表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/39

第20話 四天王ルーベウス来襲!見せつけろVtuber魂!

 四天王ルーベウスは、冷たい眼差しでカリーナを見下ろした。


「カリーナ、お前には失望した」


「す、すみません……」


「無様な敗北だけにとどまらず、敵に絆されるような言動。魔族として、実に情けない」


「……仰る通りです」


 空気がルーベウスの魔力の圧によってビリビリ震えている。

 呼応するように洞窟内の魔物たちが次々に姿を現し、服従を示すかのように壁際へと並んだ。


 魔王軍幹部であったカリーナですら、彼の圧倒的な力に本能的に怯えているようだった。


「ですが、ルーベウス様!」


 それでも必死に、カリーナはルーベウスへ伝える。


「配信は確かにふざけている部分もあります――けれど、素晴らしい力もあります」


「……ほう?」


「時にはその強い想いが、信じられない力を生み出すこともあるのです。この者たちが、私や、ゼラを打ち破ったように!」


 ルーベウスの視線が鋭くなる。


「それは、お前達が弱かっただけの話だろう」


「うっ、そ、それは……」


「配信などくだらない遊びだ。遊べば人は堕落し、最後は世界を破壊する。特に――」


 真っ直ぐにルーベウスの瞳が俺を捕えた。


「理想を追い求めるなど、もっとも害悪な行為だ」


「……!」


 それは明らかに含みのある言葉だった。

 そして明らかに、憎悪すら感じさせる眼差しだった。


 すぐにルーベウスの視線はカリーナへと戻る。


「遺言はそれだけか」


 ルーベウスがカリーナへ向かって静かに手を翳す。


「駄目っ!!」


 エルミアがその間に割って入るように飛び込んできた。

 先程までルーベウスの気迫に圧倒されて動けなくなっていたようだが、それでもカリーナの危機にじっとしていられなかったらしい。


 エルミアは震えながらも、カリーナを庇うようにルーベウスへ対峙する。


「何やってんの、あんた。戻りなさい!」


「嫌です、私はカリーナさんを守ります!」


「馬鹿!」


 言い争う二人を見ても、ルーベウスの冷めた態度は変わらない。


「気にすることはない。全員、すぐに死ぬのだから」

 


【コメント】

「やばいやばい」

「通報したけど間に合う?」

「ルーベウス初めて見たけどヤバすぎ」

「無理でしょ」

「エルミアちゃん!カリーナちゃん!」

「社長の盾でも無理そう」

「言ってる場合じゃない。どうするんだこれ」



 俺はぐっと拳に力をこめると、大きく息を吸い込んでから声を張り上げた。


「――なるほど。”負け”を認めるんだな!」


「何?」


 ルーベウスが俺の言葉に反応して、視線を向けた。

 俺は奴へ向けて不敵に笑う。


「だってそうだろう。お前は配信が怖いから、武力で潰すんだ、ルーベウス!」


 挑発的な俺の言葉に、ルーベウスがはっきりと眉を寄せた。


「くだらない。口先だけの時間稼ぎか?」


「まさか。本心さ!」


 ――いや、正直、内心では滅茶苦茶怖いし綱渡りの気持ちだ。

 だけどそれをルーベウスに悟らせてはいけない。


 俺は配信で鍛えた演技スキルで、余裕たっぷりに振舞った。


「理想を具現化する力を見もせずに切り捨てるなんて、恐れているとしか思えないな!」


 ピリッと周囲の空気が張り詰めた。

 次の瞬間、ルーベウスが憤怒の表情で声を荒げる。


「貴様に何が分かる!!」


「わかるさ!」


 言い切る俺に、ルーベウスが僅かに息をのんだ。

 俺は一歩足を前に踏み出し、高らかに笑う。


「熱狂の力は凄いんだ。魅せてやるよ、お前にも」


 それからビシッと、バズリアのVtuber達を指さす。


「エルミアと、カリーナがな!」


「「……!!」」


 名指しされたエルミアとカリーナは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに決意の顔つきに変わった。


「ルーベウス様、お願いです。私たちを見てください!」


「きっと、くだらないなんて言わせませんから。ルーベウスさん!!」


 言い募る二人へ向けるルーベウスの目は、相変わらず冷たいものだった。

 それでも彼は、数歩身を引いた。


「ならば立ち向かってくるが良い。貴様たちの言う、理想と熱狂の力で」


 威厳と自信に満ちた声がダンジョンに轟く。


「正面から、全て粉砕してくれよう」


 俺は負けないくらいに堂々と宣言する。


「任せておけ、ルーベウス」


 それから、エルミアとカリーナへ向き直った。


「さあ、初ライブの始まりだ。行くぜ、バズリア」


「はいっ!」

「分かったわ!」


 手を繋いで立ち上がる二人へ、俺が手をかざす。


「スキル『理想投影』!!」


 洞窟の水晶が煌めく中、カリーナは白いフリフリワンピースの衣装へと変化した。

 エルミアの青いミニスカ騎士服も綺麗な状態へと整えられた。

 


【コメント】

「きたー!!」

「待ってました!ラブリー!」

「エルミアちゃんとカリーナちゃん頑張れ!」

「戻ってきた!!」

「いっけー!」

「本当にやるのか」

「応援!」

「二人の最高の歌、期待しています」



「コメントも盛り上がっていくぜ!」


 俺が場を繋いでいる間に、エルミアとカリーナは水晶の洞窟の広い場所へと移動する。

 二人の準備が出来た頃合いを見計らって、俺は音楽魔石を起動させた。


「それでは、エルミアとカリーナのデビュー曲――Twin Blaze ~空と雲のシンフォニア~」


 そして、水晶の洞窟内に音楽が溢れ出す。


Fever Gage ★★★★★★★★★☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ