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元カレがネットニュースになりました  作者: きんぎょさん


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8/9

崩れ落ちる幸せ


「わたし、メリーさん。蝶羽、何か変わったの?」


「確かに蝶羽さん、変わったスね。綺麗になったって言うか」


「ぽぽぽぽ(たまに顔を真っ赤にしてる)」


「お化粧も丁寧になったわ」


「「「「あっ恋してる(一同)」」」」



 勘のいい都市伝説は、嫌いだよ。


 今日は、都市伝説共とお茶会だ。なるべく人に迷惑かけない代わりに1ヶ月に1回、お茶会をする約束をしたから嫌々で出ている。



「えっえっえっ!どんな人なのよ?」


「蝶羽さんが惚れた相手、気になるっス」


「倫理観、終わってる人」


「わたし、メリーさん。蝶羽、見る目ないの」


「ぽぽぽぽぽ(どうしてそんな人、好きになったの)」



 晴翔、悪さしてるお前が言うなNo. 1な都市伝説たちにボロクソ悪口言われてるぞ。



「初めて女の子扱いされて優しくしてもらったから、惚れた」


「好きになった人、本当に倫理観、終わってるんスよね?」


「私に優しくして突き放して傷つけたいって言ってた」


「ぽぽぽぽぽぽ(一瞬株が上がったけど一瞬で下がっていった)」


「まさか……付き合ったって言わないわよね?」


「え?付き合ったけど。恋、成就しましたけど」


「わたし、メリーさん。もう手遅れなの」



 残念な目で見ないで。初恋は、拗れるとか言うでしょ?つまり当たり前……だと思う。


 

「さすがアイツの娘だな」


 

 怪異絡みの事件を解決した直後、清水に言われた。



「優しすぎる。ちゃんと祓えばいいのに」

 

「怪異や怨霊を無理やり祓ったって付き添ったアンタか祓った私が死ぬ。アイツらの怨嗟って怖いんだよ」



 なんでアイツらだけが苦しい思いをしないといけないの?幽霊を怪異化させたのは、私たち人のせいなのに。報われないのは、苦しいじゃん。

 たまにクソみたいな怪異もいるけど。


 

「そうか。お前、いくつになった?」


「18」



 考え深そうに刑事は、顎に手を当てた。



「お前も年頃だ。恋人の一人や二人できるだろう」


「きゅ、急に何!」


「その反応、恋人ができたな。その仕事をしている以上、わかっていると思うが人は、醜いものだお前のことを受け入れるとは、限らない」


「受け入れたとしてもお前の恋人にも危険が及ぶぞ。華夜さんがいい例だ」


「……お母さん」


「蝶羽、お前の父親も幼い頃から見守ってきた俺たちも悲しむお前を見たくない。入れ込むなよ」



 入れ込むなって……早く行ってよ。大好きになっちゃったじゃん。


 晴翔と付き合って2年。


 彼氏ができたことに気づいたのは、都市伝説共と清水だけだ。お父さんは、気づいていない。

 他のやつらには、バレたくなかったけどお父さんには、気づいて欲しい。ムカつくから教えてない。


 全て今日、狂い始めた。


 その日は、位置も通りの依頼だった。でもその怪異は、生前、勝手に人を憎み悪さをし自業自得で死んだ挙句それを他人のせいにし人を殺し続けた同情もできない悪質なだった。


 祓うこと自体は、簡単だったが祓う寸前に厄介な呪いを受けた。



「お前の最も大事なやつを呪い殺してやる!そして後悔しながら生きろ!はっざまぁみろ」


「っ!このクズが!」


 

 本来だったこの程度の怪異の呪いは、私の霊力と怪異の力の差で効かないはずなのにこいつの憎しみとこいつに殺された人の恨みで私の霊力を伝って魂に届き刻むこまれてしまった。


 最も大事な…大事な人に思い浮かべてしまったのは、晴翔だった。この数年で晴翔は、私の中で大きい存在になってしまった。


 私の霊力で呪いに干渉し最も大事な人を配偶者に塗り替える。人の思いは、1つ1つが小さくてもたくさん集まれば強い。だから私の霊力でも1部を同程度の条件に塗り替えることしかできない。


 そして1番の問題。私は、晴翔に祓い屋だと言っていない。いつか言おうと思っていた。でも言えなくなってしまった。きっと晴翔は、呪いのことを知ってしまったら悲しむから。

 呪いのせいで私からプロポーズは、できない。だからもし晴翔からプロポーズされたら心がとても痛むけどその時は、こっぴどく振ろう。


 大丈夫、大丈夫、大丈夫。配偶者だから恋人じゃないから呪いは、晴翔に効かない。この幸せを晴翔にプロポーズされるまで噛み締めよう。



「西園寺蝶羽さん、僕と結婚してください」



 って思ってたのにな。その日の夜にプロポーズされるなんてね。


 私、初めて人を好きになってそれから1週間で付き合ってプロポーズについて考えてから数時間でプロポーズされるなんて運がいいのか悪いのか分からないな。



「えっ?無理なんだけど」


「はっ?なんで」



 顔いろを青くし冷や汗をかいた表情、初めて見たよ……そんな顔、させたくなかったなぁ。



「初恋だったから最初のうちは、好きだったよ。でもずっとこの展望台で会うだけでデートなんかしたことない。飽きてきてね、冷めたよ。」


「………………」


「そして冷めて気づいたんだよ。最初からアンタなんか好きじゃなかったんだって。キスしたことを思い出したら気持ち悪くなってね。嫌いになったよ」


「………………」


「ぶっちゃけ、冷めてからは、ずっと暇つぶしだったんだよね。なのになにプロポーズしてくんの?」



 言い切った!言い切った!もうここから帰るだけ。


 

「……確かに蝶羽ちゃん、最近上の空で考え事してるみたいだったね。でも嘘は、良くないよ」


「なんで私を名前で呼んでるの気色わる。もう他人なんだから名前で呼ばないでよね」



 そう言った途端、晴翔は、暗い顔で俯いた。

 その表情を見たくなくて前を向き早歩くで帰る。


 呪いなんかなかったら私の事情を話してプロポーズに「水無瀬晴翔さん、こんな私で良ければ喜んで」って言ったのにな。


 家に帰って枕に顔を埋める。



「ふうぅ……ヒッ…ごめんなさい、晴翔」

 

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