幕間
長い。
長すぎる旅をしてきた。
いつからか、君を見つけても、笑えなくなっていた。
いつからか、君が死んでも、涙がでなくなっていた。
当たり前になる事が、こんなにも虚しいとは、思わなかった。
何度も、何度も、君の死を見た。
赤く染まる君。
水の中で踠く君。
落ちてひしゃげた君。
何者だったか、分からない君。
まだまだ、沢山見てきた。
何度も、何度も、君を傷付けた。
罵倒する君。
蔑む君。
妬む君。
恨む君。
同じ言葉を、沢山聞いた
もう、見たくない。
もう、知りたくない。
もう、会いたくない。
なのに、君は俺の前に現れた。
上手く、笑顔が作れただろうか。
上手く、話ができているだろうか。
約束を口にすれば、君も涙を流した。
同じだ。
また、同じだ。
そう…思っていた。
なのに――。
君は、俺のために泣いた。
君は、俺のために怒った。
君は、「俺」を見てくれている。
俺は、こんな残酷な世界は要らないと、願ってしまった。
俺は、君の隣を歩きたいと、願ってしまった。
その時から、俺の時間は動き出した。
傷の付く身体。
疲れる身体。
――温もりを、感じる身体。
君が願えば願うほど、時は歩みを早めていく。
もっと、君の隣を歩きたい。
もっと、君と同じ景色を見たい。
もっと、君と――。
生きていたかった。
金の円環は容赦なく時を刻む。
サラ……。
ありがとう。




