目と目が合う元カレ
「蝶羽、新しい彼氏とかできた?」
「忙しくてできない」
「わたし、メリーさん。3年前にいた気がするの」
「いた気がするんじゃなくていたの。ほらこれ」
朝、ネットニュースで見た。元カレを見せた。
「蝶羽、超優良物件じゃない!確か振ったのよね」
「振った」
「わたし、メリーさん。なんで振ったの」
「あの人、昔は、野暮ったくて私に釣り合わなかったの。暇つぶしで付き合ってあげたの」
なのにプロポーズしてきて……信じらんない。
「……私の話よりアンタらの話しなさいよ。いつも一緒にいる八尺は、どうしたの?」
「わたし、メリーさん。八尺は、くねくねと仕事をしているの」
「都市伝説にも仕事があるの?」
「私たちも存在するためには、都市伝説同士で協力しないといけないのよ」
祓い屋同士が協力する事と同じことか。
それから適当に話して解散すると思ったら泊まるとメリーと口裂けが言って聞かなかったので私の貴重な休日がこの我儘たちに潰された。
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朝、起きて一つ思う。忌々しい月曜日が来やがったと。
昨日、他にも怪異たちが来て手見上げに揃いも揃ってつまみと酒を持ってきた。しかもめちゃくちゃ美味かった。なんかイラッとした
もうヤケクソで飲んで食って酔い潰し合った。私は、怪異よりも酒が強いので最後に残った。
床には、怪異たちがすやすや眠っている。もちろん酔い潰したのは、私だが正直に言って邪魔だな。
洗面台にある鏡に霊力を込める。そこに怪異たちをポイポイと投げ入れる。適当な場所に繋げたからどこに行ったか知らん。
面倒ながら朝食を食べて通勤電車の押し合いに揉まれながら会社に行く。
「西園寺さん!おはようございます!」
「おはようございます。佐藤さん」
元気に挨拶してくれたのは後輩の佐藤さん。可愛く明るいのでうちの部署の天使だ。そんな天使が私が仕事を教えたので懐いてくれている。
「西園寺さん、メイクとかなさらないんですか?」
「化粧?……道具は、持ってるんですけど面倒くさいんですよね」
「そうなんですか……西園寺さん、メイクしてなくても十分、美人ですがメイクしたらもっとキレイになりますよ!」
「ふふ。ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないですよ……私、気になることがあって、好きな人とかいないんですか?」
好きな人?……すきなひと…すき……どうしてあの人の……元カレの顔が浮かぶのだろうか。私から振ったのに。ケジメがついたと思ったのに。
「……いませんよ。今もこれからもできる予定がありません」
「結婚したくないってことですか?」
「わかりません…………でも昔は、いましたよ好きな人」
「そうなんですか!私知りたいです!」
「私の昔の話が聞きたいんですか?ふふ……内緒です。恥ずかしいので」
「え〜残念です。話していい時になったら話してくださいね」
佐藤さんは、話す仕草も可愛らしい。マイナスイオンが怪異の相手をし元カレを見て衝撃を受け疲れた精神にきく。
「…………?」
仕事をしてるとふと視線を感じて気付かれないように視線の主を探す。
視線の主は……元カレだった。
隣には、うちの社長がゴマを擦っている。祖父母会社の社長だからね、擦りに擦りにまくるよね。
じっと見過ぎたのかニコッと微笑まれた。
私は、慌てて目を逸らす。
ゾッゾゾゾ!両腕を摩りまくる。何?あの笑顔、こっわ。私、後ろから刺される?
「西園寺さん?どうかしたんですか?」
「あの世に行った、母を感じただけです」
「?……お母様を感じたんですね?」
精神的打撃を受けたのでここは、部署の天使、佐藤さんに癒しをもらおう!
あの後、佐藤さんに無事、癒された。
幸いなことにあれから元カレの視線を感じること は、ない。そう元カレの視線 は ない。
元カレでは、ないやつに尾行されている。
怪異や都市伝説、妖怪をしばくだけのか弱い乙女を尾行するなんて……お前もしばいてやろうか!
まてよ?アイツらをしばいても警察(知り合い)には、怒られるどころか褒められるが生身の人間をしばいたら警察(刑事)に怒られるな…よし!ここは、撒こう。
撒くために路地裏に入って何度か角を曲がる。また曲がろうとしたら誰かにぶつかった。
ーーそれは……ーーーー




