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第二八話 街で出会ったのは

短いお話です。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックに仕返しを果たし、新たな戦いが始まろうとしていたのだった、まる。


 本日は蜂型の魔物、ライビードの巣を破壊し、ライビードをすべて駆除するというクエストをこなし、帰路を歩いていた。

 ちなみにサワムラは鬼町のお見舞いに行くとかで同行はしていない。

 イフと共に、クエストの感想や晩御飯はどうするかとか、くだらない話をしていると、


 「あの、ちょっと聞きたいんですが」


 後ろから肩を叩かれ呼び止められ、俺はそれに振り返ると目の前にはフードを被った少女がそこにいた。


 「どうかしましたか?」


 「この子を探している女性を見かけませんでしたか?」


 俺の質問にその少女は隣で手をつないでいる子供の方に目を向けた。

 そこにはさっきまで泣いていたのだろう、眼を晴らした男の子がそこにいた。


 「見なかったけど、もしかして迷子?」


 そう訊いた俺に少女は静かに頷くと、


 「俺も探すの手伝おうか?」


 と提案をしてみた。

 すると、深くかぶったフードを脱ぐことはなかったが、浅く被り直し、顔が良く見えるようして、


 「いいんですか?」


 そう訊く。


 「あぁ」


 訊かれたことに、短く返すと、子供の目の高さに合わせるようにしゃがみ、


 「お兄ちゃんも、君の母親を探すの、手伝うぞ」


 できるだけ優しい声でそう言うと、男の子はまた泣きそうな顔をした。

 俺はそんな男の子の頭を撫でて、


 「大丈夫だ、泣かなくても」


 そう言うと、男の子は涙緒飲んで、頷いた。

 それを確認すると、俺は再び立ち上がり、少女から母親の特徴を訊いた。

 どうやら、青色の籠を持ち、黄色のスカーフを首に巻いている、白のワンピースを着た女性を探しているらしい。

 さて、どうやって、探そうか。

 効率的に探すのは公的機関を使うのが一番なのだが、近衛の詰所は個々からかなりの距離がある。

 という事で、男の子が母親と言った場所を訊くことにした。

 訊くと、王都の中央で開かれている市場に言ったところ、人混みに飲まれ迷子になったことが判明した。

 ならばと、ここからまぁまぁ遠い距離の中央市場まで話しながらあること言う事で移動することにした。

 市場まで歩く途中、男の子は見た目の年齢が一番近い、この中では最年長のイフと仲良くなったらしく、楽しく会話をしていた。

 そんな二人をほっこりとした気分で眺めていると、少女がふと、話しかけてきた。


 「優しいんですね。見ず知らずの人間を助けようなんて普通は思いませんよ」


 不思議な人だ、と俺を見つめる視線が物語る。


 「なんていうか、関わったもんはちゃんとしておきたいというかな」


 少女の質問の答えになっているかはわからない返答をした。

 それに少女は、納得しているのか、していないのか、全く分からない表情を浮かべ、


 「不思議な人、ですね」


 くすっと笑いながらそう言った。

 なんで笑ったのかよくわからないかったが、取り敢えず答えとして受け取れているのであればそれでよかった。

 そしてそれから1時間ほど探していると、男の子の母親と出会い、無事、男の子は

母親と共にあるべき場所へ帰っていった。


 「良かったな」


 俺が少女に向かってそう言うと、優しい笑みで


 「ええ、子供は未来の宝です。幸せな場所にいないと可哀そうですから」


 意味ありげなことを言うと、そっと耳元で


 「また会えるといいですね」


 囁いて、俺の後ろに振り向く様に回るとその方向に歩いて行った。


 「なんだ…って、て、え?」


 彼女の向かった方向にイフと一緒に振り返ると少女はいなかった。

 屋根を渡っているわけでも空に飛んでいる訳でも、速く走っていったわけでもなく、消えるように姿が見えなくなった。


 「なぁ、イフ、消えたのか?」


 「私も消えたように感じます」


 俺と同じようにイフも感じていたらしく、二人で彼女が立っていたはずだった場所を見つめていた。

読んでいただきありがとうございます。

次回も短い!

では、次回もお楽しみに!

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