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第31話 その拒絶をラブは肯定する

衣装部屋。


ラブはベッドに沈んでいる。


深く。


下着姿のまま、


目を閉じている。


静か。


白うさぎが慌てて駆けてくる。


「あ、あ、女王様!」


「新しい扉が出ましたよ!」


ラブはゆっくり目を開ける。


にこり、と笑う。


「さーて」


体を起こす。


「今回もハッピーにしなきゃねー!」


ベッドから飛び降りる。


扉へ向かう。


開く。


光。



城。


ラブの服が変わっている。


白と黒のメイド服。


「お、メイド服!」


くるり、と回る。


「かわいーじゃん」


白うさぎを見る。


「似合ってる?」


「も、もちろんです!」


ラブは嬉しそうに笑う。


「えへへ〜」


軽やかに歩き出す。


足取りは軽い。


そのとき。


声。


「嫌よ!」


女性の声。


「晩餐会になんて行かないわ!」


ラブは足を止める。


扉の前。


少しだけ首を傾げる。


「んー?」


そのまま、


何の躊躇もなく中へ入る。



部屋。


ベル。


立っている。


クローゼットが言う。


「旦那様も悪い方ではないのですよ」


ベルは首を振る。


「野蛮よ」


「すぐカッとなって怒鳴る」


「そんな人と食事なんて」


ラブが頷く。


「うんうん」


自然に。


「そうだよね」


ベルが振り向く。


「誰?」


ラブは笑う。


一歩、近づく。


「行きたくないんでしょ?」


ベルが少しだけ言葉に詰まる。


「……行きたくない」


視線を落とす。


「だって、あんな誘い方」


ラブは頷く。


「うんうん」


「怖いよね」


ベルの肩がわずかに揺れる。


「……違うわ」


少しだけ顔を上げる。


「怖いだけじゃない」


間。


「あの人には、何かある」


「それが、気になるの」


ラブは目を細める。


「そっかあ」


少し考える。


それから。


「じゃあさ」


軽く言う。


「行かなくてもいいし」


「行ってもいいよ」


ベルが戸惑う。


「……え?」


ラブは笑う。


「どっちでもいい」


あっさり。


「行きたくないなら、行かなくていいし」


「気になるなら、行けばいい」


少しだけ間。


「今、決めなくてもいいし」


ベルの目が揺れる。


ラブは続ける。


「怖いままでもいいし」


「迷っててもいいし」


柔らかく。


「そのままでいいよ」


沈黙。


ベルの呼吸がゆっくりになる。


「……そのまま」


小さく繰り返す。


ラブは頷く。


「うん」


「無理に好きにならなくていいし」


「無理に嫌いにならなくてもいい」


一歩、近づく。


「誰のためでもなくていい」


「あなたがどうしたいかだけでいい」


ベルの目が揺れる。


でも、


今度は崩れない。


「……やりたい、様に」


ゆっくりと、


息を吸う。



そして。



何かを決める。



振り返る。



扉へ向かう。



開ける。



出ていく。



迷いは、少ない。



白うさぎが慌てる。


「ど、どこへ!?」


ラブはくるりと振り返る。


「追いかけるよー」


楽しそうに笑う。


「今、決めた顔してたもん」


走り出す。


白うさぎが叫ぶ。


「ま、待ってくださいってえ!」


慌てて追いかける。


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