……」


ラブは辺りを見渡す。


すぐに気づく。


少女。


その姿。


そのまま。


近づく。


しゃがむ。


少しだけ、


顔を覗き込む。


「……そっか」


小さく言う。


白うさぎが戸惑う。


「た、助けなくていいんですか……?」


ラブは首を傾げる。


「助けるって、なにを?」


白うさぎは言葉に詰まる。


ラブは少女の頬に触れる。


冷たい。


でも、


そのまま。


「寒かったね」


やさしく言う。


責めない。


否定しない。


ただ、


そこにあったものを受け取る。


白うさぎが小さく言う。


「でも……夢を見てたんじゃ……」


ラブは少しだけ考える。


「うん」


頷く。


「見てたと思うよ」


目を細める。


「暖かいのとか」


「美味しいのとか」


「会いたい人とか」


静かに並べる。


それから、


小さく笑う。


「いいじゃん」


白うさぎが驚く。


「えっ……?」


ラブは続ける。


「最後にそう思えたなら」


「それで満足だったかもしれないし」


「違うかもしれないけど」


一拍。


「でもさ」


少しだけ首を傾げる。


「どっちでも、この子だよ」


あっさり言う。


白うさぎは言葉を失う。


ラブは立ち上がる。


雪が舞う。


「ちゃんと寒かったし」


「ちゃんと辛かったし」


「ちゃんと、終わった」


それを、


そのまま言う。


少しだけ間。


「だから」


「それでいいんじゃない?」


笑う。


優しく。


でも、


どこか軽い。


そのとき。


ラブが顔を上げる。


アリスの方を見る。


気づく。


手を振る。


「お疲れ様ッ」


明るい声。


アリスは少しだけ目を細める。


「うん」


短く返す。


それだけ。


ラブは何も聞かない。


アリスも何も言わない。


間。


雪。


静かな空気。


やがて。


扉が現れる。


アリスが歩く。


ラブも続く。


並んで。


扉の前。


一瞬だけ、


少女の方を見る。


でも、


止まらない。


アリスが扉を開ける。


光。


二人はその中へ入る。


夜が閉じる。


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