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商人貴族~僻地で始める国家改革~  作者: ふぃん
第3章 領地改革
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領内視察 <ミカンダ地方簡易地図イラストあり>

挿絵(By みてみん)



アークが帰ってきてしばらくした後、イアンナとテュールも屋敷に戻ってきた。この地方を一通り確認してきたのだろう。この二人にも新しく都の邸宅から派遣されてきた部下が何名か後ろについていた。


「あら、アークおかえりなさい。」

「姉さんたちもお疲れ様。どうだった?この地方は」


アークの質問にイアンナはドカッとソファーに座る。広いこの地方を視察していたこともあって、かなり疲れがたまっているようだった。


「町がここを入れて3つしかないわ。町というか村というか、、」

「予想以上に人がいなかったな。」


軍人上がりのテュールは座らずに直立したままであるが、こちらも疲労がたまっているようだった。これは肉体的な疲労だけでなく、自分たちの領地の現状を目の当たりにしたことによる精神的な疲労にも見えた。


「アークの方はどうだ?」

「うん。商人たちやシービ教団とも連絡を取ることができた。それに、何人か優秀な人材も集めることができたよ。」


そしてアークはユリアとタドント夫妻を二人に紹介する。教団のユナももうすぐ合流してくる予定だが名前だけ出しておいた。


ユリアとタドント夫妻が退出するのと入れ違いにミネルヴァとメイドたちが昼食を運んできた。イアンナとテュールが帰ってくるのを待っていたため、昼はとっくに過ぎていたものの遅い昼食になる。

久しぶりの4兄弟の昼食だ。アークの旅の話や旧ウォーデン領の状況、商業ギルドの話などで話に花が咲く。


やはり、旧ウォーデン領の人間たちが慕ってついて来てくれるということにかなり喜んでいた。特に商人はこんな地方ではあまりうまみがないにもかかわらず、何名か来てくれることになっている。


「さてアーク、これからどうするんだ?」


食事も済んだところでテュールが確認する。


「ひとまず領主としてこの地方を見て回るつもり。それから政策を決めていくことにしよう。」


新しい領主としてこの地方に来てから数か月になるにもかかわらず、ほとんどこの地方にはいることができなかった。一度、この目でこの地方の現状をじっくりと見る必要がある。



翌週。


「、、、アーク様。お待たせしました。」


教団のユナがミカンダ地方に到着した。


他の団員たちは王国中に散らばって以前と同じように情報を収集してくれるらしい。ユナを特に気に入っていたイアンナが久しぶりに会ったユナを抱きしめようとするが、ユナはアークの後ろに隠れてしまった。


昔からなぜかアークだけに懐いていたのでイアンナも苦笑いしながら諦める。ちなみに、ユナはウォーデン家どころか教団の人々に対しても人見知りを発揮する。そのため、ユナがアークの側近として教団が任命したのは当然の成り行きだった。


こうしてウォーデン家の情報網が復活したのを確認してアークは地方の視察に出発することになった。


イアンナは視察から帰ってきたばかりであるが、開拓官としてもう一度視察に同行してもらう。他には護衛のユリア、連絡係のユナ、そしてタドント夫妻(イアンナと同じ開拓官の役職を与えた)だ。


兄テュールと妹ミネルヴァはこれから旧ウォーデン領からやってくる移住希望者に対応してもらうために留守を任せることになった。


出発の直前。馬に乗ろうとするアークにテュールが小さな声で言う。


「前の領主にどんな仕打ちをされたのかわからないが、ここの人間は決して友好的ではないぞ。気を付けろよ」

「わかった」


アークは答えながら、同行メンバーをちらっと見る。

いざという時の戦力がユリアとユナだけというのはやはり危ないか。いやいや、あまり兵士を多くすると逆に変な誤解を与えてしまうかもしれない。どうか無事に視察が終わりますように。


「それじゃあ出発だ!」


兄と妹に見送られながら、アークはこれから見る自分の領地へ期待と不安を胸に出発の合図をした。


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