帰り道
マンゴーの木の下で目を覚ましたとき、一瞬、自分がどこにいるのかわからなかった。頬は、落ち葉のふとんに押しつけられていて、夕方の冷たさで湿っていた。空気には、押しつぶされた草と熟れていく果物のにおいがしていた。目の前の暗闇に向かって瞬きしたけれど、何も答えてはくれなかった。ゆっくり頭を上へ傾けると、そこにあったのは、完全に真っ黒な空だった。かすかな星が、まばらに散らばっているだけだった。あくびが、こらえる間もなく、あごを引っ張った。
「もう夜なんだ……」と、まだ眠気の残る声でつぶやいた。
もう一呼吸そのまま横になっていた。それから、その事実がすべて一気に襲いかかってきた。息をのんで、勢いよく体を起こすと、おなかの上に積もっていた葉っぱが、驚いた蛾みたいに闇の中へ散らばっていった。
「どうしよう!メイさん、ジアにすっごく怒るよ……」
慌てて立ち上がって、近くに置いてあった素焼きのかごをつかんだ。縁は手のひらにまだひんやりしていて、中の野菜や果物が、やわらかく土っぽい音を立てて揺れた。花畑への道、メイさんが待っている方へ向き直った。今ごろは、心配で顔じゅうしわが寄っているはずだった。
でも、数歩も歩かないうちに、足が止まった。招かれてもいないのに、記憶がよみがえってきた。夜になると、昼間よりずっとたくさんの怪物が森をうろついているということ。その考えだけで、体全体が震えた。ひざから始まった震えが、肩まで這い上がっていった。
「ああ!今、絶対いっぱい怪物がいるはず。でも、ジア、怖い……でも、ジアが帰らなかったら、朝まで待たせることになって、メイさん、もっと怒るよね」
畑のはしに立ち止まって、かごを土の上に置いた。素焼きが、石にやわらかくぶつかる音がした。そこに立ったまま考え込んで、その選択を何度も何度も頭の中でひっくり返した。どうすればいいのか、決められなかった。
「でも、外で寝るのなんて、全然気持ちよくない。ジア、やわらかい草がいっぱいのテントで寝たい……それに、そういえば、のども渇いてる」
そのとき、しゃっくりが出た。急で鋭くて、気づく前にもう出てしまっていた。
「ヒック……しゃっくり」
じっと止まって、それが治まるのを待った。
治まらなかった。すぐにもう一回続いた。
「ヒック!ヒック!」
手を口に当てて、次のを抑えようとしたけれど、指の間からすり抜けてしまった。
「ヒック!」
顔がくしゃくしゃになるくらい、いらいらした。結局、しゃっくりが出るままにするしかなかった。それでも、暗闇の中に立ったまま、まともに考えるのがほとんど不可能なくらいだった。
「ヒック……ヒック……」
だんだん頻繁になって、うっとうしくなっていって、考えがばらばらになって、どの決断もじっと落ち着いてくれなかった。ようやく、他のことを決めるのはあきらめて、帰ることにした。せめて何か飲んで、このしゃっくりを止めるためだけにでも。
もう一度かごを持ち上げて、木々の並ぶ方へまた足を踏み入れた。花畑にたどり着くために、そしてメイさんのところへ、そして願わくは、このみじめさに終止符を打ってくれる一杯の水にたどり着くために、越えなければならない森だった。かごの縄の持ち手が、一歩ごとに手のひらに食い込んだ。左手の方のどこかで、虫が絶え間なくきしむような鳴き声を上げ始めて、少ししてまた別の一匹が加わり、そのまた別の一匹が加わって、やがて闇全体がその音で震えているみたいになった。ゆっくり進みながら、まわりの影が動いた気がするたびに、時々立ち止まって幹の陰に身を隠した。
月の光が、枝の間から不揃いな薄いまだら模様になって差し込んでいた。それが地面に触れるたびに、つま先立ちになって、できるだけ軽く歩いた。それでも、つま先立ちの静けさをどんなに必死に保とうとしても、しゃっくりは時々こぼれ出てしまった。冷たく湿った夜露が、足首をかすめる草にくっついていて、服のほつれた裾を通してしみ込んできた。どこかで夜の鳥が低くうつろな声で鳴いて、その音だと気づく前に、肩がびくっと跳ねた。雲が月をまた飲み込むと、すぐにその場で固まって、一番近い木の陰にしゃがみ込んだ。つま先立ちで進むよりも、そうやってしゃがんで静まり返っている方が、しゃっくりを抑えやすいことに気づいた。
影の中にとどまりながら、怪物だけでなく、時々彼らを深い森の奥まで追う狩人たちも避けるように気をつけた。蚊が耳のそばで細い羽音を立てて、それを叩き潰したい衝動を抑えた。自分の手が肌を叩く音が、遠くまで届いてしまうんじゃないかと怖かったから。時々、足元を見下ろして、つま先立ちでバランスを取っているあいだに、乾いた葉っぱや草のかたまりを踏んで音を立てて見つかってしまうんじゃないかと、ひやひやした。一度は、節くれだった手みたいに土から曲がって突き出た根っこにつまずきそうになって、心臓が肋骨に打ちつけるくらい激しく鳴りながら、幹につかまって体を支えた。
それでも、ほんの数日前から目に宿ったあの不思議な力のおかげで、道を渡るのが思っていたよりずっと楽になった。おかげで、もっと自信を持って道を選ぶことができた。時々、幹の間で怪物がかすかに動く気配を見た道を、うまく避けながら。月明かりが差し込むたびに、ずっと先まで見通せた。木々の絡み合いの奥深くまで、近づいてくるずっと前から、どんな影も、どんな暗い輪郭も見分けられた。
その夜は運が良かった。あの野菜畑を出てから、一匹の怪物にも出会っていなかった。
「ふう……ヒック!」
思わず立ち止まって、唇をぎゅっと結んだ。
「もっと怪物がいると思ってた」
前方の道を、注意深く見つめた。体全体が張りつめて、耳を澄ませていた。
「あそこに着くまでに、一匹にも出会いませんように。でも、油断はできない……」
また歩き出した。
「ヒック……」
鼻にしわが寄った。
「このしゃっくりも、全然止まってくれない……」
長いため息がこぼれた。
「もし、このしゃっくりが結局……」
「ヒック!」
手が慌てて口へ飛んでいった。
「……ジアを、怪物のところまで導いちゃったら」
道が、ついに分かれ道になるまで進み続けた。右側には、太くて古い、巨大な木々の群れが立っていた。夜になると怪物たちが集まると言われている場所だった。近くの幹の一つの陰にすべり込んで、影の中に低くしゃがみ込んだ。月の淡い緑色の光が、重い雲の帯の向こうに消えてしまっていたから。同じあの光が、少し前、あの畑の上に現れて、また消えていったのを覚えていた。あれが、初めてそれを見たときだった。
でも、今度は、月はどうしても戻ってきてくれなかった。
やがて、しゃがんだまま落ち着いて、そばの土の上で、落ちた小さな枝を引きずりながら時間をつぶした。地面は冷たくて少し湿っていて、近くのどこかで、甲虫が落ち葉の上をカサッと横切っていく音がした。その静けさの中では、その小さな音がなんだか大きく聞こえた。そばでは、素焼きのかごが、わたしが作業しているあいだ、静かに辛抱強く待っていた。
待つのに飽きて、土の上にメイさんの顔を描き始めた。丸い熊の耳もちゃんと描いた。
「ふうん……人間の方の耳は、髪の毛の下に隠れてるから、描かなくていいか……」
「ヒック」
一瞬止まってから、また絵の続きを描いた。
「メイさんの髪、短くてぼさぼさなんだよね。逃げているときに、引っ張られたか切られたかしたのかも。ジアの服とおんなじ。ボロボロで、擦り傷だらけ。でも、ジア、メイさんを見つけられて、運がよかったな」
空はずっと頑固に暗いままだった。それでも、絵を描き続けた。
「ヒック……」
もう一度空を見上げて、光の気配を探した。
「今夜は、お月さまがなかなか出てきてくれない」
視線が、また描いたメイさんの絵の方へ戻った。
「うーん、もう、あんまり似てないかも……」
首をかしげて、曲がった線をじっと見つめた。
「まあ、ジア、絵はあんまり得意じゃないもんね。お姉ちゃんと同じで」




