新しい冒険
昨日と同じように、メイさんがテントのそばの小さな火でご飯を作っているあいだ、わたしは広い花畑の中で遊んだり歩き回ったりしながら、メイさんが今日の食事を作り終えるのを、辛抱強く待っていた。
この花畑は、一日中遊んでも遊びきれないくらい広かった。列をなす花々が、どこまでも続いていて、風が通り過ぎるたびにやさしく揺れていた。
それでも、あちこちに広がる花ばかりを何時間もずっと眺めていると、時々つまらなくなることがあった。何時間も見ていると、同じ色や形が、だんだん溶け合っていくみたいに感じられた。
だからこそ、わたしは今日も昨日も、メイさんに川へ連れていってほしいとお願いしていた。いつもの花畑以外に、何か新しいものを見たかったから。
草の中に半分埋まったカエルと一緒に跳ねてみたり、あちこち予測できない動きで飛ぶトンボを追いかけたり、テントの入り口の近くで、食べ残しを運ぶ長い蟻の行列をしゃがんでじっと観察したりした。
その朝早く、テントの向こうに立つ一本の木のところまで来たとき、いつもよりずっと遠くまで見えることに気づいた。その枝からの眺めは、今まで見たどんな景色よりもはっきりしていた。
遠くに、何かが目に留まった。
それは、今まで見たどんなものにも当てはまらない、見慣れない形をしていた。
わたしは太陽から目を守るために手をかざして、それがもっとはっきり見えるように、目を細めた。
「あれ、なんだろう……」
わたしは、花畑の向こう側、自分の立っている場所とは反対の端から、その形をじっと見つめた。心臓が、好奇心で少し速く鳴っていた。
その向こうには、間隔を大きく空けて立つ、巨大な木々だけが生えていた。幹は太くて、遠くから見てもとても古そうだった。
その木々は、わたしたちの花畑を囲む木々とはまったく違って見えた。それに、あの恐ろしい夜の前、必死に森を逃げていたときに見たどんなものとも似ていなかった。
その生き物の色までは、はっきりつかめなかった。急に視力が鋭くなった気がしたのに、それでも距離が遠すぎて、目がうまく処理できていないのかもしれなかった。
何度も目をこすって、その不思議な姿がもっとはっきり見えるようになればいいと思った。
でも、ジアは今まで、こんなに遠くまで見えたことなんてなかった。それなのに、急に、色まで難なく見分けられるようになっている。もしかしたら、さっき森の中で見たあれについて、おばさんに聞いてみたほうがいいかもしれない……あれは、いったい何だったんだろう……
わたしの好奇心は、後ろからメイさんが名前を呼ぶ声で、急に途切れた。その声は、テントの方角からはっきり届いた。
メイさんの呼び声を聞いた瞬間、わたしはすぐに振り向いた。あの遠くの形についての考えは、一瞬で散らばっていった。
木でできたテントの前に座っているメイさんの姿が見えた。右手と左手に、器を一つずつ丁寧に持っていた。
わたしは森とそこにいた何かを見るのをやめて、メイさんのところへ歩いていった。好奇心は、空腹に取って代わられていた。
わたしはメイさんの隣に座って、食べ始めた。今日は、なんだかいつもと違う感じがした。器から立ちのぼる香りが、あたたかかった。
わたしたちの食事は、毎日少しずつ違っていて、まったく同じ組み合わせが二回続くことはなかった。
でも今日のスープには、とうもろこしの粒と魚が一緒に入っていた。どちらの塊も、スープの中でゆらゆら揺れていた。
味には、はっきりとした甘さがあった。でも、それは普通のとうもろこしが持つ、ふつうの甘さとは違っていた。
気になって、その珍しい味の理由を探ろうと、器の中をのぞき込んだ。
「あ、とうもろこしと魚だ。魚はきっと、おばさんが川で獲ってきたんだよね。でも、この甘さは何だろう?」
小さくつぶやいたあと、食べ続けながらメイさんの方をちらっと見た。
メイさんも、興味深そうな表情でこちらを見つめ返してきた。
「ジア、どうしたの?味、おかしい?」
わたしは首を横に振って、代わりに質問した。
「なんで、この甘さって普通のとうもろこしと違うの、メイさん?」
メイさんは、答える前に少し間をおいた。言葉を選んでいるようだった。
「ああ、その通りよ。メイさんは……を使ったの」
そのあと、メイさんはよくわからない説明を始めた。言葉が、わたしが理解できるより速く、次々と通り過ぎていった。
わたしはただ、食べながらメイさんの顔を見つめていた。話の内容は、あまりちゃんと理解できていなかった。説明の中身より、スープのあたたかさの方に気を取られていた。
食べ終わって水も飲み終えると、わたしは皿をメイさんに返して、テントのそばを飛ぶ蝶々と遊ぶために席を立った。
しばらくして、蝶々を追いかけて花畑を駆け回っているあいだ、メイさんがまたあの不思議なひょうたん形のバケツを持っているのに気づいた。
わたしは蝶々を追いかけるのをやめて、代わりにメイさんの方へ走った。好奇心が、遊びから気持ちを引き離した。
「メイさん、今度はどこに行くの?」
メイさんは小さく笑った。
「ふふ、今回はジア、ここで待っていてね。メイさんを待ってて」
わたしはまたすぐにむくれてしまった。下唇を突き出した。
「やだ、ジアもまたメイさんと一緒に行きたい。今朝、川に行ったとき、メイさんもジアがちゃんとできてたの見たでしょう?」
メイさんは首を横に振って、また辛抱強そうに長いため息をついた。
「わかった、わかったわ。今回はジアも一緒に来ていいわよ」
メイさんは体を屈めて、目の高さを近づけた。それから、あたたかい笑みを浮かべながら、わたしの頭を撫でた。
「でも、メイさんはまた、ジアに約束してほしいことがあるの。いいかしら?」
わたしはすぐに声を上げて、一歩後ろに下がりながら、両手を上げて抗議した。
「え?また?ジア、今朝、川でもう十分証明したじゃない?」
メイさんは、はっきりと首を横に振った。
「そういう意味じゃないのよ、ジア」
それから、メイさんは咳払いをしてから、続けて話した。
「えほん……メイさんが言いたいのはね、今回、ジアが植物に一切触らなければ、次のメイさんの冒険にも、ジアを連れていってあげるってことよ」
わたしはうれしくなって前のめりになった。目が輝いて、思わずつま先立ちになった。
「本当に?メイさん、ジアを花畑の外に連れていってくれるって約束してくれるの?」
メイさんはゆっくりうなずいて、笑みをさらに広げた。
「ええ。でも、ジアもメイさんとの約束、ちゃんと守らなきゃだめよ。わかった?」
わたしは嬉しくて飛び跳ねて、興奮のあまり、その場で小さくくるっと回った。髪が、肩のまわりでふわりと舞った。
「やったー、やったー!これでもう、この花畑でつまらないって思わなくてすむね」
メイさんはただ微笑んで、わたしの小さなお祝いを、静かにほほえましく見つめていた。目じりに、あたたかいしわが寄っていた。




