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第3話 忠誠MAX

『すんごい美人のエルフがくっついて離れない』


 奴隷商で臭い格安奴隷を買って洗ったら、スタイル抜群の銀髪エルフで、何故か俺にメロメロ。

 他人が聞けば嫉妬で狂うか、鼻で笑いながら「何か嫌な事でもあったのか?」と優しく問いかけるだろう。

 俺だったら間違いなく後者で、鼻で笑ってそいつを悲しい目で見るだろう。


「ご主人様、改めてお名前を伺ってもよろしいでしょうか」


 日も暮れ、焚火の明かりに照らされるエルフさんがそう問いかけて来た。

 思い起こせば彼女と出会ってから名前を伝えてなかった。


「俺はイズナ。イズミでもいいがイズナだ」


「イズナ様……私はティアリア、ティアリア・エリンス・ル・パーフィリアと申します」


 正直奴隷の名前など覚えたくはなかった。

 あの臭さに愛着が湧くとも思えないが、名前を知ったり付けたりすると愛着が湧いてしまって、後々自分を苦しめるのを知っているから。

 

 スキル先生はコイツを買えと言った。

 そしたら銀髪エルフの美人が出て来た。


 いつもそう。拾った物に価値があったから売り払い、金にする。


 だけどティアリアだっけ……聞きもしないのに名乗りやがった。


……あぁ、そうだよ。その瞬間こいつを売りづらくなった。クソッ。


 エルフだぞ?しかも極上の。


 6千万G?いや、もっとだ。1億Gでも売れたかもしれない。


 一億円!


 田舎で女侍らせてスローライフするには充分……ではないな。

 ので、これはたぶん今後こいつが俺の為に踊り子になって稼いで貢いでくれるとかそんな感じに違いない。


 だが最大の問題は彼女の名前だ。


 1年くらい前に隣国が攻め滅ぼしたエルフの国、名前にパーフィリア王国の名前が入ってる。

 入ってたよね?


 だがそんな問題、我がスキル師匠の前では瑣末なこと……だよね?大丈夫だよね!


 な、なんにしてもだ。


「ま、まぁなんだ。今後は俺の為に働いてくれるって事でいいのかな?」


 ちょっと直接的すぎたかな?


「っ!……はい!私が必ずご主人様のお役に立ってみせます!!」


 おおおぉ~こいつの美貌でパトロンに貢がせその金を俺が吸い上げる!完璧かスキル師匠!


「今日は獲物を数匹狩ったし、明日売りに行って今後の事を考えていこうか」


「はい!是非とも!」


「お、おう」


 なんか彼女の圧が凄い。


 ま、とりあえず《直観》!!



 ティアリア・エリンス・ル・パーフィリア。

 元パーフィリア王国王女


 忠誠

 ■■■■■■■■■■MAX


 脅威

 ■■■■■■■■■■MAX

 状態

 (興奮大)



「…………」


「主様?」


 なんじゃこりゃ!!

 忠誠心?脅威?状態が興奮大!


 スキル師匠!これ大丈夫なんですよね!俺、このエルフに殺されませんか!?

 忠誠って勿論自分の国の事だよね!しかも脅威MAXってどんだけ危険なんだよ!

 しかも相当興奮してらっしゃる!

 俺、貴族の端くれだけど君の国滅ぼして無いからね!?マジ勘違いしないでね!

 


「どうされましたご主人様」


「ふぇっ!あ、あぁ……えと、その。もしかして君、強かったりする?」


「戦闘面の事でしょうか」


――コクコクコクコク。


「魔熊には遅れを取りましたが、それなりに距離があればあの程度は問題ありません!」


「魔術かなにかかなぁ~って聞いても?」


「勿論です!是非聞いて頂きたい!これでも時間さえ頂ければ街の一つや二つは私の精霊魔法で壊滅!いえ、蒸発させる事も可能です!」


 街の一つや二つ!!


 や、やっぱりこいつは迂闊に転売出来ない……このまま野に放てば国が混乱する。


「へ、へぇ~。す、凄いじゃん」


「へっ!?エヘ、エヘヘヘヘ。でもご主人様程ではありませんわ」


 お、お前の忠誠を誓う相手はもっとエグイのか!?……ど、どうしよう。








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