始めましてが半年後
晴翔との出会いは、7年前の満月と夜桜が綺麗だった夜だった。
その日進級前の高校1年生の春休みで胸糞悪い怪異を祓ってイライラしてたから落ち着くため高台にある展望台に行ったの。
展望台には、桜が植えられている。その年は、早咲きだったからもう満開でそれに加えて月明かりに照らされていたから綺麗だった。
人と会いたくない気分なのに深夜の展望台には、先客がいた。
その先客が晴翔だった。
晴翔は、力無くベンチに座っていた。背中から哀愁が漂ってくる。
晴翔は、背後にいる私に気づいて振り返った。
まあこれが俗に言う晴翔と私の運命の出会いだった。
「……………………………………」
「……………………………………」
目が合う無言の沈黙が何より気まずいとこの時、私は、思った。
先に動いたのは、私で街を見渡せる手すりの方に歩いて行った。
深夜、未成年の男女の間に何も起こることなく明け方まで2人とも展望台にいた。深夜に未成年が歩いているのになんで警察に補導されないか考えては、いけない。
半年ぐらいその他人と知人の間の関係が続いた。もちろん話しては、いない。
そのくらいの関係が気が楽で心地よかった。
でも関係性が一気に進んだ日があった。
その日は、私の母の命日で時間が悲しみを忘れさせてくれるけどやるせない気持ちだった。
気持ちを晴らすため深夜の展望台に行った。大体晴翔が先にいたのにその日は、珍しく私が先客だった。
虚空をぼーっと見つめ色々考えていた。
「あの大丈夫ですか?」
「え?」
「すみません。なんだか悲しそうな顔をしていたので」
晴翔は、私を気にしていないと思っていたのに話しかけられてすごく衝撃を受けたのを覚えている。
「お気遣いありがとうございます。できれば話を聞いていただけますか?」
「もちろんです。僕から話しかけたのですから」
それからまだ名前も知らないかった晴翔に今日は、母の命日であること父との関係に悩んでいることを話した。
晴翔は、話を聞き相槌を打ってくれた。
「僕は、家族を失ったことは、まだありません。ですが生きている限り別れは、訪れるでしょう」
「そうですね。父との関係が悪かったのは、仕事を優先し、臥せっている母に一度も会いに来なかったことがきっかけです。母は、それを望まないでしょうがどうしても思ってしまうんです」
「それは、当たり前の感情です。ですがきっとお父様にもなんらかの事情があるかもしれません。話し合ってみたらどうでしょう」
晴翔と話して少し心が楽になった気がした。
この日は、これで解散して父と少し話し合った。
父は、母のことをちゃんと想っていた。母が臥せっていた理由は、凶暴な怪異に呪われたからで父が家にいなかったのは、その怪異を払うためだった。
でも間に合わなかった。怪異を祓えたが母は、手遅れだった。
父は、もっと早く祓えたらと後悔していて私に合わす顔がないと私に素っ気なくしていたらしい。
父との関係性は、改善されたと思うが今もちょっと気まずい。
「西園寺家は、昔から怪異と関わってきた。その血族とその配偶者は、怪異に狙われやすく短命だ。蝶羽、お前も気をつけろ」
生まれて初めて父がこんなに話しているところを見た。それも私が心配されてる。むず痒かった。
また展望台に行き晴翔に会いに行く。お礼を伝えるために
「あの先日、話を聞いてくれてありがとうございます。おかげで父と話せました」
「それは、よかったです」
晴翔は、本を閉じ微笑んだ。
「僕の名前は、水無瀬晴翔です。晴翔と呼んでください。さん付けも敬語もいりません」
「晴翔……って呼ぶね。私は、西園寺蝶羽。私も敬語、いらないからよろしくね」
「うん。蝶羽ちゃん、よろしくね」
こうして私と晴翔は、友達になった。




