初恋は、些細なことから
友達期間が1年と半年から2年近く続いた。
友達としてしたことは、ほぼ秘密基地と化した深夜の展望台で晴翔との世間話だけだ。
普通の高校生のように遊びに行ったことがない。私は、嬉しくないことに忙しいため晴翔に悪いがありがたかった。
晴翔は、家族や自分のことをあまり話さなかったのでなんらかの事情があるのだろうと思っていた。
その日、私は、依頼で怪我をしてしまった。一生の不覚である。
「蝶羽ちゃん、こんばんわって……どうしたの?その怪我」
「えっと…男じゃなくて女の勲章って言うやつ?」
晴翔は、私を見て驚いたように目を見開いた後、悲しそうに眉を下げた。
心配させちゃったかな?と思ってると晴翔は、ベンチから立ち上がって私の頬に張ってるガーゼに触れた。
男の人に触れられることが滅多にないので………なんというかドキッとした。
「蝶羽ちゃんは、女の子なんだから勲章なんて言ったらダメだよ。残らないようにしてね」
「…………うん」
心がぽかぽかして顔を熱し心臓の鼓動が早い…え?まさかまさか…………嘘でしょ?女の子扱いされなかったとは言え人生初の人間の友達にほ、惚れるか?
「?……蝶羽ちゃん、顔が赤いよ…………もしかして熱でもあるの?」
「な…………ないから!顔近づけないで!」
「………………………………そう」
この時私は、晴翔に惚れた…かもしれないということで戸惑っていた。思い出してみると冷たい声をしていた。
「僕ね、恋されるの苦手なんだよね。うるさくいから。でも蝶羽ちゃんは、静かでそばにいると落ち着くんだ。蝶羽ちゃんと友達でよかった」
「…………私も晴翔が友達でよかったよ」
恋を自覚した瞬間、失恋が確定する。
男勝りって自覚あるし気にしてないけどそれで失恋するって……ある?
それから1ヶ月、失恋の悩みとストレスを怪異にぶつけて毎度の如く展望台に行く。
日に日に恋心が膨れ上がり私の頬を染めたと微妙にポエムっぽいがポエムじゃない風に考えてみたが……恋して1ヶ月だぞ?晴翔への恋心を忘れることができるわけないでしょ。
「蝶羽ちゃん、どうやら僕は、随分前から君のことが好きみたいなんだよね」
「…………ほへ?」
晴翔の爆弾発言に困惑しかない。
「驚いてる顔も可愛いね」
「可愛って……どうしたの?すごい変わりぶりじゃん」
「ふふ…僕ね、初めて蝶羽ちゃんと話した時、いつも強気そうなのに悲しそうな顔に見入ってしまったんだよね」
「…………うぅん?」
ここで私は、ちょっと晴翔に違和感を持った。だって悲しそうな顔に見入ってっておかしくない。
「それからずっと蝶羽ちゃんを見てるとドキドキするんだ。それを家族に聞いてみたら恋だって言われたんだよね」
「え?家族に聞いたの?」
晴翔には、恥ずかしいと言う感情がないのか?
「僕、いまいち信じられなかったんだよね。ほら僕、恋って鬱陶しいと思ってるから」
「鬱陶しいって思ってたの!?」
「1ヶ月前、蝶羽ちゃんが怪我したでしょ、それがすごく嫌だった。すると蝶羽ちゃんが顔を真っ赤にしたんだ」
顔が赤くなった自覚は、あるけど真っ赤だったの!恥ずかしー
「蝶羽ちゃんも他の女と一緒かって思うとイラってきたから優しくして傷つけてやろって蝶羽ちゃんにキスしようと近づいたんだけど」
あの時、キスしようとしてたの?それに女ってそういうこと言うタイプだったの?
「拒否されてもっとイラってきたからまずは、傷つけようって……そしたら蝶羽ちゃん、いい感じに傷ついてくれたからスッキリしたよ。それなのに蝶羽ちゃん素っ気なくなって傷ついたよ」
なにニコニコしながら言ってるの?サイコパスなの?……これで晴翔が倫理観、終わっていることに気づいました。晴翔もおかしいけど一番おかしいのは、私だ。
「蝶羽ちゃんは、こんな僕でも顔を真っ赤にさせちゃうほど好きなんでしょ?ちゃんと好きって言ってくれたら許してあげる」
「…あ…う…………晴翔が好き」
「はい、よくできました。僕も蝶羽ちゃんが好きだよ」
晴翔は、私の腕を掴み引き寄せた…そして顔が重なった。つまりキスをした。もちろん触れるだけである。私にとってのファーストキスだ。
離れようとしたら後頭部を掴まれ深いキスをした。
2回目のキスでディープなやつは、早すぎません?私たち高校生よ、もっと健全に。
そして長いキスが終わり唇同士が離れた。
「…………はへ」
「蝶羽ちゃんは、唇も口の中も舌も初で慣れてないのが可愛いね」
「……なんでわかるの?後、なんか慣れてない?」
「僕も初めてのキスだよ。強いて言えば蝶羽ちゃんが可愛いからかな」
「揶揄ってるの?」
「拗ねてる蝶羽ちゃんも可愛いね。ほら、こっちにおいで」
こうして私と晴翔は、付き合った。




