遭遇 元カレ
昨日の鍋は、最高だった。美味い野菜に美味い肉具材がいいから鍋もよくなる。
「おい!聞いてるのか?」
そして鍋は、現実逃避に効くつまり鍋は、最強である。
「ちゃんと聞いてるのか?」
「なんで私が怒られないといけないの?」
目の前にいるのは、父の知り合いの刑事で清水真志さん。私を昔から知っている人だ。
「あの区画は、お前の持ちで被害者は、お前の近くにいた。蝶羽、お前なら守れただろう」
「だーかーらー!被害者の男は、私を尾行してたの!私だって仕事で忙しいんだよ!」
「だからって見て見ぬふりは、ダメだろ?」
「清水、いいか?私は、か弱き乙女ぞ?」
「清水さんな?あとか弱き乙女ってなんだ?怪異を素手でボコ殴りにしてんじゃあねえか」
昨日の予想通り、私は、清水に怒られていた。
「はあ、お前の父親に連絡するからな」
「なんでお父さんに連絡するの?」
「アイツに頼まれてるからな。お前がなんかしたら連絡してくれって」
清水は、スマホを取り出して父に電話をかけた。
少し父と話して私にスマホを渡してきた。
「もしもし、お父さん」
『蝶羽、久しぶりだな。元気にしてるか?ちゃんとごはんは、食べてるか?』
「……説教するんじゃないの?というかお父さん、そういうタイプじゃないでしょ」
『調べたところ上京した娘には、心配をするらしいからな。でやらかしたんだって?』
お父さんは、基本的放任主義で私が実家に出た後も連絡をしてこない。相談しても好きにしろと言う。お母さんは、
「お父さんは、ああ見えて優しい人よ」
と言っていた。優しい人ならどうして1度もお母さんのお見舞いに来なかったの?
「私は、何にもしてないわ」
『そうか。友達は、できたか?…………これは、娘に聞くべきことトップ10に入っていた』
「…………友達(都市伝説)ならできた」
アンタ、どうしたんだ?昔は、そんなこと聞いてこなかったのに。
「そうか…………………………俺も忙しいからな。切るぞ」
「あっ…………うん………清水、切れた」
「はっ?切れた?」
清水は、頭を抱えた。ざまぁみろ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
えーわたくし、清水に体感10年くらい説教されてましてただいまとぼとぼと歩きながら帰っております。
なんでこんな時に限って雨が降るの?ストレス、マシマシだわ。ラーメン屋じゃないんだぞ……どうしよう。ラーメン欲が沸いた。鍋パで山ほど食べたのにラーメンのお口になった。
確か家にインスタントがあるから何も買ってこなくていいか。
…………やば、ぼーっとしてたら知らないとこ来てた。ここどこだろう。
うん?雨が降っているはずなのに濡れてない?
「傘もささないで風邪ひいちゃうよ?」
聞き覚えがありすぎる声に振り向くとそこには、私に傘を差し出してくすくす笑う元カレ…水無瀬晴翔がいた
………なんでアンタがここにいるの?
「久しぶりだね……でも蝶羽ちゃんの勤める会社で目が合ったから久しぶりじゃないかな?」
「そこをどいてくれない?」
「どうして?久しぶりに話せるんだから嫌だよ」
晴翔は、わからないと言うように首を傾げている。
……そういえば晴翔は、気まずいとかそう言う感情が湧かないんだった。厄日だな。
「……どうしてここにいるの?」
「僕の部下が車に轢かれちゃってね。警察署に話を聞きに行ってたんだよ。そこで蝶羽ちゃんが見えたから追いかけちゃった」
あの尾行男が車に轢かれたから清水に呼び出された。まさか、私を尾行していた男が晴翔の部下?
……お前も清水に怒られろ。
「ね、ねぇもしかして……昨日、私の後をスト…尾行してきた男って……」
「僕の部下だよ。そろそろかなって思って」
「な、何が?」
聞きたくないのについ聞いちゃった。晴翔は、倫理観が終わってるから……考えることすら嫌になる。
「結婚……でもまずは、婚約かな?」
「え?私、アンタのこと3年前にこっぴどく振ったじゃん。どうして結婚ってしそうになるの?」
「精一杯のプロポーズを断られて傷ついたけど別れたつもりは、なかったよ?倦怠期ってやつかなって思って」
アンタの思想どうなってんの?昔は、あんなんじゃなかった……気がするんだけど…いやあんなんだったかも。
晴翔とも出会いから別れを思い出す。




