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第20話 その眠りをラブは肯定する

光。


ラブが出てくる。


足元に草。


空気が静か。


風もない。


「うーん」


ラブが伸びをする。


「静かでいい国!」


「気持ちいい〜」


くるりと回る。


スカートが揺れる。


「もーいいよ」


少しだけ腰をかがめる。


「出てきなよ」


「猫ちゃん、いないよ?」


もぞもぞと動く。


スカートの中。


白うさぎが顔を出す。


「……ほ、ほんと?」


きょろきょろする。


「よかった……」


小さく息を吐く。


「こわかった……」


ラブは笑う。


「かわいかったのに」


「怖いです!」


うさぎが震える。


「どれだけ騙されて……」


「虐められたか……」


ラブは気にしない。


「さ、行こっか」


くるりと背を向ける。


「この世界」


少しだけ間。


「肯定しにっ」


軽く跳ねる。


そのままスキップ。


白うさぎが慌てて追う。


「あぁ、待ってぇ〜!」


城。


大きな門。


開いたまま。


中に入る。


静か。


人がいる。


動かない。


兵士。


床に。


壁にもたれて。


そのまま、眠っている。


ラブがしゃがみ込む。


顔を覗く。


「わぁ」


「ほんとに寝てる」


少しだけ間。


「いいなぁ」


楽しそうに言う。


白うさぎが小さく頷く。


「魔女の呪いで……」


「この国、全部……」


ラブはそのまま立ち上がる。


止まらない。


「いいね」


軽く言う。


「不眠症の人もいたかもだし」


「お仕事も休めるし」


くるっと振り返る。


「みんな一回リセットって感じ?」


にこっと笑う。


「ラッキーじゃん」


白うさぎが戸惑う。


「そ、そんな……」


言葉に詰まる。


ラブはもう見ていない。


進んでいる。


塔。


高い部屋。


扉を開ける。


中。


一人。


ベッド。


少女が眠っている。


静かに。


呼吸だけ。


ラブが近づく。


覗き込む。


「いた」


小さく言う。


「主人公さん」


白うさぎが続く。


「オーロラ姫です……」


「でも、眠っていては……」


ラブは考える。


少しだけ。


それから。


頬をつつく。


つんつん。


「起きないね」


「……当たり前です」


ラブは手を引く。


「そっか」


一拍。


「じゃあ」


顔を上げる。


「本人に聞こっか」


白うさぎが固まる。


「……え?」


「呪いかけた人」


ラブは軽く言う。


「どこにいる?」


白うさぎが慌てる。


「き、禁断の山に……!」


「危険で……!」


ラブは笑う。


「おっけー!」


振り向く。


「じゃあ行こ!」


そのまま歩き出す。


白うさぎが追う。


「えええ!?」


「待ってくださいぃ!」


ラブは止まらない。


軽い足取り。


「呪いでも」


少しだけ間。


「願いでも」


振り返る。


にこっと笑う。


「ぜーんぶ」


一歩。


「肯定しないとねっ」


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