同格
ブンッ
おじさんの速くて重い、経験が積み重なっている太刀は重く僕の剣は弾き飛ばされた
おじさんは息をつくひまもなく、剣を振り上げ、こちらへと振り下ろしてきた
ヤバい……これはかわせない!剣がないと……やばい。その一瞬、僕の頭はかつてないほど冴えていた
そもそも、この太刀をかわせたところで武器を持たない僕は、次の太刀で結局のところ攻撃を食らうことになる……あんな重い太刀受けたら、気持ちとか以前に気絶する。
なら賭ける!
太刀をかわすと、剣が地面につくより早く剣に対して横から突きを加えた
バリンッ
剣は砕け散り、ボロボロという音が響き渡った
試験で使われる剣は、だいたいが量産型の安物。試験用の切ることを想定していないものだからただ硬いだけだ。
岩に対して何度も突きをして鍛えた拳には自信があった
おじさんは、崩れ去った剣の柄をみながらあっけにとられていた。
ありえねぇ、突きで剣を破りやがった
坊主、相当鍛えてやがるな……
おじさんは剣を投げ捨てると手を顔の前に構えて言った
「悪いけど俺も負けるわけには行かねぇんだわ」
太陽が雲で隠れた瞬間お互いに示し合わせたように殴りかかった
ゴン
おじさんの打撃は経験の重みがあった
拳を受けた腕には痺れが走った
このおじさん……やっぱりちゃんと鍛えてる。
血を吐きながらも果敢に殴りかかるが、おじさんの軽いフットワークに攻撃を当てることすらできない
当てるためには……どうする?
突きを放ち、上半身に気を取らせたところでおじさんの足に足をかけバランスを崩した
バランスを崩し倒れ込んだおじさんに対して突きを加えた
ごぶっ
鈍い音がなるとおじさんは白目をむいて倒れた
その音は会場に響き、試験管たちの目を引いた
「よっしゃー!勝ったぞ~」
一か八か賭けてよかった。あの瞬間逆にこちらがバランスを崩される可能性だってあった
「終わり!じゃ、次俺がぶちのめしてグチャグチャにしてやるから来いよ」
「はっ?」
何言ってんだこの人、これで試験は終わりじゃ……
「いいから来いって言ってんだよ」
「お寝坊さんがよ……」
一瞬にして彼の声は背後から聞こえてきた
「へっ?」
気づくとステージの中心から壁へと一瞬で体がめり込んでいた
んだこれ?ここは?う、うごけねぇ、てかなんだこれいてぇ。俺は何をされて……
「分かんねぇか?自分が何されてるか……」
「ぐェ」
血を情けなく吐くと視界が薄れてきた
何をされたんだ?だめだこのままじゃ
死……。意識が途切れた
その時会場全体に緊張が走った
その気配の中心にはユウタではなくアユナが立っていた会場の扉を開けその隙間から鋭い眼光でユウタを睨みつけながら拳を握った
「おい、てめぇ何してんの?」
「おやおや、もう任務から帰ってきたのか?遠出って言ってたのによ……つまんねぇ」
「何してたって聞いてんだよ」
「ただの試験だよ。最終確認のな」
「何したかって聞いてんだよ……」
「あぁ、まず合格ラインギリギリの2人連れてきて戦わせるだろ?その勝った方と俺が戦ってストレス発散だ」
「なんで?」
「ん?運営も下のやつにはさほど興味ねぇからないいおもちゃにしてやったってわ……」
アユナはユウタの元へと飛び込み首元へと剣を突き立てた。ユウタの首には冷たい刃が当てられ血がしたたりおちた
ポタポタ
「おいおい、ダメじゃねぇか!むやみに俺の間合いに飛び込んだらよ」
ユウタの剣はアユナの首元に当てられ血がしたたり落ちていた。
アユナは叫んだ
「外道が!今ここで首切り落としてやろうかぁぁ?」
「そんなに叫んだら美人な顔が台無しだぜ!傲慢女王!」
目を覚ますと広いベットの上で寝ていた
横にはアユナがいた
「ここって?」
「私の部屋……りゅうちゃん気絶して目覚まさなかったから……心配で」
「ご、ごめ」
言葉が詰まった。違うな俺はアユナを追い越しに来たんだ。僕……いや
「俺はもう負けねぇ!今すぐ追いついて抜かしてやるから待ってろよ」
彼の言葉を聞いて、アユナは微笑んだ
「待ってるよ〜」
笑った
リューちゃん。それにしてもユウタの野郎
ぜってぇは許るさねぇ
それにしてもリュウちゃんもついにここに来たんだね
ここ、エリミネート育成所、ゴルミテニス。エリミネートになる志を持っているものが、住み込みで修行、知識、実技様々な経験を積み本物のエリミネートになるためへの第一歩目となっている
基本的に知識や実技などを学ぶ時は近い年で固めたクラスで行われる
2日後
「怪我はもういい?」
病室に入ってきたアユナは尋ねた
「うんもう大丈夫」
「そっか!じゃあ早速行くよ!」
しばらく歩いた後、ある部屋の前に着いた
「オープン」
アユナはそう言い扉を勢いよく開けた
「すっげー!」
案内された部屋の前についた瞬間、あまりの大きすぎる部屋を見て大声がでた
「だろー!」
僕の大声にこれまた大声でアユナが返した。彼女はノリがいい。部屋豪華だ、広い!ここも広い!部屋に見取れていると声がした
「じゃあ、リュウちゃんも晴れてエリミネートへの第一歩へと来たところで……まってるよ!」
「おう!」
ようやくアユナに追いつくための第一歩を踏み出せた。
しばらく話していると任務があるとやらで立ち去っていった。さすがはアユナ引っ張りだこだ。窓の外を見ると月が昇り、綺麗な闇が広がっていた
「これで俺もはれてエリミネート!への第一歩だけど……頑張るぞ~!」
張り切り大声を出すと驚くものを聞いた
「うるさいなぁ〜」
?声何処から?よく見渡すと二段ベッドになっていて机も2個ある……なんで気付かなかったんだ
ベット上から人が降りてきた
ここってたしかに見りゃわかる。一人部屋って広さじゃねぇよな
「明日から授業が待ってるって言うのに……」
目をこすりながら降りてきたのは、金髪、目がぱっちり、顔ちっさその姿は美が詰まっていた。
「かわい……」
思わず声が出ていた
その声を聞くと彼女は微笑みながら言った
「もう、いいから!もう寝ろよ〜」
こんなきれいな人と同じ部屋?!なんで?男女別だろ普通。そもそもここ試験も気絶するまでだし色々適当すぎんか?そんなことを考え眠れずにいると、外が明るくなってきた
「もうこんな時間」
時計を見ると時刻は4時だった。オールやんこれ。何もしてないのも嫌だな、そうだ走りに行こう
いい天気だな
朝、寮の周りの森を回っていると、イケメンの男が走っているのが見えた。
「おはよー!」
僕の大声に驚きこちらを向くと、笑いながら話しかけてくれた
「おはよ!元気だね」
やっぱりだ!近くで見るとよりイケメン、これは何でもできちゃう女子から大人気だなこいつ。うらやましい
彼の外見は美しく、まつ毛が長かった
「俺リュウジ!エリミネートになるために頑張るんだ!」
「俺は、ショウ負けないからな。……てか、覚えてないの?」
彼の言葉には嫌味はなく、完全にモテモテ系だとすぐわかった。少し困った顔をしながら言う彼を少し不思議に思った。覚えてないの?何処か出会ったことあるか?
考え事をしていると、腹が鳴り意識が全てそっちに行った
「なあなあ、朝ごはんって何時から?疲れたから寝ようと思うんだけど……」
質問に彼は驚き、答えた
「今から帰ったらだいたい50分後くらいかな?そうだ!一緒に汗流しに風呂ははいんない?」
そう、この寮は、トイレ、風呂(大浴場)は共有なのだ
「え?!寝れないじゃん!そんなはやいの?」
驚く僕を見ると大きく笑い、楽しそうに言った
「ははっ!そうだよ汗を流して頑張ろう」
彼に誘われ、戻った僕は、入浴セットを持って大浴場へと向かった
服を脱ぎ、風呂にはいるとショウが先に湯船につかっていた
「早いね!」
僕の声を聞くとニッコリと笑ってうれしそうに言った
「だろ」
なんの会話か自分でもよくわからないけど、まあいいか
体の汗を洗い流し風呂に飛び込んだ
「わっ!」
ショウの驚いた声が辺りに響いた
「朝から何してんだよ」
そういいながら優しく笑った
優しいな、これやったら大体は嫌がるのに。
「なあ、後何分?」
「後20」
「じゃ、そろそろ上がるか」
僕が立ち上がると同時に彼が立ち上がり彼の腹筋が見えた
バキバキ!
「なに?」
「いや、鍛えてんだな」
「君こそ」
そんな会話を着替えながらしていたらとっくに、残り5分になっていた
2人と急いで走って食堂に向かっていると、突き当たりでショウが誰かとぶつかった
「いててて」
目を向けるとそこには、少女がいた!いや、僕だろ。普通当たるの。さえない男がぶつかってみたいなのじゃないと報われない!こんなイケメンが……
「大丈夫?」
そういいながら手を差し伸ばすショウ、その手を取る美少女。見てられなかった僕は、ショウを置いて一足早く食堂へと向かった




