畑での一日
ついに着いた。
野菜や果物が育つ畑にたどり着いた瞬間、足が止まった。見慣れた畝が、午後の日差しの下で目の前に広がっていた。前かがみになって、両手をひざにあてて、まだ乱れて不規則な呼吸を落ち着かせようとした。
「はあ……はあ……」
肩越しに後ろを確認すると、そこにはもう何もいなかった。長い安堵のため息が、思わずこぼれ出て、小さな笑みが顔に広がった。
「すごく怖かった……」
もう一度体をまっすぐに伸ばして立った。胸は、まだいつもより速く上下していた。
「でも、ジア、一人でここまで来られた!」
両方の小さなこぶしを、わきでぎゅっと握りしめた。
「これからは、ジアもメイさんみたいに、すごい人になるんだから!」
こんなふうに、完全に一人で出かけたのは、これが初めてだった。前はいつも、パパとギアと一緒だった。ママがわたしたち三人を置いていく前は。
何でも誰かがやってくれるのにも、すっかり慣れていた。ギアとジアが何かしたいと思うたびに、いつもパパの使用人の誰かがそばにいて、手伝ってくれていた。
でも、あの日、すべてが変わってしまった。
特に、人が目の前で怪物に変わるのを見てから。
そのことを思い出しただけで、また新しい震えが背筋を這い上がってきた。
すぐに首を横に振って、その映像を追い払おうとした。それから、メイさんのリストに従って集めなきゃいけない野菜や果物を探して、畑の中を見回し始めた。
メイさんのメモを少しずつ読みながら、それに合う植物のところへ歩いていって、一つ一つ必要なものを摘んでいった。畝を順番にたどりながら。
「最初は、何だったっけ……?」
もう一度リストを確認して、一つ一つの項目を丁寧に読んでから、また歩き出した。一番上に書かれていた、緑のにんじんから始めた。
今、その不思議で変わった形の緑のにんじんのそばに立っていた。低くて葉っぱの茂った茎から、ぶら下がったオレンジの房みたいに、丸まって垂れ下がっていた。
「この変なにんじん……メイさん、八個ほしいって言ってた」
視線が、メモとにんじんそのものと、腕にかけたかごの間を、行ったり来たりした。
数を忘れないように、丁寧に一本ずつ数えながら摘んで、まずかごの外側にそっと並べていった。
「これは簡単……ジアとギアは、ママとパパから数の数え方をもう習ったもん」
一本ずつ手に取って、声に出して数えていった。
「いち……に……さん……えっと……し……」
手が、途中で止まった。
「あ、忘れるところだった……えっと、次は……」
目を閉じて、前に教わったことを一生懸命思い出そうとした。唇が静かに動いて、数字が少しずつ戻ってきた。
「あ、そうだ!」
また目を開けた。
「ご……それから、ろく、しち……」
最後の一本に手を伸ばして、丁寧に摘み取った。
「そして最後に、はち!」
メイさんのメモに書かれた数字を見下ろして、自分が集めたものと見比べた。
「丸いのが二つ重なった形みたい」
満足そうな笑みが顔に広がった。
「ぴったり!」
数えたにんじんを、一本ずつかごの中に入れていった。入れるたびに、自分に向かって小さくうなずきながら。
わたしは、パパとママがいつも言ってくれていたとおり、賢い子だった。メイさんも、まったく同じことを言ってくれた。
そのあと、畑の中を歩き回りながら、小さく鼻歌を歌い続けた。リストと合う植物を見つけるたびに、それを摘んで、さっきと同じ数え方を使った。その小さな儀式は、あまり考えなくてもできるくらい、心地よいリズムに落ち着いていった。
この数え方は、覚えやすかった。
ジアはまだ、ギアほど賢くはなかった。全然。だから、まだまだ学ぶことがたくさんあった。
しばらくして、ようやく紙に書かれていたもの全部を集め終えた。野菜や果物でいっぱいになったかごを見下ろして、小さな満足のため息をついた。
「これで終わり……」
でも、視線は、ほとんど勝手に、昨日メイさんと一緒に見つけたあのマンゴーの木の方へ流れていった。枝いっぱいに茂る葉っぱを、じっと見つめた。
あの葉っぱ……
また食べたい。
木に近づいていって、その幹の陰に、かごを丁寧に置いてから、前と同じように登り始めた。あの日より前は、木に登れたことなんて一度もなかった。でも、なぜか、あの最初のマンゴーの木への挑戦以来、体はどうすればいいのかちゃんとわかっているみたいだった。あまり考えなくても、素早く簡単に登れた。自分でもうまく説明できなかった。
高い枝までたどり着くと、近くに茂っている葉っぱを集め始めた。小さな枝を何本か揺すって、もっとたくさんの葉っぱを落とした。マンゴーの実も何個か、一緒にぽとぽとと地面に落ちた。
集めたものに満足して、ゆっくり木を下りていった。葉っぱを胸に押し当てながら。地面に着くと、それを下に置いて、幹のそばに散らばった落ちたマンゴーと一緒にまとめた。
マンゴーの何個かは、そのままかごの中に入れた。
「これ、あとでメイさんにあげよう」
その考えだけで、笑みがこぼれた。
「メイさん、きっと喜ぶよね、ふふ……」
集めた葉っぱの山に目を向けて、思わずにやけてしまった。
「こんなにたくさんあれば……ジア、おなかいっぱいになるまで食べられる」
小さな笑い声が漏れた。
「まあ、全部はジアのおなかに入らないかもしれないけど、あはは……」
葉っぱを一枚手に取って、嬉しそうにひっくり返してみた。
「マンゴーもいくつか食べよう。どうせ落ちちゃったんだし、大丈夫だよね」
葉っぱを鼻に近づけて、大きく息を吸い込んだ。
その香りだけで、思わず笑みがこぼれた。
「ああ……いいにおい……」
夢中でかじりついた。
「ジア、この木の葉っぱ、本当に大好き」
一枚食べ終えて、顔いっぱいに笑みが広がった。
「甘い~」
もう一枚に手を伸ばすと、かじるたびに、香りが鼻先をかすかにくすぐった。
「おいしい……」
嬉しそうに噛みながら、笑みが止まらなかった。
なぜか、どれだけ食べても、この葉っぱに飽きることがなかった。
むしろ、もっと欲しくなるだけだった。
いくつかの葉っぱを一度に集めて、両手にまとめて持った。
「へへ……これだけあれば、ジアのおなか、絶対いっぱいになる」
そのあと、マンゴーの木の下に横になって、肩を、ざらざら曲がった幹に預けた。おなかの上に、たくさんの葉っぱを積み重ねながら、そのまま落ち着いた。野菜と果物でいっぱいのかごは、すぐそばの草の上に置かれていた。
食べながら横になっているうちに、まぶたがどんどん重くなっていった。頭上の葉の間から、あたたかい日差しがやさしく差し込んでいた。
それでも、笑みは消えなかった。一口ごとに、小さくつぶやきながら。
「うーん、この葉っぱ……本当においしい……」
もう一枚だけ手を伸ばそうとしたとき、眠気が戻ってきているのに、ほとんど気づかないまま、それはもうわたしを完全に引き込んでいた。眠りが、ついにわたしをさらっていった。半分食べかけの葉っぱが、まわりに散らばっていた。食べきれなかったいくつかの葉っぱと、マンゴーが一個だけ、おなかの上に残っていた。残りのマンゴーはもう、少し前に葉っぱと一緒に食べられて、消えていた。




