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香とディアス

「ところで香ちゃん、一応、刀を見せてくれるかい?」


 私は二本の刀をドラズさんに渡します。

 ドラズさんは真剣に見て、


「あれ以来、強敵とは戦っていないようだね。これならあたしが手入れをする必要は無さそうだ」


 ドラズさんはそう言って、イワジュクとミノワを返します。


「平和過ぎて腕が鈍っちゃいそうです」


「それなら、ディアスの稽古相手になってくれるかい? あたしと稽古するより、同世代の方が成長が早いからね」


 ディアス君も頭を下げました。


「こちらの方こそお願いしますね」


 私は久しぶりに全力で刀を振りました。

 ディアス君は相変わらず強いです。


「ちょっと休憩させてください」


 三十分くらい稽古をして、ディアス君が言いました。


「そうですね、休みましょうか」


「香さんは初めて会った時とは比べ物にならない位、強くなりましたね」


「それは多分、仲間がいたからです。仲間に守ってもらって、守って、そうやって私は成長しました」


「後はやっぱり恋をしたからじゃないですか」


「!?」


 ディアス君があまりに直線的な言葉を使ったので驚きました。


「香さん、雰囲気が変わりましたね。ハヤテさんと何かありましたか?」


 変わった?

 私自身にそんな自覚はありませんでしたけど……


「えっと、はい、私の思いを直接、伝えました。それに初めて……しました」


 なぜか、「接吻をした」と言うのが恥ずかしくなり、言葉をはぐらかしてしまいました。

 それでも私が言いたかったことは伝わったらしく、ディアス君は両手で口を覆って赤面します。

 普段の凛々しい表情とは違って、とても女の子らしい顔です。


 …………その顔、ハヤテには見せて欲しくないですね。

 武道のライバルならいいですけど、恋のライバルはこれ以上増えて欲しくないです。


 いえ、何となくですけど二人ぐらいライバルが増えている気がします。

 それにナターシャが本気にあったら、ハヤテが押し負けるかもしれないです。


「やっぱりしたんですね! そんな気がしていました! ど、どうでしたか?」


 思いの外、ディアス君が食いつきました。


「ちょ、ちょっと、待ってください! そんなの言うの恥ずかしいです」


「いいじゃないですか! 僕、まだそういう経験が無くて、いざっていう時に慌てたくないんです! 人生の先輩になった香さんに色々と聞きたいんですよ!」


 今までこういう話をしたことがありませんでしたけど、こういう姿を見るとディアス君も年頃の女の子ですね。

 それに人生の先輩って言われると結構、気分が良いです。


「わ、分かりました。ですから、落ち着いてください」


「どっちからだったんですか!?」


 ディアス君は相変わらず、テンションが高いです。


「えっと、私からです。実はその前にハヤテはアイラとやっていて…………」


 それを聞いたディアス君はさらに詰め寄ります。


「えっ!? ハヤテさんはアイラさんともやったんですか!?」


 ディアス君、大興奮です。


「ア、アイラには黙っていてくださいね。アイラはああ見えて結構、恥ずかしがり屋みたいなんで私がバラしたって知ったら、怒りそうなんです」


「大丈夫です。言いませんよ。でも、意外でした。ハヤテさんはリザちゃんを立てて、香さんたちには手を出さないと思いました」


 手を出すって…………


「あっ、でも……」


と言ったところで言葉を止めました。

 これは予想ですから、好き勝手に言うわけにはいきません。

 でも、ディアス君は私が言いかけたのを見逃しませんでした。


「でも、何ですか? 教えてくださいよ!」


「わ、分かりました。えっと、私たちがレイドアを旅立つ前の晩、ハヤテがリザちゃんと二人っきりになっていたんです。それでしばらくして帰ってきたら、リザちゃん、凄い満足そうな表情をしていました。


「みんな、大人になったんですね。それでどうでしたか!?」


 本当にぐいぐい来ますね……


「正直、緊張で良く分からなかったです。体が熱くて、気持ちがフワフワして……」


 言っている内にあの時のことを思い出して、顔が熱くなってきました。


「でも初めてって痛いんですよね?」


 ……んっ?


「血は出ましたか?」


 ……んんっ!?

 あれ、なんだが会話にズレがある気がします。


「ディアス君、あんた、私とハヤテが何をしたと思っていますか?」


 私の問いにディアス君は言いづらそうに小声で、


「えっ、そんなの性的な交接に決まっているじゃないですか」


 性的な交接、随分と回りくどい言い方をしていますが、簡単な話、ディアス君はハヤテと私が性行為に及んだと思っているんですね。

 接吻という言葉を濁した私の落ち度ですけど、ディアス君って結構、えっちなことが好きなんでしょうか……?


「ディアス君、肝心なことを明言しなかった私が悪かったですけど、ハヤテとしたのは接吻、その……キスまでです」


「今更、隠さないでください。教えてください! リザちゃんとアイラさんは確かにキスくらいで止まっちゃうかもしれないですけど、ハヤテさんが香さんを見てキスで止まれるわけありません!」


「な、なんで私だけ!?」


「あの二人は見た目が子供っぽいし、胸なんて金床みたいですけど」


 ディアス君、テンションが上がって思ったことをそのまま言っていますね。

 リザちゃんとアイラが聞いたら、怒り狂いますよ。


「香さんには立派なものがついているじゃないですか!」


 ディアス君は私の胸を鷲掴みにしました。


 ……って、ちょっと!


「何するんですか! 放してください!」


「香さんって普段、ジンブの着物を着ているので気付きづらいですけど、かなり胸が大きいですよね!? ほら、ハヤテさんがうっかり香さんとリザちゃんを裸にした時、凄い揺れてましたよ! こんな魅力的な香さんをハヤテさんが放っておく置くわけありません。二人は一本の刀になったんですよね!」


「一本の刀? 意味が分かりません」


「ハヤテさんの刀を、香さんの鞘に……」


「もう分りましたから、言わなくていいです!」


 直線的な言い方を避けて、変なことになっていますよ!?


「というか、いい加減、胸を鷲掴みにしないでください!」


「いいじゃないですか! 師匠の体ってどこも岩みたいに固くて、気持ち良くないんです!」


 ディアス君って長く話しているとこんな感じなんですね。

 ハヤテはディアス君のことを真面目で常識のある子だと思っていたみたいですけど、今度会ったら、本性を教えてあげましょう。

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